2020年10月5日月曜日

菅首相と記者たちのオフレコ懇談会 1



 菅首相が、複数の記者との「オフレコ懇談会」を開催した、との
こと。
 内閣府担当(つまり自分に一番張りついてくる)記者たちを、言葉
を選ばずにいえば「丸め込む」甘い誘いを、さっそくかけてきました。

 この誘いを断り、欠席した記者も複数名います。
 例えば朝日新聞、東京新聞、毎日新聞、京都新聞など。


● 会食ではなく会見を 菅首相との記者懇談会に東京新聞は欠席 (東京)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/59447?fbclid=IwAR0VQ8Zy2MASaHpYuSw-3zDHlAh3P2QEP1rRCyvjccvKhttfSwzTx6SY9Zc


● 菅首相、内閣記者会の所属記者と懇談会 朝日新聞は欠席 (朝日)
 https://www.asahi.com/articles/ASNB3332RNB2UTFK020.html

 
 当会のFB記事でも何度も書いてきましたが、マスメディアが権力と
「懇意」になることで情報をとる、という「抱きつき取材」の方法は、
「権力(ネタ元)を批判する記事を書けなくなる」という致命的な
デメリットがあります。毎日顔を合わせるだけでなく、笑顔を向け、
親切に言葉をかけてくる人を、悪く書くことができにくくなるのは、
まぁ人情からいえば当然のことで、権力(首相)はそれを分かってる
上で、「仲良くしよう」と近づいてくるのです。
向こうは、いつだってしたたかです。

 自分だけはちがう(どんなに仲良くなっても毅然と批判記事を書け
る)と思っている記者がいたら、それは甘いと言わざるを得ません。
この7年8カ月のTV報道や大手新聞各社の報道を見れば、「抱きつき
取材」の結果どのような報道がされたかを見れば、一目瞭然でしょう
。。。(涙)

 欠席された記者の方々には、「国民の知る権利に応えるために、
しっかり距離を取って取材しなければ」、という意識がある証拠。
心から敬意を表します。
 「抱きつき取材」の方法を取らなくても、取材と報道のやり方は
いくらでもあるでしょう。もっと地道な調査報道、あるいは市民目線、
弱い立場にいる人々にスポットライトを当てた記事など、意義ある
報道もできるはず。

 首相は、まともに記者会見を開きません。
 自身の言葉で、自身の言動や政策について、堂々と、記者会見で
国民に向けて語る義務があります。オフレコでコソコソ語るのではなく、
語るべきことを公の場で記者会見で語る。オフレコ懇談会を欠席した
記者たちは「この基本を守れ」と、訴えているとおりです。