2016年1月21日木曜日

【忘れないタメに!】

毎月19日には、安保法制に反対するデモや街頭宣伝が企画されていますね。ご参加の皆さま、お疲れ様でした。

 

強行採決。

 

あの時、国会で与党がいかに中身のない答弁に終始し、国会での議論を放棄したか。
あの時、国会でどれほど理不尽なことが行われたか。

怒って・怒って・怒りまくっていたはずなのに、
賛成議員を選挙で落とすと誓ったはずなのに、
時の流れとともに少しずつ薄れていきます。

でも、そんなことではいけない。
私たちは、自らの自由と権利を守るため、不断の努力(憲法12条)を続けないといけないのです。

あの時の怒りを忘れないタメに、
昨年末、京都で行われた長谷部先生の学習会を振り返ります。
安保法制(賛成派の主張)を斬って・斬って・斬りまくる!!という痛快な内容でした。

 

「憲法学者には、憲法9条はややこしそうだから触らないでおこうと考えている者が多いが、大多数の憲法学者が声を上げたことに驚いた。元内閣法制局長官、元最高裁長官が声を上げたことにも驚いた。だって、彼らは黙ってじっとしている人達。」

集団的自衛権、すなわち日本がやられてもいないのに他の国と一緒に海外で武力行使をすることは、憲法9条のもとでは許されないと解釈されてきた、明白に違憲な行為です。黙ってじっとしている人たちが、声をあげざるをえないと考えたことは、事態が深刻であることを示していますね。

 

「政府は正面から反論できなかった。学者というのは条文にこだわっているだけだとか、元内閣法制局長官や元最高裁判所長官は、今はただの私人である等」

これを聞いた時は本当に衝撃でした。自分たちに肯定的な意見を述べている時は学者の権威を最大限利用し(例:特定秘密保護法)、否定的な意見を述べている時は「ただの私人」呼ばわりですから、ご都合主義もいいところです。

 

「時の政権が、その判断で憲法の意味内容を変更できるとなれば、立憲主義は崩壊。徴兵制は憲法18条<意に反する苦役>に違反するので導入しないなどという弁解にも説得力はない。」

憲法9条のもとで集団的自衛権は認められないとしてきた憲法解釈は間違ってました。
私が最高責任者です。
今日から憲法9条のもとでも集団的自衛権が認められると解釈します。
・・・なんてコト言う人たちですからね。憲法に違反する法律を作った人が、
いくら「憲法に違反するから出来ません!」って叫んだって信じられません。

 

「安倍首相はしばしば<絶対><●●はしない>と言うが、法文には何らの記載がない。ゆえに、彼が考えを変え、もしくは党首が変わればそれまで。」

憲法が禁止をしている集団的自衛権を、独自の解釈で容認する人もいるくらいですから、絶対に核兵器を輸送しないというなら、法文上で禁止することは必須です。

 

「集団的自衛権は自国防衛のためと言う人がいるが、集団的自衛権の行使と言われる以上、攻撃を受けているのは他国。日本は攻撃を受けていないし、攻撃の着手もない。この状態で反撃することは先制攻撃で、個別的自衛権の行使としてすら許されない。」

そう、時々「日本が攻撃されたら誰が守るんだ!」と反論している人をお見かけしますが、集団的自衛権と個別的自衛権の違いを理解していない典型です。
日本がやられているから反撃するのが個別的自衛権。
日本がやられていないのに、他の国がやられているからといって一緒になって反撃するのが集団的自衛権。
日本防衛というなら、日本の限られた防衛力を世界に拡散するというのこそ危険では?

 

「日本を取り巻く安全保障環境が深刻な状況になったから必要だというが、経済平和研究所による平和ランキングにおいて日本は8位で、従前から変化していない。」
「50点のものを60点にするのは簡単で、勉強のやり方を変えればいい。しかし、90点のものを100点にするのは困難なので、今まで通り勉強しなさいという。」

まさに「先生」らしい例え話。
日本は安全保障につき90点くらいとってるようなものですね。
ちなみにアメリカは94位、中国は124位。最下位は、シリア。

 

「世界各地で軍事協力をすればアメリカは日本を助けてくれるという人もいるが、日米安保条約では、締約国は自国の憲法上の規定及び手続に従って義務を果たすとされているだけ。アメリカ軍が本格的軍事行動をするには連邦議会の承認が必要です。」

人の住んでいない尖閣諸島を守るために、アメリカの若者の血を流す選択を議会がするでしょうか。
いかなる国も、自国の利益にかなう政治的判断をします。
日本の利益にかなうかどうかでは動かないのではないでしょうか。

 

「アメリカは、善悪二元論に立ち、確たる見通しなく軍事介入。アフガン、イラク、リビア、シリアはテロリスト集団の巣窟になった」

そうです。アメリカの軍事行動に追従することを表明した日本は、
今やテロリストから名だしで狙われる国になり、尊い命も奪われました。
武力でテロは防げないのです。

 


「次の参議院選挙は政権選択の選挙にはならない。しかし、自衛隊の出動命令に関する国会承認については衆議院の優越がないので、参議院の反対決議で止めることができます。」

だったら、私たちのとるべき道は決まっています。
安保法制は通ってしまったけれど、まだ自衛隊は派遣されていない。
まだ一発も銃を撃っていない。
安保法制の運用を止めるため、これからも定期的に「怒り」を思い出しましょう。

 

余談ですが、社会の空気を変えた、あの憲法審査会。
長谷部先生によると、国会の招請状には何党の推薦かは書かれていないそうです。
だから先生自身、翌日の朝刊を見て、あぁ私は自民党の推薦だったのかと認識されたそうです(笑)