2013年2月20日水曜日

 対談を紹介しまーす。

 雑誌『世界』3月号
 対談 食と命は流れとなって平和の中に生きる
 内橋克人 × 辰巳芳子


 石原慎太郎氏が日本国憲法の前文を『下手な翻訳調』と
非難することに関して、内橋氏が発言しています。
(以下、抜粋)


*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

 大江健三郎さんは、憲法九条にある「希求する」という言葉に、
戦禍を生き延びた日本人の悲しみを読みとっておられる。
 大江さんは、少年の日、母に「ねがい求める、心から望む、
というこのことば。この悲しいほどのことばを、どうして大人は
使ったのか」と聞く。
 お母さんは「きっとご家族の方が、戦場に行ってか、空襲か、
で亡くなったからです」とお答えになる。
 「希求」という言葉ひとつ、同じ文学を道とする二人で、かくも
受け止め方が違う…。

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

 印象的なエピソードに、ハっとさせられました。
 言葉に対するかくも繊細な感覚でもって日本国憲法に対峙すると、
どれだけの深い思いが押し寄せてくるのだろうかと思います。