2020年10月4日日曜日

Q.日本学術会議への人事介入は「学問の自由(23条)」とどう関係あるの?

 
 学問の自由(憲法23条)は、単なる「個々の研究者が自由に研究
する自由」にはとどまりません。世界の真理を探究する研究者たちが
切磋琢磨し合うコミュニティの活動に政治権力は口出ししてはいけな
い(自律性を確保する)、という制度を保障した条文だ、というポイ
ントにこそ意義があります。
 難しい言葉でいうと「大学の自治」を保障している、といいます🖊


 個々の学者の研究や発表の自由は、思想信条の自由(19条)や
表現の自由(21条)でも保障されています。それももちろん23条
は保障しますが、さらに、研究者たちが批判・検証し合い「知」を
蓄積していくプロセスそのものが、文化や科学の発展あるいは国民の
福祉にとってとても大事で、そのコミュニティの自律性自体を保障
しなきゃいけない、と23条は考えているわけです。
政治が「その研究はムダ/この学者は有能」と介入しては、ぜったい
にいけないのです。

 当然、日本学術会議も学問コミュニティの1つで、23条で自律性
が保障される組織。「日本学術会議の人事がどうなったって個々の
学者は自由に研究できてるじゃん(学問の自由はまったく攻撃されて
ないじゃん)」という言説には、流されないようにご注意下さい。

 23条の意義、について簡単な解説でした🍀