2018年9月20日木曜日

『新潮45』10月号について


『新潮45』10月号が、杉田水脈議員の「LGBTは生産性がない」発言を
全面擁護する特集を組みました。

 擁護するばかりか、LGBTを「異常」「ふざけた概念」と罵倒中傷し、痴漢の
「触る権利の保障」を主張する記事までも。

 ただただ精神的苦痛を味あわせるための差別的な記述を安易に掲載する出版社の
人権感覚を疑います。


 これに関して、新潮文庫nexはツイートで、「ひとつの意見を尊重しつつ、まったく
別の意見も尊重できる、その幅の広さ、好奇心の強さ」がジャーナリズムの真髄だ、
と述べています。おそらく『新潮45』への批判に対するコメントと思われます。

 「両論併記」で「中立ぶる」メディアにありがちな発想で、とても残念です。
 差別発言やヘイトまでをも「一つの意見」として安易に容認することは、メディアの
矜持を失い、人権感覚が完全に欠落し、自らが思考停止に陥っていることを意味します。


 LGBTを、まるで存在そのものが許されないかのように書きなぐる。
正視できないほどの暴力性に満ちています。


 差別はあらゆる暴力の温床であり、戦争の温床です。
 暴力を許さず、平和を希求し、戦争に反対するなら、こうした唾棄すべき差別・優生
思想に対して、「なにがなんでも許さない」毅然な態度と抗議を続けましょう。
 
 差別されている当事者、ヘイトされた当事者だけが叫んでも、差別はなくなりません。
 傍観は、黙認です。