日本学術会議への政府の人事介入の事件、さまざまな学術機関や学会、
専門家団体から抗議の声が上がっています。
「日本野鳥の会」「WWFジャパン」などが自然環境保護の立場から
抗議の声をあげたことも、注目すべきです。どのアングルから見ても
アウトです。
● 任命拒否、野鳥の会も抗議 「会議は自然保護の根拠示す」(共同)
https://this.kiji.is/688689490750899297
もう1つご紹介したいのは、上代文学会の抗議声明です。
(上代文学会は、日本書紀や古事記など上代日本文学を対象とする
研究者たち約500名の学会です。)
<上代文学会の抗議声明>
http://jodaibungakukai.org/?fbclid=IwAR0imtqT_ZPwSLI7ckPrEL-gouVaOx0ZQ14Q7MmmKxI0bqQQG-WR-Z0dXfY
上代文学の研究も、戦前は弾圧の対象でした。
そうした歴史をふまえ、「今般の措置は、私たちの研究者としての
信条を踏みにじるものであり、自由闊達であるべき学問討究を萎縮へ
導く暴挙であって、この点からもとうてい容認できません。」という
真摯に怒りの表明に、心より敬意を表します。
その上で、特にご一読いただきたいのは、最後の段落です。
安倍政権の7年8ヶ月、そしてそれを忠実に引き継いだ菅政権が、
「言葉がすべて」の政治の世界でどれだけ言葉を壊し、言葉による
コミュニケーションを拒否し、社会の「誠実さ」のレベルを下げたか。
計り知れない罪深さがあります。。。読んで、おそらく、心から、溜息
が出るとかと思います。。。
<一部抜粋>
言語表現を取り扱うわが学会としては、任命拒否の理由を菅総理が
まともに説明しようとせず、無効で無内容な言い逃れを重ねていること
をも看過できません。総理の態度は事実上の回答拒否であり、コミュニ
ケーションの一方的遮断です。あたかも何事かを答えたかのように見せ
かけている分だけ、ただの黙殺より悪質だとも言わなくてはなりません。
前政権以来、この国の指導者たちの日本語破壊が目に余ります。
日本語には豊かなコミュニケーションを担う力が十分備わっているのに、
見せかけの形式に空疎な内容を盛り込んだ言説が今後も横行するなら、
日本語そのものの力が低下してしまいます。日本語の無力化・形骸化を
深く憂慮します。頼むから日本語をこれ以上痛めつけないでいただきたい。
<抜粋終わり>