2023年8月9日水曜日

「抑止力の強化でこそ平和」←ほんと??




 https://twitter.com/asuno_jiyuu/status/1688077788950204416?s=20

 「抑止力によって平和が維持できる」とよく聞きますが、本当でしょうか。

「いざというときの報復の準備」を見せつけて威嚇することで他国との

信頼関係が増すのでしょうか?むしろ周辺国の不安を煽り、軍事的緊張

を高めるのでは?防衛体制の強化は、自ら戦争の危機を作る本末転倒な

ように思えます。



 「抑止力による平和維持」は確実な方法でしょうか? どんなに強大な

兵器をそろえても、「攻撃されたら倍返しで報復するぞ(だから武力行使

するな)」というメッセージが相手国に伝わらなかったり、相手国が

理性的に行動しなければ、抑止は失敗します。結局、相手国次第の不安定

・不確実なものです。例えば、太平洋戦争は勝算がないにもかかわらず

日本は自ら戦争の火ぶたを切りました。アメリカの“抑止”が効かず、

日本を抑え込めなかったといえます。また、ロシアが侵略戦争に踏み

切った上に核兵器で国際社会を脅かしているのは、“抑止”の失敗の表れ

ではないでしょうか。


 「力には力で対抗するしかない」路線に転換して防衛体制の強化つまり

軍拡に乗り出せば、際限はありません。日本が周辺国の軍拡に“挑発”され

て軍拡に乗り出したのと同様、周辺国も日本の軍拡に刺激されて更に

軍拡を進める“競争”になるからです。ひたすら不信感と敵意が煽られ、

軍事的緊張が高まります。

 軍拡にはお金がかかります。つまり軍拡を進めると、予算調達のために

増税や福祉の切り捨てが進みます。増税はもちろん、医療、教育、保育、

介護、年金etc、国民の人間らしい生活の大切な土台が切り捨てられれば、

どうにかやりくりしている市民生活には大打撃です。軍拡は自国の貧困

の拡大を招きます。


 さらに、「力には力で対抗するしかない」路線を歩めば、必然的に

核兵器保有を目指すことになります。ロシアや中国など核兵器を持つ

大国に見せつける報復力を持ちたい、という執心にとらわれれば、

核兵器保有に行き着きます。それが人類社会においてどれだけ「ありえ

ない発想」かは、論じるまでもありません。


 そもそも日本に、いざとなれば戦争できる/続けられる体力・筋力

はあるのでしょうか。石油・天然ガスなどの資源を輸入に依存する上に、

食糧自給率も低く小麦・大豆・とうもろこし・菜種油・家畜の飼料など

の大部分を輸入に頼る国が、諸外国との関係悪化で輸入の航路を塞がれ

たら?戦争以前の問題です。

 他国と関係が良好でないと到底生活を維持できない脆弱な国家に、

他国との「戦争」は非現実的です。憲法尊重擁護義務を負い、完全な

人権保障を目指すべき国会議員が、憲法9条にのっとり全力で戦争を

回避することは、手間はかかっても、最も合理的でコスパ良い選択可能

な唯一の道ではないでしょうか。


 出口の見えない不況と貧困の拡大が広がり、現実に人権が脅かされて

いる人が多数いて、しかも少子化対策や児童手当には「財源が…」云々

言って渋るのに、際限のない軍拡には無条件に税金を注ぐって、お金の

使い道が違いませんか?本当に国民の命・健康・人権を守る気があるのか、

国の姿勢が問われます。

 諸外国との関係悪化は、日本での国籍/民族差別やヘイトスピーチに

つながります。結局「抑止力」での脅し合い(際限ない軍拡)がもたらす

のは貧困や差別など「戦争の芽」ばかり。経済的にも、人権保障の観点

からも、平和外交の努力を積み重ねて全力で戦争を回避することが、一番

現実的で合理的です。