2016年4月4日月曜日

【緊急事態条項 やっぱ必要ないんじゃない!?広田一議員の質問答弁リポート②】


Q そもそも、災害対策のために大事なことってなに?
  事前の想定と対策ですよね?
 
 広田議員は冒頭でこのことをコンパクトに確認しています。
 というのも、広田議員が指摘している通り、去年の通常国会での
安保法制の議論の際、安倍総理は何度も「国民の命と平和を守る
には何か起きてから法律をつくるのは遅すぎる」とおっしゃっていた
からです。「何か起きてから法律をつくるのでは遅すぎる」この理念
は災害対策にも通じるはずですからね。

 これに対する河野大臣の答弁は、以下のとおりです。

「まず、想定外をなくすというのが防災の第一歩」
「南海トラフや首都直下地震をきちんと想定し、きちんと訓練し、

いざことがおきたら、指示がなくてもでてきてもらうところにはでてきて
もらう、そういう条件反射のような形で出て頂くための訓練が大事」 
 



 全くおっしゃる通りですね~。 
 災害対策の鉄則は、「準備していないことは災害時にもできない」です。
どんなに強大な権限を事後に与えられたとしても、その権限保有者が
事前に準備してなかったことは災害発生時にもできないのです。
実際に政府は、東日本大震災後、南海トラフや首都直下地震の被害
想定の見直しを行っています。
 

 さて、なんでこんな当然の質問と答弁をかわしてるんだろうって不思議
に思いますか?
 自民党憲法改正草案が、災害とかの時に、政府に強大な権限を与えて
対応させるっていう発想のものだからです。それってほんとに災害対策に
なるわけ?という根源的な疑問が、この質問の根底には仕込まれている
のです。


Q 政府として、災害対策関連の法改正で
  まだやっていないことはあるのでしょうか?


 さてさて、未曽有の大災害だった東日本大震災を受けて、政府は
今までどんな対応をしてきたのでしょうか? 
 重要なものとして、2011年10月11日に中央防災会議が新たな
専門調査会として設置した「防災対策推進会議」、ここが2012年
7月31日に発表した最終報告書というものがあります。
   ↓
 http://www.bousai.go.jp/kaigirep/chuobou/suishinkaigi/

 ここの「第3章 今後重点的に取り組むべき事項」というのは、検討
すべき課題を宿題的にリストアップしたようなものなのですが、
 たとえば「自然災害による国家的な「緊急事態」への対応のあり方」も
テーマとして挙げられており、こんな記述もあるのです(29頁)
 
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 ② 自然災害による国家的な「緊急事態」での
                     国家としての緊急措置の範囲等
○ 現行法では、災害緊急事態における緊急措置の範囲は、経済的
措置等に限定されているが、帰宅困難者対策や治安維持等の観点
から、その範囲を拡大する必要がないか、東日本大震災で緊急に
法的措置がとられた事例も十分検証した上で、検討すべきである。
○ また、現行法における緊急措置は、国会が閉会中又は衆議院が
解散中であり、かつ、臨時会の召集を決定し、又は参議院の緊急
集会を求めてその措置をまついとまがないときに限定されているが、
例えば、首都直下地震の発生などで、直ちに会議を開くことができ
ない状況下において、物価統制など立法措置を行うことが必要と
なった際の対応について検討すべきである。

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(③に続く)