2016年4月6日水曜日

緊急事態条項 やっぱ必要ないんじゃない!?広田一議員の質問答弁リポート③



 さて、この最終報告を受けて、政府はどう対応したのでしょうか?
 広田議員はこの最終報告書に言及しつつ
「東日本大震災の教訓に基づくいましなければならない法改正は
全て終わっている。言い換えれば積み残しの課題はないという認識
でしょうか?」
 と質問しました。

 これに対し河野大臣は、

 防災対策推進検討会議の中間報告、最終報告に基づいて、
● 2012年、2013年に災害対策基本法の一部改正をした。
● 2013年に大規模災害の復興に関する法律も制定した。
● 防災対策推進検討会議において措置すべきとされた事項に

ついては、これらの法改正により必要な法改正を講じた
● 検討した結果やらない、というものもあるが、それらも含め、

必要な措置を講じた

 と答弁したのです。

 上記で挙げた、自然災害による国家的緊急事態における国家的な
対応の在り方についても検討した…ということですよね!?

 広田議員がこのことを確認的に重ねて聞くと、
 河野大臣は、

● 防災対策推進会議の提言を受けた災害対策基本法の一部改正、
大規模災害の復興に関する法律を制定したが、災害対策基本法
109条1項で定める緊急措置の政令についての追加はしていない。
● 災害対策基本法の一部改正において災害緊急事態の布告に

かかる規定をみなおし、政府の対処方針の作成、避難所等の設置など
…新たに措置をし、災害緊急事態の布告をしやすいようにした。
● 法改正により、私権の制限や三権分立の例外を規定したわけではない。


 広田議員が重ねて
「先ほどの最終報告の提言の中には、帰宅困難対策や治安維持の範囲
でも、緊急措置の範囲を拡大する必要があるのではないか、それを検討
すべきだという提言もありました。
 これらも含めていわゆる緊急事態条項を法改正して追加する必要は
ないということでしょうか?」
と念を押すように確認したのに対し、

河野大臣は
「これらについては検討の結果、やる必要はないということです。」

と答弁しました。

 東日本大震災の経験を経て、緊急措置の範囲を拡大する必要が
あるのではないかという問題意識をもって検討して…結局そのような
法改正は必要ない、と政府は判断した、ということですね。

 既存の法制度のなかで対応できる、という判断だったのでしょう。

 なんだか、「災害対策のために憲法を変えて緊急事態条項を
つくらなくてはいけない」という「憲法改正必要論」と、ずいぶん違う、
というか全く矛盾することを言ってるな、というのが、体感されてきま
せんか?

 河野大臣が災害対策として極めてまっとうで健全なことを答弁
すればするほど、「災害対策のために!憲法を変えて緊急事態
条項をつくらなければならない!!」という意見が、非常に現実
から遊離した、根拠レスで意味不明なものであることが浮き彫り
になってくる感じなんですよね。

(④に続く)