2016年9月29日木曜日

憲法カフェまつり2016 分科会の報告2 「学校で中立『病』が蔓延!?~ますます進む『政治はタブー』」


先日行われた、憲法カフェまつり2016!の報告です

今日の報告は
「学校で中立『病』が蔓延!?~ますます進む『政治はタブー』」
です

講師は、日弁連でも活躍している小林弁護士!

憲法カフェですんでね、やっぱりクイズから入りました。
 
「教師が『子どもを再び戦場に送らない』と決意すること
これは、「政治的中立性」に反しますか?」

いやいや
人の命を大切にする・教え子を大切にする
って当たり前じゃないですか。

だから、
戦場に送らないって決意するなんて何も問題ないじゃんって、みんな思って、
誰も手を挙げなかったんですよね。

ところが、
「これを問題だと言ったのが自民党なんです」
という解説には一同びっくりしました。

 
「セイジテキチュウリツセイ」って、
結構使われていますけど、
憲法上、どのように位置づけられているんでしょうか。

 
講師の小林弁護士が、強調したのがまさにこの点

簡単に言えば
憲法で大切にしているのは『子どもの学習権』なんですって。

学習権ってのは、
子どもが一人の人間として成長発達して、
自己の人格を完成・実現するために必要な学習をする権利
とのこと
 
つまり、
親も教師も学校も教育委員会も国も、みーーんな
(国のためじゃなく)子どものために尽くせ、
ってことなんですね。

 
だから、
教師が「俺は縄文時代が好きだから明治時代以降は教えない」ってのは、
子どもに必要な知識を与えないからよくないし
国が「勉強できない人は体育と労働実習だけやってろ」というのも
子どもの可能性を奪っちゃうから、よくないんですよね。
なるほど、確かに。

要は、
ダメなのは、子どもの学習権を妨げるような教育ってことですよね。

だから、政治的な教育についても、
子どもの学習権を妨げるような政治的な教育がダメってことです。

 
これを法律で決めたのが、教育基本法14条2項
「法律に定める学校は、
特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育
その他の政治的活動をしてはならない」

 
この法律は、ちょっと分かりにくい文章ですけどね
法律は憲法に矛盾しないように解釈することになりますから
この法律の内容は、憲法(学習権)に基づいて解釈することになります

そうなると、
特定の政党を支持するような教育は
子どもの学習権を妨げちゃうから、ダメってことですね。
そりゃそーだって、気がしますね。
これが、「政治的中立性」の法律上の根拠なんだそうです。

簡単に言えば、
子どものためになるのか否か、が重要なんですね。

 
こういう観点で見てみると、
「セイジテキチュウリツセイ」って言葉が濫用・乱発されている気がしません?
例えば
新聞を2紙だけ使った授業が「政治的中立性に反する」とか
生徒のつくった文章が「政治的中立性に反する」とか
こんなことを言う人がいるらしいのですが
本来の意味(学習権を妨げるものがダメ)よりも、はるかに広く使われてる気がします

 
ちなみに、海外では、どうなのか?

ドイツの学校では
・論争のある問題は論争があるものとして扱う
というのが、大切なルールなんだそうです。

 
イギリスでは
・完全な不偏・中立というのは不可能という前提に立ち
・教員は意見を言わないか、あえて反対の意見を述べるか、自分の意見を述べる、といういずれの方法も許容されているんだそうです。
 

要するに、ドイツでもイギリスでも
学校で政治的な内容を扱うのは、当然で
教師が意見を述べる自由もあるようです。
それが子どもの成長(学習権)に資するって考えなんですね
日本と全然違いますね

 
じゃ、これからどうすればいいのか?

小林弁護士は、
親も教師も、憲法的な観点から社会や学校を見ることが大切
地域に憲法力を!
と締めくくりました。

 具体的には
学校がまともな教育を子どもにできるどうかは
親・教師・学校・教育委員会・国の対応にかかっている
特に子どもに向き合って対応することになる親や教師の役割が極めて重要

だから、
その親や教師が、憲法的な観点(子どもの学習権の充足という観点)で考えましょう
学校にも教育委員会にも国にも、憲法的な観点で考えてもらえるように働きかけましょう
ということでした。

 
参加された方からは、
・忙しい教師は政治のことを考える余裕もない
・モンスターペアレントや議会議員が、授業の一部だけをとりあげて騒ぐのが怖いので、教師はそういうリスクを回避するために、政治に触れない授業になってしまうんじゃないか
・自分で考えるという経験のない子どもが増えてきている
・親が忙しすぎて、親も政治的関心が薄いし、子どもと議論するひまもない
・大人にも子どもにも、失敗する自由を認められるような社会である必要がある
・教育現場には、政治に触れないでおくべきという空気があるように感じる
といった感想が出されました。

 
ほかにも、様々な意見が出され、
講師も参加されたみなさんも、
新たな観点・知見(知憲)を得られたんじゃないかと思います。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました~!!!

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