2013年10月29日火曜日

24条の会 話題満載の2時間でした


 前回に続き、24条の会の報告です。
 1つとっても2時間話せるようなテーマが満載だったので、
下手にまとめることはせずに、トピックを(一部)お伝えします。
書き尽くせないのが残念…

● 自民党改憲草案の24条の放つ「気味悪さ」は、言うなれば
「おっさんのファンタジー」。そのファンタジーを個人的に抱くなら
まだしも、全国民に押しつけようとするところが恐ろしい。
(世界人権宣言を形だけ「参考」にしたと言いつつ、なんだか
カモフラージュのように使ってはいるものの世界人権宣言の
趣旨からはかけ離れた思想の条文になっている、ということは
前回書きました。)


● いまだに96%のカップルが、妻が姓を夫の姓に変える。
女性は当たり前かのように付き合ってる彼氏の姓を自分の
名前にくっつけてみて「すわりがいいか」検討してみる。
  できちゃった婚の「責任を取る」方法として、男性が女性の
姓に変えるケースがあったり、婿養子が「屈辱的」と感じられ
たりしていることからしても、姓を奪われることがアイデンティ
ティの喪失に直結することは皆分かっている。にもかかわらず
女性が姓を変更することには何のためらいもないこの社会には、
まさに「おっさんのファンタジー」が蔓延している。





● 結婚式の披露宴会場の看板には「●●家○○家婚礼披露宴
会場」なんてのがいまだに少なくない。お墓を守るとか、婿養子
にならないなら結婚許さないとか、個人の幸せを犠牲にしてまで
守りたい「家」って何だろう(ソンナユイショタダシーノカ)?


● 成人男性の「婿養子」つまり養子縁組がいかに国際的に見て
気味悪いか。(同性カップルが養子縁組を選ぶのは同性婚が認
められていないゆえの苦渋の選択だから理解できるとして)、貧困
問題の1つとして、経済的に困窮する人が自分の戸籍をダーク
サイドの人に売ってしまうケースがある。それに対して行政は
「不自然な養子縁組を見逃さないための」方策を練るというが、
婿養子の風習を不自然と思わないという前提があるのか…


● 日本の刑法は明治時代の制定されて以来、敗戦を期に
改正されることもなく続いていて、家父長制度の価値観がいまだ
に生きている。強姦罪の被害者が「女子」に限られているのは、
夫の(あるいは父の)財産である女性を侵害した罪として位置
づけられているからであり、またいまだに「女子」に限定している
国はセクシュアルマイノリティへの理解が進まない日本くらいな
もので、先進国の中でも珍しい。


● 同性愛を「普通でない」かのように異常視する人々は、織田
信長はじめ数々の戦国武将を同「位置づけるつもりなのだろうか。
明治より前の日本が、性に寛容な文化を永らく育んできたことは
歴史を見れば明らかなのに、彼らはそれを見ないふり(知らない
ふり)をしている。恋愛とは異性間のものであるというファンタジー
を信仰しているから。


● 自民党の議員達によると、婚外子の相続分を婚内子(嫡出子)
と同じにすると、なぜか「家族制度が崩壊」し、夫婦別姓という選択
肢を認めるとなぜか「家族制度が崩壊」する。彼らの言う「日本の
家族制度」ってそもそも何だろうってところからして謎だが、ともかく
非常に脆弱なもののようである。姓を統一するしかない現在におい
ても、DVやら虐待やら不倫やら、円満ではない家族は一定の割合
で存在して、姓がどうこうとは関係あるとは思えない。やはりファン
タジーを信じ込みたいのであろう。


● 安倍首相が熱心に推奨する育鵬社の公民教科書は、男女差別
について真正面から取りあげることはしない一方で、「男女には性
差があり、男らしさ・女らしさを尊重せずに性差と男女差別を混同
するのは男女平等の行き過ぎである」という主張を強調している。
また、ジェンダーフリーという用語を「性差を否定したり、男らしさ、
女らしさや男女の区別をなくして人間の中性化を目指すこと、また、
家族やひな祭り等の伝統文化を否定することは、国民が求める男女
共同参画社会とは異なる」と、???な解説をしている。安倍首相は
2011年9月21日「育鵬社版教科書の採択報告と懇親の夕べ」で
当時「元首相」として出席し、「日本人の美徳と優れた資質を伝える
教科書が(中略)子どもたちの手に届くことになったことは、教育再生
の基盤となるものと確信します」を熱い支持を訴えている。