2022年2月26日土曜日

不妊手術の強制に賠償命令 「非人道的かつ差別的」


 大阪高裁は、特定の障害・疾患のある人を一律に「不良」とする

優生思想を「非人道的かつ差別的であって、個人の尊重という日本国

憲法の基本原理に照らし是認できないもの」とし、不妊手術を強制

する規定を「明らかに憲法13条、14条1項に反して違憲である」

と断じました。


● 旧優生保護法訴訟、国の賠償責任を初認定 大阪高裁が逆転判決 (毎日)

 https://mainichi.jp/articles/20220221/k00/00m/040/213000c



 この訴訟の一番の争点は、損害賠償請求権が消滅する20年の「除斥期間」

についてどう考えるか、でした。

 原告の方々が不妊手術をさせられたのは1960~70年代で、不妊手術の

強制規定が改められた時点からも20年が経過してからの提訴でした。

 それについて判決は、国が障害者差別や優生思想を正当化・助長してきた

ことで、原告が被害を自覚し訴訟の相談の機会を得ることが著しく困難な

環境にあったと指摘し、「除斥期間の適用をそのまま認めることは著しく

正義・公平の理念に反する」として請求を認めました。

 これ以上無いほどの人権侵害の被害に向き合った、柔軟な判断といえます。


<判決全文>

 https://www.call4.jp/file/pdf/202202/d1afdccbb77c2b8f8234fc4cfaf32687.pdf