菅首相が日本学術会議の新会員候補のうち6名の任命を拒否した事件。
全貌が明らかにならないまま、政府は日本学術会議を『改革』すると
いいだしました。学問コミュニティに権力が介入する、学問の自由
(大学の自治)を侵害する許されない行為についての反省は、まったく
ありません(任命拒否の理由をいまだに明らかにしません)。
今回、内閣府が示した「日本学術会議の在り方についての方針」が、
日本学術会議の独立性を損なわせる危険をはらむものであるとして
「安全保障関連法に反対する学者の会」が反対声明を出しているので、
ご紹介します。
<声明「日本学術会議つぶしを阻止し、平和と学問の自由を擁護しよう」 >
http://anti-security-related-bill.jp/images/link20220113.pdf
<一部引用>
「方針」は、任命制度の「適正・円滑化」を言い、あたかも 6 名の
任命拒否は適正だったかのごとく構えていますが、任命拒否の違法性・
不当性は揺るぎません。そのうえ、会員選考のすべてに関し拘束力ある
意思を表明できる第三者委員会の設置など、学術会議による会員選考
の自主性をふみにじる案を示しています。あまつさえ、学術会議に
よって本年秋の改選のため次期会員選考手続が、現行制度のもとで
すでに開始しているにもかかわらず、1年半ほどの会員の任期延長
措置によって次期会員選考を新制度で行うことを断言しています。
問答無用の対応としかいいようがありません。
<引用終わり>
問題はこのほかにも多岐にわたるので、ぜひ上記サイトより全文を
お読み下さい!
学問は、真理の追究が目的であり、権力に奉仕するためにあるので
はありません。
日本学術会議の問題は、一般市民からすると「縁遠い話」のように
みえるかもしれません。けれども、国家権力が「この学問は役立つ
けれど、この学問はムダ」と勝手に“仕分け”するようになれば、
かならず「この小説はすばらしいがこの本は役立たず」という“仕分け”
も起き、「この映画を見なさい、しかしこの映画は上映してはならない」
という“仕分け”も起きるでしょう。これらはすべて根本において同じで、
人の言論の自由を奪う政治です。だから決して他人事と思わずに、
「おかしい」と声をあげることが大事です💡