2020年10月27日火曜日

人事権をむやみに使うな、と菅氏に言われても


 菅首相の著書『政治家の覚悟』の改訂版が出版され、初版に書かれ

ていた公文書の重要性についての章がごっそり削除されていたという件、

もっぱらの話題ですね。

 出版元の文藝春秋は「編集部の判断で削除した」とおよそ出版の常識

からは考えられないコメントを出していますが、万が一にもこれが真実

だとしたら、首相は自著を出版元にテキトーに操作されても問題視しな

い、自分の政治生命に関わる言葉がどう変えられようが構わないという、

おそるべき無責任な世界観の人だということです。

● (社説)学術会議問題 自身の戒め忘れた首相 (朝日)https://www.asahi.com/articles/ASNBV7KX7NBVULFA02Y.html


<一部抜粋>

 「人事権はむやみに行使するものではありません」

「更迭された当人は別にしても、まわりから支持が得られ、納得される

ものでなくては、反発を招き、官僚の信頼を失うことになります」

「まちがっても恣意(しい)的に利用してはなりません」

 この間(かん)の首相の振る舞いは、この戒めの明らかな逆をゆく。

しかも今回は、省庁の役人とは違い、学問の自由を保障する憲法のもと、

政治からの独立・中立が求められる組織の人事だ。慎重さや丁寧さがより

求められるケースではないか。

 首相の本意は人事権をめぐる別の記述にあるようだ。組織を統率し、

己の意のままに動かすために、手にしている大きな権限を行使するという

考えだ。

<抜粋終わり>


 7年8ヶ月の安倍政権の中枢で、人事権を振り回して官僚を恫喝し続け

た菅氏から、「人事権はむやみに使うな」と言われても、一体なんの冗談

なのだろう、と笑うこともできずにたたずんでしまいます。

 自民党の総裁選の時から、自分の方針を批判する者は排除すると公言

していた菅氏とその政権。あまりにも民主主義とかけ離れた強硬な政権

です。

 それでも、「他にいない」と支持しますか?