日本のナショナルアカデミーである日本学術会議。研究者たちによる
学術団体であり、政府機関でありながら政府から独立した立場として
専門家の見地から政府に提言・意見を出します。
最先端の専門家の知見は、政策を進めていく上で大事ですよね。
気候変動、原発、辺野古の基地移転、PFAS、軍拡…当たり前のことですが、
研究者ではない政治家が政策を決定したり進めていく上で、こうした専門家
からの意見に耳を傾ける姿勢は、なくてはならないものです。
例えば、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツのナショナルアカデミーを
見てみると、どこも国の予算が投入されつつ、政治的独立性・中立性が確保
されていて、且つ、会員人事については政府は介入できません。これはまさに
学術団体の自律を確保し、権力がそこへ介入してはいけない「大学の自治」が
保障されているからです
(学問の自由・大学の自治についてはこちら→ https://tinyurl.com/mr3dvsas )。
その日本学術会議を、特殊法人にして、人事介入できる仕組みに変える
法案が、学者たちの猛烈な反対にもかかわらず強行に採決されようとして
います。民主主義にとって大変な危険をはらむ法案です。京都新聞は社説で
「学問の自由と独立を脅かしかねない法案は、成立させるべきではない。
廃案を求める。」ときっぱり述べています。ぜひ関心を寄せてください。
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● 社説:学術会議の法人化 懸念ぬぐえない以上、廃案に (京都新聞)
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1490886
<一部引用>
米国ではトランプ政権が意に沿わない大学を弾圧する状況が続いている。
政府による学問の自由や独立への介入は、過去の話でも仮定の話でもない。
参院の審議では野党からの修正案も出ている。会期末が迫る中、拙速な
採決は将来に禍根を残す。政府は法案を撤回し、学術会議と正面から議論
するべきである。
<引用終わり>