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2014年6月30日月曜日
「米艦の邦人輸送」の事例がイタイほど空想なワケ
安倍首相が事あるごとに自信を持って示す、あの事例。
「近隣諸国で紛争が起こって、逃れようとする邦人を輸送する
米国の船が襲われたとき、その船を守れなくていいのか」
そうそう、これこれ。言ってますよね~。
これだけでなくて、政府が挙げる「こんなとき集団的自衛権が
使えなくてどうする!事例リスト」は、別に集団的自衛権を行使
しなくても対処できたり、非現実的なものだったりっていうケース
ばかりなのですが、今日は特に、この頻出の事例がどう非現実
的(というか正直、空想に近い)か、ご説明します。
① まず、日本人の避難者を乗せた船を自衛隊が護衛することは、
日本自身の防衛上不可欠な行動なのだから、個別的自衛権を
行使する、という問題なはずです。なので集団的自衛権を行使しな
くても全然困らない…ですね。
② そもそも戦争になってる段階で日本の民間人が大量に朝鮮
半島に残っている、という想定自体がありえない。
外交が決裂し、国と国との関係が悪化し、戦争に発展するその過程は、
当然日々報道されますし、どこよりも日本含め各国の政府・情報機関が
詳しくキャッチします。そして自国民の命を守るために、情勢が悪化し始
めた段階で渡航制限や帰国を促したりします。海外旅行に行く前に、外務
省のHPで確認することもありますよね?なので、朝鮮半島で実際に戦争が
勃発した時点で、日本の民間人が(しかもお年寄りや子どもが)残っている、
という想定自体が、実はけっこう非現実的なのです。(そんな状況になる
まで邦人を朝鮮半島に残していた政府の怠慢・能力の無さがまず問われて
しまいます。)
③ それでもごくごく一部の民間人は、やむを得ない事情で朝鮮半島に
留まっているかもしれません。だから日本に連れて帰らなければ、たしか
にそうなるでしょう。
しかし、自国民の命を守るための軍事的な基本のキですが、まずは
戦況が落ち着くまでは身の安全を確保していてもらうわけで、戦闘機が
飛び交い、いつ撃沈されるか分からないとかいう戦火をかいくぐって船に
乗せ、海を渡らせることなどするわけがありません。軍事的に、非常識です。
④ ついでにいうと、臨戦状態の軍艦には武器・兵器が詰め込まれています。
民間人が乗るスペースはありません。
⑤ 米艦は邦人輸送を事実上しない、と事実上宣言されています。
報道もされましたが、日米の「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)
に基づく周辺事態法を作る際、アメリカ側の強い意向で、避難する日本人を
米軍が運ぶ「非戦闘員救出作戦」(NEO)は拒否されたのです。
それもそのはずで、米軍は海外の自国民らを救出・保護する際のルールを
自分で決めています。
そこにはハッキリと国籍による4段階の優先順位があって、
第1順位 米国のパスポートを持つ者(米国籍)
第2順位 米国の永住許可証(グリーンカード)を持つ者
第3順位 英・加・豪・ニュージーランド国民
第4順位 その他
つまり日本は「その他」なのです。この優先順位から、「アメリカ自身が
真の同盟国だと思ってる国はどこか」が素直に伝わってきて面白いですよね!
韓国に居住している米民間人は14万人いますから、戦争になるまでに
減っているとはいえ、日本人が実際に運んでもらえる日が来るまでには
戦争終わってるんじゃないか、というほど、事実上、「米軍は日本人を輸送
しない」のです。
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いかがでしたか?
こんな事例を挙げて、「こんな事態が起きたらどうするんですか!?」と
迫ってくるなんて、ちょっと反則だなぁ、と思いませんか?
非現実的にもほどがある、という、そういう事例なのです。
集団的自衛権がなくっちゃ日米同盟は終わりだ!なんて言われても、
不安にならないでください。
不安にさせるのが、たぶん、「あの方々」の思惑なのですから。