2020年10月22日木曜日

日弁連「日本学術会議会員候補者6名の速やかな任命を求める会長声明」


 日本学術会議の人事に政府が介入した事件。

 日弁連から声明が出ました!


<日弁連サイト>

【日本学術会議会員候補者6名の速やかな任命を求める会長声明】 https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2020/201022.html


 ぜひ全文お読みいただきたいところですが、ここではポイント解説🌟


 まず、政府が従来からの法解釈(83年の政府答弁)をひっくり返した

ような人事介入(任命拒否)をしたことについて。

ここは明らかに法解釈をひっくり返した運用で、独断でこんなことをする

のは国会の無視であり、国会を骨抜きにするようなものだ、と言っています。


<引用>

 政府は、今回の任命拒否について、会議の推薦に内閣総理大臣が従わ

ないことは可能とした上で、任命制になったときからこの考え方が前提

であって、解釈変更を行ったものではないとしている。この説明が、

前述した法改正の審議経過に反していることは明らかである。

 内閣が解釈の範囲を逸脱して恣意的な法適用を行うとすれば、それは

内閣による新たな法律の制定にほかならず、国権の最高機関たる国会の

地位や権能を形骸化するものである。

<引用終わり>


 そして、人事介入そのものだけでなく、政府が頑なに任命拒否の理由

を説明しないことも、学問の自由にとって危険である、と批判しています。


<引用>

 今回任命を拒否された候補者の中には、安保法制や共謀罪創設などに

反対を表明してきた者も含まれており、政府の政策を批判したことを理由

に任命を拒否されたのではないかとの懸念が示されている。このような

懸念が示される状況自体が、まさしく政府に批判的な研究活動に対する

萎縮をもたらすものである。そして、任命を拒否された科学者のみならず、

多くの科学者や科学者団体が今回の任命拒否に抗議の意を表明している。

当の科学者らが自ら萎縮効果に強い懸念を示していることからすると、

そのおそれは現実的と言えるのであって、今回の任命拒否及びこれに

関する政府の一連の姿勢は、学問の自由に対する脅威とさえなりかねない。

<引用終わり>