高市氏の「私自身もワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てる。
働いて、働いて、働いて、働いて、働いていく」という発言は、
大いに批判に値します。私生活を投げ打って働くことを美徳とする
ある種の根性論は、たくさんの人を過労死・過労自死に追い込みました。
● 高市氏の「WLB捨てる」発言
過労死遺族は驚き「影響力考えて」
https://digital.asahi.com/articles/ASTB436V9TB4OXIE00PM.html
<一部引用>
「全国過労死を考える家族の会」代表世話人の寺西笑子さん(76)は
「国のトップに立とうとする人の発言とは思えない」と驚く。
寺西さんは、1996年に夫の彰さん(当時49)を過労死で亡くし、
働き過ぎて命を落とす人が続出していた日本の状況を変えようと、
「命より大切な仕事はない」と訴え続けてきた。
「過労死防止法は国会の全会一致で成立し、国をあげてWLBを推進
している。高市氏は『懸命に働く』という意図だったかもしれないが、
法律をないがしろにする発言で問題だ。影響力をもっと重く考えて
ほしい」と話した。労働法に詳しい脇田滋・龍谷大名誉教授は「古い
日本の価値観を引きずったような発言で、非常に残念だ」と話す。
<引用終わり>
実際問題、首相が私生活を犠牲にして働けば、首相の指示に応じる
閣僚・官僚・職員らのワークライフバランスも壊れます。「熱意がある
なら私生活を犠牲にして働くものだ」という歪んだ意識が再び日本の
労働現場に拡大する契機になりかねず、労働者の人権を危うくする発言
です。