2020年10月1日木曜日

いってみれば菅氏の常套手段 日本学術会議への人事介入



 10月1日から新しい任期が始まる日本学術会議の新会員について、
同会議が推薦した会員候補のうち数人を菅義偉首相が任命しなかった
ことが発覚しました。。。

* 日本学術会議とは、日本の科学者の国内外に向けての代表機関
(国立アカデミー)で、内閣府に所属しつつ独立して職務を行う
「特別の機関」です。(210人の会員、約2000人の連携会員)
 http://www.scj.go.jp/ja/scj/index.html

日本学術会議法7条2項
「会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、
                   内閣総理大臣が任命する。」


● 菅首相、学術会議人事に介入 
     推薦候補を任命せず 安保法批判者ら数人 (しんぶん赤旗)
 https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-10-01/2020100101_01_1.html


● 日本学術会議推薦の6人、任命されず 菅首相に任命権 (朝日)
 https://www.asahi.com/articles/ASNB14CDTNB1UTIL01F.html



 推薦者が任命されない、つまり政権による恣意的な人事は前代未聞
のことです。
 任命されなかった数名の中には、立命館大学の松宮孝明教授など、
かねてより安保法制や共謀罪に反対の姿勢を明らかにしてきた学者も
いて、政権に批判的な学者の排除の意図が透けて見えます。

 日本学術会議は、大学・研究機関の積極的な軍事研究を推し進めよう
としていた安倍政権を批判し、軍事目的の研究には参加しない態度も
明らかにしてきました。人事権を濫用して支配するのは菅氏の官房長官
からの常套手段で、政権批判を人事介入でねじ伏せようと考えても不思
議ではありません。


 学問・研究は、「本当にそれで正しいのだろうか」と疑問を持つこと
が本質です。だから研究者が政権や政策を批判することは至極当然のこと
で、知の巨人たちの声には謙虚であるべき権力が、自分に都合いい研究
しか許さないと介入をすれば、「疑問を持つこと」を許されない社会に
なり、文化も研究もおよそ発展などありえず、滅びます。
学問の自由を侵す暴力的な人事介入は、ぜったいに許されないことです。