そもそも学問研究というものは「本当にそれで正しいのか?」と疑問を
持つことに本質があるので、研究者が権力や政策を批判することは至極
当然のことです。権力が自己に都合いい研究しか許さない介入をして
「疑問を声に出してはいけない」社会になれば、文化も学問もおよそ
発展などありえず、滅びます。
とどまりません。世界の真理を探究する研究者たちが切磋琢磨し合う
コミュニティの活動に政治権力は口出ししてはいけない(自律性を確保
する)、という制度そのものを保障した条文です。難しい言葉でいうと
「大学の自治」といいます

個々の研究や発表の自由は、思想信条の自由(19条)や表現の自由
(21条)でも保障されています。研究者たちが批判・検証し合い「知」
を蓄積していくプロセスそのものが、文化や科学の発展あるいは国民の
福祉にとってとても大事。政治が「その研究はムダ/この学者は有能」と
介入してはいけない。