2020年10月30日金曜日

自己責任論の根拠に憲法12条を引っ張り出す伊吹氏


 日本国憲法12条前段

「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、

国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」


 「不断の努力」という言葉、聴き慣れませんね。

 残念ながら、権力っていうものは絶えず「できるだけ国民の人権を抑え

て、自在に支配できるように」と狙ってきます。人と権力の関係とはそう

いうもの。だから、常に政治を見守り、おかしな政策・法律で生活が息苦

しくならないか、監視していなければなりません。自由に生き続けるため

の努力を続けて憲法に命を吹き込もう、というメッセージです。


 「憲法かるた」読み札のウラ、条文ミニ解説にも、同じようなことを

書きました🌸

 「わたしたちの自由や人権は、権力にとってはやっかいなもので、

つねにうばわれるキケンがあります。だからわたしたちは、政治を自分

なりに見はり、正しく進んでいないと思えばきちんと『おかしい!』と

声をあげる努力を続けなければなりません。」


 …ということで、ここまでの解説をご理解頂いたところで、この

記事をお読みください。


● 伊吹氏、自助批判に反論「憲法が課している」 (産経)

 https://www.sankei.com/politics/news/201029/plt2010290034-n1.html

 

 自民党の伊吹文明議員が、政権の「自助・共助・公助」という福祉

切り捨て(自己責任論の押しつけ)の理念を擁護するために、いきなり

憲法12条を引っ張り出した、とのこと。

いわく、「憲法が国民に自助努力を課している。自助ができるのに

『私はできない』と言う自称弱者が次々出てきたら、社会は成り立た

なくなる」。。。


 …12条のどこにそんなこと書かれてるというのか( ゚Д゚)

 ちょっと、的外れすぎてあっけにとられます。


 「改憲に異様に熱心なわりに今の憲法の知識がまるでない」というの

が、自民党議員の傾向と感じます。12条もびっくりですね。

 まずは「憲法かるた」で遊ぶところからでいいから、憲法を学んでくれ、

と真剣に思います。


*あすわか「憲法かるた」、ご注文はこちら↓

https://mailform.mface.jp/frms/asunojiyuu/7zmamuigg76d?fbclid=IwAR029uQmZt1YukouvBSII26O89UGBRnBzJP_DSuo3Kov_hMurytebDEUIbE