2014年9月12日金曜日

終わりのない「対テロ戦争」 集団的自衛権をリアルに考えよう


 報道によると、オバマ米大統領は10日夜(日本時間11日午前)、
ホワイトハウスで米国民に向け、イラク、シリアで活動するイスラム
教スンニ派過激組織「イスラム国」を壊滅させるための包括的な
戦略を発表し、シリアでの空爆を承認する考えを表明しました。
 目的の達成に向け、米国が「幅広い有志国連合を率いる」と強調
したそうです。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140911/amr14091110580004-n1.htm


 泥沼化した対テロ戦争を批判したオバマ大統領が、新たな対テロ
戦争の宣言をした、という絶望的な皮肉に、目眩がする思いですが…
(テロって、特定の国とか民族じゃなく手段なので、はっきり言えば
誰がいつどこでどんな意味を込めてやろうともテロはテロなので、
「テロの撲滅」なんて不可能なんですけどね、なんて思ったりもしま
すが)。


 ともかく、アメリカが戦争を大いに続けるということ。


 そして「幅広い有志国連合を率いる」なんてことも強調していること。
 これは、集団的自衛権の行使容認を閣議決定されてしまった日本の
主権者として、他人事としてとらえてはいけません。


 憲法9条を骨抜きにするんです、と宣言した現政権は、9月末から
始まる臨時国会では関連法案の改正が進める予定です。私たち
主権者はもちろんどんな議論がなされるのか監視していくわけですが、
そこでは「想像力を働かせること」がとても大事です。


 イスラエルのガザへの侵攻、連日報道されていました。
 目をそむけたくなるような、虐殺された子ども達の映像もたくさん
流れました。なにこれ意味分かんない、なんなの宗教の争いって、と
思った方、きっと多いと思います。

 でも、日本(安倍政権)はイスラエルと共同声明を発表しました。
イスラエルへの武器提供が進められ、イスラエルの同盟国になり
つつあるのです。
 そして、アメリカの際限のない「対テロ戦争」はもちろん、同盟国
の戦争です。


 集団的自衛権の行使というのは、つまり、イスラエルのパレスチ
ナへの侵攻(容赦ない民族浄化)に参戦し、あるいはアメリカの
終わりのない対テロ戦争に自衛隊を投入することです。

  
 参戦すれば、どんなにこちら(日本政府)が「必要最小限」と
言ったところで、相手にしてみれば日本は敵です。
 敵はテロの標的になります。


 宗教とか全然よく知らないし-、とか、そういう場合ではないのです。


 遠くでの戦争でしょ、日本国内にいれば関係ないでしょ、とか、
そんなわけはないのです。


 戦争に参加する、ということを、リアルに想像しましょう。

 その上で、主権者としてこの国の未来を選び取りましょう。
他人任せでは、自分の未来も、子どもの未来も守れません。