2017年11月27日月曜日

シンポジウム「単なる理想か?~憲法の可能性と実現力~」リポート②


(①の続き)
 木村草太教授は3人の発言を振り返りながら
「金平さんの指摘どおり、日本の報道の自由ランキングは落ち続けて
いるが、法整備そのものにはそれほどおかしいことはない。
マスメディアに関わり制度を運用する人たちがおかしくなっている
(自粛・忖度)、ということだろう。」
「太田さんが学校教育の重要性を指摘したが、そのとおりだと思う。
内田樹氏は「学校の株式会社化」と表現しているが、株式会社であれば
まだいい。実際は、閉鎖的空間でパワハラ体験を蓄積させる場。パワ
ハラに飲み込まれずに声をあげていいだという空気を作り上げる
(憲法的な体験をさせる)ことが大事。」
「政治の場面で考えてみても、社会には自民党政権に対して「強いもの
に逆らっては無駄だ」という雰囲気が生まれている。自民党政権以外が
政権を取ることは想像できないので、自民党政権に飲まれている方が
安心だという感覚ともいえる。」
「憲法では制度の側面があるが、理念や精神の側面もある。辺野古で
機動隊が取り囲む行為について、法的な説明はできる。が、やっぱり
なにかおかしい。制度があるだけでは足りなくて、制度を理念や趣旨に
従って運用することが、大事。」




 北朝鮮、学校教育、9条加憲、さまざまなテーマが飛び交い、
あっという間に時間が過ぎ去りました…。

 金平氏
「メディアの劣化は著しいが、諦めないで欲しい。報道に携わる者同士
の横の連帯が必要。」
 太田弁護士は、田中淳哉弁護士が作成した「不断の努力」アクション
リストを紹介。


「一人ひとりが自分のできることを考えて、実行することで社会を変え
ていける。」
 木村教授
「メディア露出の多い“専門家”の質を確保するために、専門家も横の
連帯が必用かもしれない。強いものに対し声を上げていいんだ、という
空気を作ることが大事。志あるメディアへの応援はじめ、私たちには
まだできることがたくさんある。」
猿田弁護士
「国会議員や市会議員にロビイングをするときに、言いたいことを言って
終わりではダメ。議会で質問してもらうために、この議員が普段関心を
持って取り組んでいるどの問題と引っ掛けて語るべきかを考えることが
大事。断れても何度も何度も会いに行く。憲法カフェを広めようという
時も同じ。」


 情勢は厳しくも、希望はまだある!と前向きになれる、笑いに満ちた
3時間でした!