2015年3月28日土曜日

治に居て、乱を忘れず

平和な世にあっても、万が一のときに備えることを怠ってはならないよ、という意味の言葉でして

最近、自衛隊のことを「わが軍」だと思っている(?)方が、某大学の卒業式で述べたそうです
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150322-00000532-san-pol

確かに、
これまで、自衛隊の活動は、専守防衛で他国の紛争には顔を出さない(≒万が一やられたときにだけやりかえす)というのが原則的なルールでしたので、
(ちょいちょい特措法とかの例外はありましたが、そこは例外ですんで)
万一のときに備える、って意味では、まさに適任でしたよね

でも、
集団的自衛権って、他国の紛争に顔を突っ込むことを意味しますんで(この言葉の使い方については、過去ログ参照!)
集団的自衛権を行使できるようになったら
日本が武力紛争に巻き込まれる事態って
万が一にも起こらない事態じゃなくて
十分に予想される事態なんですよね
だから、
治に居て、じゃなくて、乱(に十分なりうる世)に居て、になっちゃうんですよね。

ところで、
この「治に居て、乱を忘れず」って言葉は、吉田茂さんも某大学の卒業生に送ったとされているようです

そのくだりがこれです

「君達は自衛隊在職中決して国民から感謝されたり、歓迎されることなく自衛隊を終わるかも知れない。 きっと非難とか誹ぼうばかりの一生かもしれない。御苦労なことだと思う。
しかし、自衛隊が国民から歓迎され、ちゃやほやされる事態とは外国から攻撃されて国家存亡の時とか、災害派遣の時とか国民が困窮し国家が混乱に直面しているときだけなのだ。言葉を変えれば君達が日陰者であるときのほうが、国民や日本は幸せなのだ。堪えて貰いたい。」

なるほど
こう言ってもらえたら、「そうだな、よし、がんばろう」って思えるような気がします。


一方
「わが軍」だと思っている(?)方が挨拶の最後の方で語った言葉は例えばこんな話でした

「中川中将はその部下たちに対してこのように語って生きて持久戦を続けるよう厳命したそうであります。
『最後の最後まで務めを果たさなければならない』
 諸君の務めとは何か。それは二度と戦争の惨禍を繰り返さない。そのために自衛隊の中核を担う幹部自衛官として常日頃から鍛錬を積み重ね隙のない備えに万全を期することであります。そしていかなる事態にあっても、国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜くことであります。」

ん?
この方によれば、「備えに万全を期する」というのは、集団的自衛権を行使できるようにすることのようですので(挨拶の前半にそのような話をしています)
命を懸けて集団的自衛権に参加してほしい、それが国民の平和な暮らしを守ることになるんだ、って言っているように読めるのは、私だけでしょうか?

「そうだな、よし、がんばろう」って思えなかった・・・・