日本国憲法12条前段
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、
国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」
「不断の努力」という言葉、聴き慣れませんね。
残念ながら、権力っていうものは絶えず「できるだけ国民の人権を抑え
て、自在に支配できるように」と狙ってきます。人と権力の関係とはそう
いうもの。だから、常に政治を見守り、おかしな政策・法律で生活が息苦
しくならないか、監視していなければなりません。自由に生き続けるため
の努力を続けて憲法に命を吹き込もう、というメッセージです。
「憲法かるた」読み札のウラ、条文ミニ解説にも、同じようなことを
書きました🌸
「わたしたちの自由や人権は、権力にとってはやっかいなもので、
つねにうばわれるキケンがあります。だからわたしたちは、政治を自分
なりに見はり、正しく進んでいないと思えばきちんと『おかしい!』と
声をあげる努力を続けなければなりません。」
…ということで、ここまでの解説をご理解頂いたところで、この
記事をお読みください。
● 伊吹氏、自助批判に反論「憲法が課している」 (産経)
https://www.sankei.com/politics/news/201029/plt2010290034-n1.html
自民党の伊吹文明議員が、政権の「自助・共助・公助」という福祉
切り捨て(自己責任論の押しつけ)の理念を擁護するために、いきなり
憲法12条を引っ張り出した、とのこと。
いわく、「憲法が国民に自助努力を課している。自助ができるのに
『私はできない』と言う自称弱者が次々出てきたら、社会は成り立た
なくなる」。。。
…12条のどこにそんなこと書かれてるというのか( ゚Д゚)
ちょっと、的外れすぎてあっけにとられます。
「改憲に異様に熱心なわりに今の憲法の知識がまるでない」というの
が、自民党議員の傾向と感じます。12条もびっくりですね。
まずは「憲法かるた」で遊ぶところからでいいから、憲法を学んでくれ、
と真剣に思います。
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