2020年10月5日月曜日

人事介入がなぜ「学問の自由」の攻撃なのか



 先だってのFB記事でも簡単に「学問の自由」について書きました
が、日本学術会議の人事に政府が介入したことと「学問の自由」との
関係、ピンと来ていない方は少なくないようです。
 学問の切磋琢磨のコミュニティに権力が口を挟無ことは許されない
んだ、という条文である、という理解が、少しでも広まればいいな
と思います。朝日新聞に、分かりやすい解説の記事があったので
ご紹介しますね。

● 「批判的な研究者を狙い撃ち」 任命除外、識者の見方は (朝日)
 https://www.asahi.com/articles/ASNB27V60NB2UTIL04Q.html



 ぜひ記事全文をお読みください☆
 下記では、ほんの一部だけ、抜粋します。

>木村草太教授
 憲法23条は「公的学術機関による人選の自律」も保障しており、
今回の人事介入は学術会議の自律を侵害している。学問の自由に、
公的研究職や学術機関の自律が含まれるのは、一般的な解釈だ。


>江藤祥平准教授
 日本学術会議は大学ではない。しかし、日本学術会議法が冒頭で
「科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献
し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命」とする
と明記していることを考えれば、同会議が「学問の自由」の実践と
深くかかわる組織として設立されたことは明らかだ。3条で職務の
独立性を強調しているのも、同会議の自律性を大切にしているからに
ほかならない。
 さらに17条は、同会議の会員への推薦の基準を「優れた研究又は
業績」という専門家集団でなければ判断しえない事柄に委ねており、
そうした知見を持たない内閣の任命拒否を想定していない。

 こうした同会議の特質を考えると、理由を明らかにせず候補者の
任命を拒否するのは、同会議の自律性に対する侵害であり、自律性を
守る盾である「学問の自由」への挑戦といえる。