表現の自由も、無制限ではなく、すでに名誉毀損罪や侮辱罪がある
ように、誰かの人権を侵す表現までも保障されるわけではありません。
特定の集団や個人を貶め、差別や暴力を扇動する主張をヘイトスピーチ
といいます。マイノリティを萎縮(怯え)させる効果は大きく、民主主義
社会の基盤を壊します。
ヘイトスピーチは、対象となるマイノリティにトラウマやPTSDなど取り
返しのつかない心の傷を負わせる上に、野放しにすれば社会に差別を「当然
のもの」と根付かせ、差別構造を強化し、最悪の場合はジェノサイドを招き
ます(ex. ホロコースト、ルワンダのツチ族大虐殺、関東大震災直後の外国人
虐殺)。
少し前の記事ですが、度重なる差別発言が目に余る杉田水脈議員が、今度は
『在日特権』が存在すると発言したとのこと…記事をご紹介します。
● 自民・杉田水脈議員の在日特権「存在する」投稿、
ノンフィクションライター安田浩一さんは「確実なヘイト」 (カナロコ) https://news.yahoo.co.jp/articles/8e0d84b4e14faaa037539c8b8780599ddd6f8172?source=sns&dv=pc&mid=other&date=20231117&ctg=loc&bt=tw_up
国会議員は、憲法尊重擁護義務を負い(99条)、少しでも日本社会に
おける人権保障を完全なものにすべく邁進すべき使命を負います。
その国会議員が、憲法の理念に共感するどころか、率先してヘイトスピーチ
をするなどということは、控えめに言ってもあり得ないことです。
<一部引用>
「これまでに当事者はもちろん研究者、自民党の政治家も含め、こと
ごとくその存在を否定している。『在日特権』の矛先にされている生活保護
(受給しやすいというデマ)や年金(支払わなくても支給されるというデマ)
の所管団体や役所にも何度も話を聞いたが、みな否定した。他に電気、水道
が無料になる、税金が免除されるなどというものもあるが、事実無根の与太話
だ。このデマは単なる差別扇動の道具で、ヘイトスピーチそのものだ」
<引用終わり>
こうしたヘイトを喜ぶ層がいるからこそ、杉田議員は批判を顧みず発言を
続けるのだろうと思われますが、同議員の発言を所属する自民党が何の処分
もせず事実上擁護しているからという点も、見過ごすことはできません。
ヘイトや差別を容認する政党・政府を、支持できますか?という問いが、
主権者一人ひとりに突きつけられています。