龍谷大学教授の元山健先生より、当会に応援メッセージを頂きました!
(下記に全文掲載)
元山先生、ありがとうございました。
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こんにちは。龍谷大学に勤めています、元山健といいます。
皆さんの仲間の京都の弁護士さんたちに励まされて、このメッセージを書いています。
全国の若手の弁護士の皆さんの会の活動に励まされる思いです。
両院の過半数で憲法改正を発議できるようにする改憲案はとても危険なものです。
国民投票とセットで考えれば、改憲手続はなおも「硬性」だという主張は通りません。
なぜなら、レファレンダムは、法律の制定レベルでも用いられている手続であって、
そうだとすると、議会での発議における過重議決こそ、近代憲法の「硬性」か否かの
メルクマールだからです。
実際にも今日、レファレンダムを伴わないにもかかわらず、「硬性」憲法の国は
たくさんあるのです。
加えて、現代憲法の典型である日本国憲法は、国民主権の充実強化という観点から、
参加民主主義・直接民主主義の最も典型的な手段である国民投票(レファレンダム)をも
憲法改正の必須の手続きとして定めているのです。
また時にイギリスが、「軟性」憲法の国で、「法律」と同じ手続で憲法をも改正できる国の
典型だといわれることがありますが、イギリス憲法ほど(良かれ悪しかれ)17世紀の
市民革命で確立された憲法原理(古めかしい、とはいえ「立憲」の、王制を含めて)を
維持し続けている国はありません。
形式的には「軟性」であっても、イギリス憲法は他のどの国よりも「硬性」に機能してきた
といえるでしょう。
日本国憲法が改正されてこなかったのは、議会の発議要件が過重からなのではなくて、
国民が憲法を支持(又は、消極的にいえば、改憲に反対)してきたからにほかなりません。
国民とその代表の圧倒的合意がある場合にしか、憲法を変えることは許されない、
それが立憲の根本的原理です。
若い専門家の皆さん一人ひとりが、全国の津々浦々で、今般の自民党改憲草案の危険性を説く姿を胸に思い浮かべつつ、敬意の挨拶を送るものです。
元山健(龍谷大学法学部)