大阪高裁は、特定の障害・疾患のある人を一律に「不良」とする
優生思想を「非人道的かつ差別的であって、個人の尊重という日本国
憲法の基本原理に照らし是認できないもの」とし、不妊手術を強制
する規定を「明らかに憲法13条、14条1項に反して違憲である」
と断じました。
● 旧優生保護法訴訟、国の賠償責任を初認定 大阪高裁が逆転判決 (毎日)
https://mainichi.jp/articles/20220221/k00/00m/040/213000c
この訴訟の一番の争点は、損害賠償請求権が消滅する20年の「除斥期間」
についてどう考えるか、でした。
原告の方々が不妊手術をさせられたのは1960~70年代で、不妊手術の
強制規定が改められた時点からも20年が経過してからの提訴でした。
それについて判決は、国が障害者差別や優生思想を正当化・助長してきた
ことで、原告が被害を自覚し訴訟の相談の機会を得ることが著しく困難な
環境にあったと指摘し、「除斥期間の適用をそのまま認めることは著しく
正義・公平の理念に反する」として請求を認めました。
これ以上無いほどの人権侵害の被害に向き合った、柔軟な判断といえます。
<判決全文>
https://www.call4.jp/file/pdf/202202/d1afdccbb77c2b8f8234fc4cfaf32687.pdf