2024年12月4日水曜日

緊急事態条項(国家緊急権)の危うさ②


 日本国憲法に緊急事態条項(国家緊急権)が無いのは、制定時に政府が

「積極的に拒否した」からです。

 明治憲法下では国家緊急権(緊急勅令)が乱発され、結果として軍の暴走

(朝鮮人・中国人の虐殺)が起きたり、治安維持法を凶悪なものへ「改正」

するために使われたり、政府はその危険性を分かっていたわけです。


 日本国憲法の制定時、議会で緊急事態条項(国家緊急権)を設けるべきか

審議されましたが、金森徳次郎国務大臣は「あれば必ず濫用される」危険

性と、民主政治の徹底により対処できるから不要、と答弁し、明確に国家

緊急権を拒否しました。「暴走する権力」の目撃者・体験者たちの答弁。

この説得力。。。!




緊急事態条項(国家緊急権)の危うさ①



 韓国の突然の非常戒厳令には驚きましたね…。

 政府が憲法体制(三権分立と人権保障)を一次停止させ国家権力をすべて

掌握する…って、それ、どっかで聞いたような…と思いませんでしたか?

 そうそう、自民党が2012年以来、提案し続けている緊急事態条項

(緊急政令)というアレです。

  そんな制度の危うさが実感できた一件でもありました…。


 憲法に創設しよう、と提案する議員もいる緊急事態条項(国家緊急権)。

 一般的には、【戦争・内乱・大災害など、およそ通常の統治システム

では対処できないほどの非常事態に際し、立憲体制(人権保障と三権分立)

を停止し、政治権力を一点に集中させることで、事態に対処する制度】と

定義されます。

 緊急事態条項は、国によって「戒厳令」「非常事態宣言」など呼び名は

多様です。いずれにせよ憲法の一時停止であり、定め方や運用によっては

独裁体制のスイッチ(憲法の自爆装置)になり得、濫用の危険性が常に

伴う制度です。ナチスはこの国家緊急権を巧みに使って独裁体制を築き

ました。


2024年12月3日火曜日

デマに注意⚠ 生活保護受給は正当な人権行使です

 

 生活保護の受給が正当な人権(憲法25条)の行使であること、

まだまだあまり知られていません。むしろ受給は良くないことだとか、

不正が多いとか、デマが流れがちな印象です。正しい知識を身につけて、

バッシングに加担しないようにすることが賢明です👍

 


 💡オススメ記事💡
    ↓

● 8割が利用できていない、不正受給率はごくわずか。

    生活保護について正しい理解を (日本財団ジャーナル)

 https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2023/94964/poverty


新潟県弁護士会主催 青井未帆教授講演会「憲法9条の基本理念と今日的意義~平和主義を貫くために必要なこと~」

 

 新潟県弁護士会主催の講演会のお知らせです📣

 安保3文書の改定はじめ、政府が前のめりに進める軍拡政策を、

憲法9条との関係でどうとらえたらいいのか、最先端の議論をおさえて

おきたい方、必聴です!

 憲法講演会

『憲法9条の基本理念と今日的意義

      ~平和主義を貫くために必要なこと~』(青井未帆教授)



<田中淳哉弁護士のブログ>

 https://j-c-law.com/kenpoukouenkai250201/


日時:2025年2月1日(土)

 14:00~16:00


会場:新潟ユニゾンプラザ 大研修室(4F)


入場無料・予約不要

兵庫県弁護士会のイベント「僕たちの未来の選択 ~この先の20年も平和に暮らせる国防を考えよう!~」

 

 兵庫県弁護士会のイベントをお知らせします🎉

 対象は、「自分が生きている間に日本は戦争するのかな?そのとき自分

暮らしはどうなるのかな?と心配している若い人」「国際社会で責任を

果たすためには、日本も戦争しないと行けないんじゃないか?でもそれ

ってどういうことなんだろう?とモヤモヤしている若い人」だそうです!

詳しくは下記URLのイベントページをご覧下さい✨


 兵庫県弁護士会主催

「僕たちの未来の選択

             ~この先の20年も平和に暮らせる国防を考えよう!~」

 https://tinyurl.com/443vzycd

 講演とグループディスカッション!



日時:2024年12月21日(土)

  13:30~16:00 


会場:兵庫県弁護士会館


●プログラム内容(案)

・ブレイクディスカッション

・講演① 戦争になったときの命と暮らし(法律・条約の定め)

・講演② 国家・自衛隊・国民にとって、有事(戦争)とは何か?

・グループディスカッション

・質問と共有

・講師からまとめのお話

●講師

 講演① 永井幸寿弁護士(兵庫県弁護士会)

 講演② 柳澤協二氏(元内閣官房副長官補)



参加費無料


お申し込みフォーム→ https://ws.formzu.net/fgen/S82302696/

“元委員長”林陽子弁護士「選択的夫婦別姓の実現のための仕組みが整ったのではないか」

 

 国連の女性差別撤廃委員会からの勧告について、もう1つ記事を

紹介します。

 林陽子弁護士は、2008年から女性差別撤廃委員会の委員を務め

られ、2015年から2017年には日本人初の委員長を務めました。


● 「選択的夫婦別姓実現に、可能性が」。

   政府に厳しい指摘、国連女性差別撤廃委員会の元委員長、

                林陽子さんに聞いた (ハフポスト)

https://news.yahoo.co.jp/articles/1ca24667df746b1dc6eeda3b3ea49fc077af3382?source=sns&dv=pc&mid=other&date=20241127&ctg=dom&bt=tw_up



<一部引用>

 選択的夫婦別姓の問題はフォローアップ事項(最重要勧告)であり、

大きな財政的負担がかかるわけではないのに、何度も同じ勧告を受け

続けている。

 多くの委員たちは、障害となっているのは日本社会の「世帯主は男性で、

その名字に統一することは子どもにとってもいい」といった家父長的な

意識であり、日本だけがこのような制度を続けていることに違和感を

抱いています。また、政治の意思決定の場に女性が少ないために政策が

進まないとも指摘されました。

 今回の勧告に「供託金の引き下げ」が入ったのも、一見唐突に見える

けれども、女性議員が少ないのは選挙制度の問題でもあると一石を投じて

くれて、鋭い指摘だと感じました。


――勧告は2年以内に取り組むよう求めていますが、選択的夫婦別姓など

が実現する可能性についてはどうお考えですか?


  2024年の衆院選で、自民党が少数与党となったことで、選択的

夫婦別姓に反対しているのは国民ではなく自民党の中の一部であり、石破

茂総理も総裁選までは「反対する理由がわからない」と発言していた。

総裁選前、今年6月には自民党の支持基盤である経団連さえ夫婦別姓導入

を求める意見書を出していた。だから、新政権となり、衆議院の法務委員

会の委員長に、選択的夫婦別姓導入に賛成する立憲民主党の西村智奈美

議員が起用されたことで、私は実現のための仕組みが整ったのではないか

と非常に期待しています。

<引用終わり>

夫婦別姓導入へ4度勧告「恥ずべきだ」by藤田早苗先生インタビュー記事③

 

 国内外で活躍する藤田早苗先生のインタビュー記事を紹介しています

(③です)。国連の女性差別撤廃委員会から日本政府へ、数々の勧告が

出されて話題になりました。

 勧告の内容は多岐にわたりますが、中でも男系男子による皇位継承を

定めた「皇室典範」の改正も勧告されたことは注目を浴びました。林官房

長官はじめ、反射的に『内政干渉だ』と反発する声が上がりましたが、

この点についても藤田先生のコメントが参考になるので、ぜひお読み

ください。


● 夫婦別姓導入へ4度勧告「恥ずべきだ」

              国連委と建設的対話欠く日本 (毎日)

 https://mainichi.jp/articles/20241120/k00/00m/040/142000c



<一部引用>

―男系男子による皇位継承を定めた「皇室典範」についても見直すよう

勧告がありました。しかし、政府は「国家の基本にかかわること」と反発

しています。

 ◆審査にあたった議長は、日本が反発していることをふまえ、「問題を

指摘されているのは日本だけではない。(王室がある)私の国スペインも

同様だ」などと話しました。皇位継承に関してジェンダーの視点から問題視

しているだけで、皇室自体の存廃に触れているわけではありません。

委員たちは、反発の背景には「日本の家父長的な固定観念がある」と考え

ています。

 <引用終わり>


夫婦別姓導入へ4度勧告「恥ずべきだ」by藤田早苗先生インタビュー記事②

 

 国内外で活躍する藤田早苗先生のインタビュー記事を紹介しています

(後編です)。国連の女性差別撤廃委員会から日本政府へ、数々の勧告が

出されて話題になりました。

 条約を締結している以上、「それ条約違反だよ」と指摘をされたら謙虚

に受け止めて今後の政治に活かさねばならないところ、なぜか「内政干渉だ」

などと反発の声が大きく聞こえます。一人でも多くの市民(と政治家)に、

条約に参加していることの意味や勧告の意味など理解が広がるよう願って

やみません。

.

.

● 夫婦別姓導入へ4度勧告「恥ずべきだ」

               国連委と建設的対話欠く日本 (毎日)

 https://mainichi.jp/articles/20241120/k00/00m/040/142000c



<一部引用>

 ―「勧告には法的拘束力がない」という見方があります。勧告の内容を

無視していいのでしょうか。


 ◆2013年6月、安倍晋三内閣(当時)は(旧日本軍の慰安婦問題を巡る)

国連拷問禁止委員会の勧告について、わざわざ「法的拘束力がない」など

とする答弁書を閣議決定しています。条約自体は法的拘束力があります。

勧告はその条約実施のための指針であり、条約締約国として尊重すべき

ものです。日本国憲法98条2項は、条約を誠実に順守することを定めて

います。

 国連の審査では「建設的対話」が基本とされ、政府側は「ここまでは

受け入れるが、ここから先は不可能」「いつまでに進める」などと具体的

に回答するのが通常です。日本の多くの主張は建設的対話からほど遠いです。

 <引用終わり>

夫婦別姓導入へ4度勧告「恥ずべきだ」by藤田早苗先生インタビュー記事①

 

 国連の女性差別撤廃委員会から日本政府へ、数々の勧告が出されて

話題になりました。

 謙虚に受け止めて今後の政治に活かさねばならないところ、なぜか

「内政干渉だ」などと反発の声が大きく聞こえます。一人でも多くの

市民(と政治家)に、条約に参加していることの意味や勧告の意味など

理解が広がるよう願ってやみません。

 少し前の記事ですが、国内外で活躍する藤田早苗先生のインタビュー

記事がありましたので紹介します。


● 夫婦別姓導入へ4度勧告「恥ずべきだ」

            国連委と建設的対話欠く日本 (毎日)

 https://mainichi.jp/articles/20241120/k00/00m/040/142000c



<一部引用>

 (4度目の、選択的夫婦別姓の導入の勧告について)

 国連の各委員会では、前回の審査から何が進歩したのかに注目します。

しかし、日本政府は「国民の間で議論がある」として、従来通りの主張を

変えていません。4回も同様の勧告を受けるのは恥ずかしいことです。

 世界中で夫婦別姓を選べないのは日本だけです。各種の世論調査でも

選択的夫婦別姓に6~7割が賛成し、経済界の一部からも要請が上がって

います。「家族の絆が崩れる」などの主張がありますが、同姓か別姓か

どうかと家族の一体性とは無関係ではないでしょうか。家族をとても大事

にする英国の友人に「日本では夫婦別姓が認められない」と話すと言葉を

失っていました。

 <引用終わり>