2015年10月13日火曜日

そんなのアリ?!「聴取不能」な議事録に誰かが加筆しちゃったみたい

議決不存在(議決してない)としてご紹介した、安保法案の参院特別委員会ですが、
その委員会の議事録に、誰かが「可決した」と加筆してしまったようです。



安保法「聴取不能」の議事録 与党判断で「可決」追記
http://www.tokyo-np.co.jp/…/…/201510/CK2015101202000131.html


(記事引用)
 安全保障関連法を採決した九月十七日の参院特別委員会の議事録が、十一日に参院ホームページ(HP)で公開された。採決は委員長の宣告後に行われるのが規則。
採決を宣告したと主張する委員長発言を「聴取不能」と認めておきながら、安保法を「可決すべきものと決定した」と付け加えた。
採決に続き、議事録の内容まで与党側が決めたと、野党は反発している。 (篠ケ瀬祐司)
(引用ここまで)


つまり、国会の会議録(記録する人が聴いた、会議の内容を記録する)には「聴取不能」と書いてある(実際に聞こえなかったから)。
→その後で、「委員長復席の後の議事経過は、次のとおりである」という説明を、議事録に追記した(誰がそう説明してるのかはわからない)。
その内容は、大きくいうと
・審議再開を意味する「速記を開始」して安保法制を議題とし、「質疑を終局した後、いずれも可決すべきものと決定した」。
・「安保法制について、付帯決議を行った」


もう一度言いますが、この議事経過というもの、誰が「経過はこうだったんですよ」と言っているのかは、書いていません。
あと、「可決すべきものと決定した」人が誰なのかも、書いていません。
ここが書いていないと、本当にその人に「可決すべきものと決定」する権限があるのかどうか、
また、その人が「可決すべきものと決定した」のはどうしてか、
それから、「経過はこうだったんですよ」と説明した誰かの説明に従って、会議録に経過を書くことが本当にできるのか、
全部あいまいになってしまって、検証できません。


そもそも、会議録っていうのは、憲法に根拠があるんです。
第五十七条  両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。
○2  両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
○3  出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。


国会の内容、誰が何に賛成し、反対したか、を公開するために会議録があるのに、
その会議録がテキトーに作られていたら、私たち主権者は、国会で本当は何が起こったのか、検証できませんね。



「国民向けには形さえ整えればいい」というバカにした態度で臨まれることを、私たちはもっと怒っていいと思います。


参議院特別委での議決については、弁護士有志225名が、議決不存在(議決そのものをしていない)という声明を出しています。
https://www.facebook.com/asunojiyuu/posts/889311564437370