2017年11月27日月曜日

シンポジウム「単なる理想か?~憲法の可能性と実現力~」リポート①


 大阪での人権研究交流集会、全体会シンポジウム
「単なる理想か?~憲法の可能性と実現力」は  満員御礼!

 あすわか兵庫のお芝居、あすわか大阪の分科会に続き、このシンポに
登壇した猿田佐世弁護士と大田啓子弁護士もあすわかメンバー。
憲法学者の木村草太教授とジャーナリストの金平茂紀氏という豪華パネ
リストが、憲法をめぐる社会状況・政治情勢について多角的に議論しま
した。

 金平氏は、10月22日の総選挙前日、秋葉原で巨大な日の丸や横断
幕をかかげて安倍首相を応援する人々の映像を紹介。
 「総選挙投票日前日の秋葉原では、安倍政権に反対する人だけじゃなく、
マスコミ関係者も足元を蹴られたりするような、スタッフが怖がるような
状況だった」とのこと。



 総選挙の結果を「立法府の敗北」と表現した金平氏は、
「三権分立が“壊死”した体制は、しばらく続くだろう」
「メデイアの“自粛”や権力への忖度も、止まらない」。




 猿田佐世弁護士は新外交イニシアティブ(ND)の事務局長とし
て外交や安全保障を研究。安保体制や沖縄基地問題の解決に向けて
ワシントンDCで精力的にロビイング活動をしています。



 「既存の外交には国民主権的・民主主義視点がない。沖縄や福島で
苦しむ人々、政府に反対する人たちの声はアメリカには全く届いてい
ない。」「外交も人々の生活に影響を与える政策だという理解が必要。
そのためには国家から国民に対し、判断に必要な徹底的な情報公開と
それに基づく十分な選択肢の提示が必要。与党は北朝鮮への圧力に
積極的で、アメリカと北朝鮮が戦争することになっても構わないかの
ようだが、実際に戦争になった場合に日本がどれだけ被害を受けるか、
アメリカがすでに試算している報告書などはぜんぜん国民に伝えない。
すべての情報(自分たちが受けるであろう被害)を知った上で、それ
でもまだ戦争を望むならまだしも、不利な情報を見せずに感情論で
世論を動かすのは卑怯。」




 太田啓子弁護士は、憲法カフェをはじめた経緯を紹介。



「憲法カフェはやればやるほど次につながる。憲法改正について
最終的にどうしたいかは個々人の判断だが、ただ「なんとなく」
決めてほしくないから、とりあえずまずは憲法を知ってほしい。
憲法含む政治の話を自然に気軽にできる社会にしたい。」






(②につづく)