2016年10月26日水曜日

「改憲することは決まってるから」っていう姿勢、おかしくないですか?






 いよいよ、憲法審査会が開かれます。




 憲法審査会といえば、
 自民党さんに招かれた3人の学者さんたちが、そろって
「集団的自衛権の行使は憲法違反」と明言なさった、あの
強烈な(自民党さんの)オウンゴールが忘れられません。




 さて、その憲法審査会を前に、安倍首相は、
「国会で政局から離れて冷静に議論し、国民に分かりやすい形で
発議案をまとめることを期待する」
 と述べたのだそうです。




 安倍首相「政局から離れた冷静な改憲議論を」 
                 自民党推進本部長に伝達(産経)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161026-00000518-san-pol




 あれれ…再開したと思ったら、もう「発議案の取りまとめ」の話?
 ものすっごく早急な話ではありませんか?
 7月の参議院選挙で、7割の有権者が、改憲というテーマを知らずに
投票したという調査結果が出ています。
 国会の中でですら、やっとこさ憲法審査会が再開したところなのに、
なぜもう「発議案」などという話になるのでしょう?
 憲法を変えるべきなのか変えなくていいのか、という議論はまったく
進んでいませんし、そもそも主権者国民の中で「憲法を変えるべき
なんじゃないか」なんて世論も広まっていません。
 まだまだまだまだ、(あすわかの努力不足でもありますが)、国民は
憲法を身近に感じていませんし、憲法を変えるということを自分の
問題として向き合っていません。


 
 憲法は、主権者国民のものです。


 義務の規定もあるとか、前文に“お国柄”がとか、いろいろ言われますが、
それはオプションであって、本質ではありません。
 本質は、「国民が、自由や人権を守るために、国家権力を縛る」という
ところ。
 ですから、国会議員や内閣が、「憲法変えよう!」などと言い出す筋合い
はありません。
 主権者国民が熟慮に熟慮を重ねて議論した末に、「やっぱり憲法を変え
よう」という結論に至った時、それを国会が受け止めて、発議するもので
あるはず。




 大幅な人権制約・国家緊急権・個人の幸せよりも「家」・国防軍…
こんなのがてんこ盛りの改憲草案を、撤回する気ゼロ(つまり本気)の
自民党さんが強引に発議案に引っ張る形での改憲論議なんて、どこ
からどう見ても、危険としか思えないのですが…どう思われますか?




 もしかしたら、憲法審査会の委員の方々の中には、憲法を全文、
しっかり目を通したことがない方もいらっしゃるのでは、と勘ぐって
しまう今日この頃。


 謙虚に、まず、目の前の憲法を知る(学ぶ)ところからスタート
しましょう、という姿勢を、期待します。