2017年6月29日木曜日

7月23日(日) 弘川欣絵弁護士の憲法カフェ@尼崎☆


 自民党の豊田真由子議員は、自分のことを「豊田真由子様」と言い
ながら秘書を殴っていました。
  その不祥事(暴力)について麻生大臣は「あれ、女性ですよ女性」と
アリエナイ視点から蔑みました。
 そして防衛大臣が自民党の候補者を「自衛隊としてお願いします」と
応援…。自衛隊を自民党の下部組織だとでも思っているのでしょうか。
ちなみに防衛大臣はこの発言を撤回しましたが、発言した時点ですでに、
公選法違反の「既遂犯」です。

 野党は加計問題の追及のために臨時国会の開催を要求しています。
 憲法に書かれた条件を満たした要求なので、憲法の規定どおり政府は
臨時国会を開かなければなりませんが、政府はかたくなに、開催を拒んで
います。
 拒んでいいわけがない、憲法違反の行為ですが、「どうせ開かなくても
国民は怒らない(支持率下がらない)し」という自信があるのでしょう…

 こんな感じで、「???なんか、最近の政治、おかしいことだらけじゃない?」
「それって、黙って見てるしかないの?」という疑問がわいてきませんか?
 そんな私たちの生活や国の基盤になっている「憲法」、今一番知っておか
なければならないものです。
 あまり生活になじみのないものと思われがちですが、知ってみるとびっくり!
あぁ、私たちのこのなにげない生活、憲法なしではありえなかったんだ、と
感じるはずです。

 毎日憲法カフェに奔走する大人気の弘川欣絵弁護士が、尼崎で講師を
つとめます。ぜひお気軽にお越し下さい(^^)/


*・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・

憲法カフェ@尼崎・潮江


日時:  2017年7月23日(日)13時半~


場所: 小田公民館 
     尼崎市潮江1-11-1-101
     (JR尼崎駅 北東へ徒歩5分)
   http://www.city.amagasaki.hyogo.jp/kouminkan/106_gaiyou/106_odakou.html


講師: 弘川欣絵 弁護士
    (明日の自由を守る若手弁護士の会)


参加費: 無料


主催: ききたい つなげたい8・6ヒロシマを実行委員会


電話 090-1890-1804(佐々木)


2017年6月27日火曜日

東京都民じゃなくても ちょっと気になる小池都知事の憲法へのまなざし



 東京都民でない方には大して興味の無いことかもしれませんが…
 7月2日は、東京都議会議員選挙があります。

 築地市場を豊洲に移転するのかどうか、とか、お昼のワイドショーなどで
ずーっと報道されていますね。
 「築地ブランドを守る」と言いつつ豊洲に移すって???ちょっと意味が
分からない…みたいなw


 さて、そんな都議選、小池百合子都知事が代表を務める「都民ファースト」と
自民党が競り合ってる!と報じれています。
 そう報道されると、小池百合子都知事と自民党が険悪な関係にあるかのよう
にも思えてしまいますねー。
 …でも、小池都知事、自民党から離党とか除名とか、そういう報道もされて
いないので、まだ自民党員なのかな、って素朴な疑問がわきます。


 あすわか的には、小池都知事がかつて雑誌の対談で、「軍事上、外交上の
判断において、核武装の選択肢は十分ありうる」と発言したのにもドン引き
していますが(雑誌『Voice』PHP研究所、2003年3月号)、
 2011年8月26日の、このツイートは、正直言ってひどいなぁと思うのです。

「本日、サンフランシスコ講和条約発効日である
4月28日を主権回復記念日として祝日とする議員
立法を総務会で承認し、衆議院に提出いたしました。
祝日が多すぎるというなら、借り物の憲法記念日
5月3日を祝日から外します。 #JNSC」


 「借り物」という表現からは、日本国憲法をいわゆる「アメリカからの
押しつけ憲法」かのように認識している態度がうかがえます。
 安倍首相や自民党と同じように、日本国憲法への「蔑視」を読み取らざるを
得ません。
 日本国憲法がどのような過程を経て作られたか、は、あすわかは繰り返し
書いてきましたが、いずれも高度な研究をしないと理解できないものではなく、
ただ単に史実を真正面から見れば、自ずと「GHQが日本の学者たちの案を
参考に作った草案を日本政府が受け取り、多数派の政党がこぞって賛同し、
帝国議会が草案を審議して修正を重ねて多数の賛成を経て制定され、
国民が喝采でもって受け入れた」憲法だということが分かるはずなのです。
それを、どこをどう歪んで解釈すれば「借り物」「押しつけ」と見えるのか…

 こういう、「自分の信じたものしか見たくない」という態度は、いけません
(ツイートにあるように、沖縄を見捨てて4月28日を主権回復の日とか喜ぶ
態度にも通じるものがあります)。


 日本国憲法を「借り物」と軽んじる都知事は、都民の自由・人権・個人の
尊厳などをどのように考えているのかも、不安になります。

 例えば、小池都知事は朝鮮学校への補助金支給を停止したままです。
ずっと東京で生き、東京で暮らしている在日の子どもたちは、小池都知事
のいう「都民ファースト」の「都民」ではない、ということですね… 
どんな国籍の子どもであっても等しく学習権を保障しよう、という気持ちは、
ないようです。
 公立学校での日の丸・君が代の強制も、都知事は決して止めません。

 東京都の事情だから東京都民以外には関係ない、と思う方は少なくない
とは思いますが、首都である東京での選挙は、現政権の暴走を「加速」させ
るか「つまづかせる」か、とても大きく影響します。
 生活に密着する地方自治体の熱は、高くても低くても、少なからず国政へ
影響するものなのです。


 この都知事選に限らず、どこの選挙でも、「イメージ」だけで支持する候補
者を選ぶのは、とても危ういことです。
 ぜひ、「この人は共謀罪や安保には反対したのかな」「この人は憲法改正
についてはどう考えているんだろう」などなど、憲法という視点から候補者を
吟味してはいかがでしょう(^^)/




2017年6月26日月曜日

首相の「急いで改憲」プラン なんで勝手にそんなこと!



 安倍首相が、改憲に向けて、もーんのすごい前のめりな計画を立てています。


● 自民改憲案秋を国会に提出 首相表明 党の結論前倒し(東京)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201706/CK2017062502000134.html


 いわく、
「自民党で改正案の検討を急ぐ。臨時国会が
終わる前に、衆参の憲法審査会に自民党の案を
出したい。二〇二〇年は、新しい憲法が施行され
る年にしたい」。


 あまりにも前のめりすぎて、あまりにも勝手すぎて、突っ込まずに入られ
ません。
 
 何度でも言いますが、憲法は「国民が」国家権力をしばるための法です。

 国民が自分たちの自由や人権を守るために、放置していたら必ず暴走する
権力をあらかじめ縛っておく。その縛るロープあるいは縄が、憲法です。
 権力側の、首相・大臣・国会議員・裁判官・公務員は、「縛られている立場」
なので、憲法の理念をよく理解し、憲法を遵守し、この体制に反することなど
してはいけない義務を負っています(99条 憲法尊重擁護義務)。


 だから憲法を変えよう!などという話は、憲法の「所有者」であり憲法で権力を
「縛る」人である国民が言い出して初めて動き始める話なのです。

 国民が、自分たちの人権や自由を実現する上でどうしても憲法が合わなかった
り、民主主義の政治を動かしていく上でどうしても憲法の規定が合わなかったり
するときに、初めて、「法整備を整えたりするだけでは限界があるから憲法を変え
ないと」という案が出てきて、国民の大多数がそれを求めている…みたいな流れが
あってこそ、「憲法を変えよう」という議論が成熟するのではないでしょうか。


 なのに、あれ???なんで首相自身が改憲を急ぐのでしょう?
 国民の大多数がそれを望んでいるなんて現実が、どこにあるのでしょう?


 …思えば、特定秘密保護法も、安保も、共謀罪も、ぜーんぶ「そんなもの望む
世論、どこにもないんですけど??」というものでした。

 この「急いで改憲」プランも、ただただ、首相の執念、でしかありません。


 そんな執念につきあう筋合いはありません。
 私たち国民の憲法を、「あ、このロープ、きついから切っとく」なんて言われ
たら、たまりません(>_<)。


 どの政党も信用できない、その政党も頼りない…という方、少なくないはず
です。
 でも、憲法を変えるという話は、国民全員の未来にかかわってくる大問題です。
 なので、支持政党がなかろうが、どんだけ政治に関心がなかろうか、自分の身
を自分で守るためには、憲法のキホンは、知っておかないと、「防災」できません。
 そう、「自分らしさ」「平穏な生活」を守るための防災は、“知憲”です。
 「とりあえず、ケンポウ知っとこ。」これが大切な大切な一歩です。
 あすわかには、「政治とか憲法とかぜーんぜん知らないんだけど」という方にも
楽しく一歩を踏み出せるような憲法カフェの達人がたーっくさんいます☆
 ぜひ、あすわか弁護士を呼んで、憲法の話を聞いたり、あすわかが出している
憲法の本を読んでみたりして、憲法と出会ってみて下さい。


● 憲法カフェのご依頼は→ peaceloving.lawyer@gmail.com
● 憲法カフェのご依頼要項 http://www.asuno-jiyuu.com/p/blog-page_15.html

2017年6月20日火曜日

6月30日(金) ビギナー大歓迎♪分かりやすすぎるテロ等準備罪(共謀罪)のカフェby“新潟のニノ”



  共謀罪(テロ等準備罪)が創設されてしまいました。
  中味は最悪で、国会での政府の答弁もめちゃくちゃでしたが、
「いやー、なんか怖いとは思ってたんだけどねー、TV見てもなんか
よく分からなかったし、テロ対策な部分もあるのかなとか思って…」
という方は少なくないはずです。
  仕事・家事・育児・介護に追われながら政治のニュースを追いかける
のは至難の業なので、それも仕方ないことです。

 でも、「作られちゃったんだから仕方ない」では済まされません。
 これから、私たちの生活にどう影響するのか、私たちの社会はどう
変わっていくのか、今からでも知っておかないと、自分や子どもの
穏やかで自由な未来は守れません。

 立ち上がったのは、共謀罪とそれを作った政府・与党への怒りが冷め
ない、あすわかの二宮淳悟弁護士、人呼んで“新潟のニノ”はたまた
“新潟の赤い彗星”
 6月30日に新潟市のイベントスペースで、憲法カフェならぬ“共謀罪
カフェ”を開催するとのこと。
 ラジオでの軽快なトークも大人気な“新潟の赤い彗星”が、誰よりも
分かりやすく共謀罪を語ります(2分に1回はドッカーンと笑いをとる…
はずです)。

  憲法ビギナー、政治ビギナー、大歓迎です♪


*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*


【話そう・学ぼう・考えよう】
  ~「改正組織的犯罪処罰法」

        (テロ等準備罪・共謀罪)学習会~


日時: 6月30日(金)18:30~


場所: Wow!Sta.NIIGATA
   中央区堀之内50番11 https://www.facebook.com/wowstaniigata/


講師: 二宮淳悟弁護士 
       人呼んで “新潟のニノ” “新潟の赤い彗星”
  (明日の自由を守る若手弁護士の会)


参加費: 無料


事前申込: 不要


FBイベントページ: https://www.facebook.com/events/468899556795996/?acontext=%7B%22action_history%22%3A%22[%7B%5C%22surface%5C%22%3A%5C%22messaging%5C%22%2C%5C%22mechanism%5C%22%3A%5C%22attachment%5C%22%2C%5C%22extra_data%5C%22%3A%7B%7D%7D]%22%7D   


主催: 新潟の赤い彗星


2017年6月19日月曜日

6月29日(木) 講演「暮らしの中の憲法」@千里☆



 民意をねじ伏せるように共謀罪(テロ等準備罪)を創設した
政権・与党への怒りは、簡単には冷めません…
 いや、ムリですよね冷めるわけがない。
 最悪な治安立法を作る政権は、明らかに、国民が「自分の頭で
考える」こと自体を恐れています。そんな政権に民主主義国家の
舵取りをする資格は、もちろん、ありません。

 首相の今日の記者会見は、「野党がひどいせいで自分もついつい
頭がカっとなって」的な、国会が混乱した責任は根本的には自分には
まったくないとでも言いたげな様子でした。反省反省と言いながら、
国民への説明責任は果たすつもりもない…主権者として、これ以上
軽んじられるのは、あまりにも納得がいきません。

 この国って、ほんとうにどうなるんだろう…漠然と不安を抱く方は、
少なくないはずです。そんな方々にこそ、今、憲法を知って欲しい。
強く強く、願う日々です。難しい話ではありません、キホンのキだけ
でも知ってみませんか?
 自分の今の生活と未来を自分でどう守れるか、なにかの大きな
きっかけになるはずです☆


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憲法…?ケンポーって何…?私たちにどう関係するの?
  ~暮らしの中の憲法~(大阪府吹田市南千里)



日時: 6月29日(木)
  18:30~ 開場
  19:00~21:00 イベント



場所: 千里市民センター大ホール
  (千里ニュータウンプラザ2F 阪急南千里駅下車西側すぐ)



内容: 日々の暮らし、福祉(保育所や障害者施設、診療所など)の
  仕事がどう憲法と関わっているか、また、「そもそもケンポーって何?」
  「カイケン(憲法改正)って?」という方のために、わかりやすく憲法を
  解説します。


講師: 安原 邦博 弁護士
   (明日の自由を守る若手弁護士の会)



参加費: 無料


申込み: 主催法人の関係者を対象としていますが、会場の座席数の
        範囲内で市民のみなさんにもご参加いただけます。参加を希望
    される方は、下記までお申込み下さい(先着順)。満席になり次第
    受付を終了します。
     共愛会(担当)菅野優希まで
     fax 06-6382-8751 tel 06-6381-2005



主催: 共愛会・くぬぎ会・こばと会・さつき福祉会・ヒューマン福祉会


2017年6月16日金曜日

心も民主主義も手放しません ~共謀罪成立と民主主義への冒涜に激怒するあすわか声明~



 昨日、参議院本会議で、組織的犯罪処罰法改正案(=テロ等準備罪
すなわち共謀罪法案)が可決・成立しました。


 まぎれもない戦後民主主義史上最悪の治安立法が、この国で生きる
人の自由と民主主義社会に致命的な打撃を与えることについて。

 例えば、国連特別報告者が首相へ質問状を送り警鐘を鳴らしたこと
自体が、すでにその危険の大きさを証明していますが、それに対する
政府の猛烈な感情的な反応はまさに「逆ギレ」で、現政権特有の非論
理的で強硬な気質が国内外に改めて知れ渡った、恥ずべき一幕でした。
 参議院での採決に際しては、法務委員会の採決すら省略して本会議
に持ち込むという前代未聞の暴挙も、この国の民主主義を決定的に
後退させる法案に「ふさわしい」企てでした。

 
 政府は言います。「適用対象は組織的犯罪集団だけなんだ、準備
行為がなければ処罰されないんだ。」
 けれど条文を見れば大きな抜け穴ばかりで、結局はどんなグループ
だろうが組織的犯罪集団と見なされ、どんなささい行為でも準備行為
と見なされてしまう。

 あるいはこう主張し続けました。
 「一般市民が対象になることはあり得ない」。
 しかしずさんを極めた政府答弁は、むしろ私たちの懸念が正しい
ことを際立たせました。
 「私やあなたが、一般市民なのか、犯罪集団のメンバーなのかは、
警察がまず監視してから判断する」。
 監視してみなければ、会話・メール・LINEのやりとりでの
話し合い(共謀)の中身など分かるはずもないので、当たり前と
いえば当たり前でしょう。
 共謀罪の創設によって、やましいことをしていようがなかろうが、
国民は全員監視対象になる。政府にも隠しきれない真実です。

  

 「とりあえず政治への文句は言わないでおこう」
 「無難なことしか言わないでおこう」

 一人一人を萎縮させて、社会全体を「権力を批判できない」空気で
飲み込む。自由にものが語れなくなれば民主主義は壊れます。
 自分の考えや心の中を知られない自由(内心の自由)を侵し、民主
主義の息の根を止める。
 これが共謀罪の破壊力です。

 

 人は、人である以上、考え、感じ、怒り、疑問を持ったり、好奇心
がわきます。
 自分の頭で考え、こころで感じたことを、自分の言葉で語り、書き、
歌い、表現する。
 自分が、他の誰でもない唯一の自分でありえるのは、こういう瞬間
があるからではないでしょうか。

 自分の足で立ち上がり、自分の言葉で語り始めた人たちの計り知れ
ない力を、私たちは2015年夏に経験しました。
 その力は「ありえない」はずだった野党共闘を実現させ、「ありえ
ない」はずだった1人区での当選を勝ち取りました。デモクラシーを
恐れ、敵視した現政権が、人と社会の萎縮を目指して共謀罪を急ピッチ
で作り上げたのは、ある意味必然です。
 そしてそれは、絶対に許せない必然です。



「一般市民が対象になることはあり得ない」という政府の言葉に、
どうしてもひっかかりを覚えます。

 特定秘密保護法案や安保法案、そして共謀罪法案。自由と民主主義
社会をつぶしかねない法が強硬に作られ続けるたびに、現政権の「敵意」
を感じてきました。
 それは自らの意思で立ち上がり、語る市民への敵意。民主主義という
システムへの敵意です。与党議員が特定秘密保護法案に反対する市民の
アクションを「テロ」と表現したことを、忘れることはできません。

 自分の頭と心で考え、語ることを「普通ではない」「問題がある」と
いうならば、果たして「一般市民」とは誰なのでしょうか?

 権力の目に萎縮して、考えることを止める人のことでしょうか。
 あるいは権力の「ご意向」を「忖度」して、安穏と生きるためにあえて
政府を擁護する人のことでしょうか。

 それが「普通の一般市民」だというのであれば、それは奴隷と何が
ちがうのでしょうか。


 共謀罪(テロ等準備罪)が作られた今、「これからどうすればいいの」
と震えるすべての方へ。

 どうか、けっして、萎縮しないで下さい。その震え、その不安こそが
権力の狙いなのですから。

 私たちには自由にものを考え、表現する自由があります。心の中を
誰にも覗かれない自由があります。
 憲法に違反する共謀罪のせいで、皆さんが自発的に自由を手放したら、
永遠にこの国の民主主義は帰ってきません。
 一人ひとりが考え、表現し続けることは、「共謀罪」を運用させずに
死文化させる大きな圧力になります。

 それから、万が一、おかしな政治に声を上げる市民が共謀罪で捜索
されたり逮捕されたりしても、けっして「犯罪者」扱いしないでください。
 テロ等準備罪というまがまがしい名称で、「もの言う市民」を反社会
的な存在かのようにレッテル貼りする手口に乗せられたら、排除を恐れ
てみんな考えることを止めてしまいます。
 自由に政治を批判してなにが悪い、という風を吹かせ続けましょう。


 国民の心を侵すことになんのためらいもなく、同法案に賛成した政府
・与党、すべての国会議員を、私たちは忘れません。全身の血が沸く
ほどの怒りをもって、あなたたちを許しません。

 いくらでも濫用できる条文で「物言う市民」を恫喝する現政権に、民主
主義国家の舵を取る資格はありません。

落胆、やりきれない思い、徒労感。すべての重い気持ちで押しつぶ
されそうになっているすべての人へ。

それでも希望はあるのです。
あなたがその怒りを前向きなエネルギーに変えてくれる限り!

私たちは「私らしさ」を手放したくありません。子どもたちの尊厳と
自由も、穏やかな民主主義の社会も、手放すつもりはありません。
自由を行使し続けることでしか、自由は守り抜けない――憲法が問い
かける「不断の努力」の覚悟を、「彼ら」に見せつけましょう。

私たちあすわか570名は法律家として、主権者として、「不断の
努力」で共謀罪を廃止させることを誓います。



           2017年6月16日

         「明日の自由を守る若手弁護士の会」共同代表 神保大地
                           〃   黒澤いつき







2017年6月15日木曜日

共謀罪(テロ等準備罪)が作られた今、怒りと不安で震えるすべての方へ。




 共謀罪(テロ等準備罪)が作られた今、「これからどうすればいいの」
と震えるすべての方へ。

 どうか、けっして、萎縮しないで下さい。
 その震え、その不安こそが権力の狙いなのですから。
 私たちには自由にものを考え、表現する自由があります。
 心の中を誰にも覗かれない自由があります。
 憲法に違反する共謀罪のせいで、皆さんが自発的に自由を手放したら、
永遠にこの国の民主主義は帰ってきません。
 一人ひとりが考え、表現し続けることは、「共謀罪」を運用させずに
死文化させる大きな圧力になります。

 それから、万が一、おかしな政治に声を上げる市民が共謀罪で捜索
されたり逮捕されたりしても、けっして「犯罪者」扱いしないでください。
テロ等準備罪というまがまがしい名称で、「もの言う市民」を反社会的な
存在かのようにレッテル貼りする手口に乗せられたら、排除を恐れて
みんな考えることを止めてしまいます。
 自由に政治を批判してなにが悪い、という風を吹かせ続けましょう。


 国民の心を侵すことになんのためらいもなく、同法案に賛成した
政府・与党、すべての国会議員を、私たちは忘れません。
 全身の血が沸くほどの怒りをもって、あなたたちを許しません。

 いくらでも濫用できる条文で「物言う市民」を恫喝する現政権に、
民主主義国家の舵を取る資格はありません。


 落胆、やりきれない思い、徒労感。すべての重い気持ちで押しつぶされ
そうになっているすべての人へ。
 それでも希望はあるのです。あなたがその怒りを前向きなエネルギーに
変えてくれる限り!
 私たちはいまある自由と、自由でいられる社会を手放したくありません。
子どもたちの尊厳と自由も、穏やかな民主主義の社会も、手放すつもりは
ありません。
 自由を行使し続けることでしか、自由は守り抜けない――憲法が問いか
ける「不断の努力」の覚悟を、「彼ら」に見せつけましょう。

 私たちあすわか570名は法律家として、主権者として、「不断の努力」で
共謀罪を廃止させることを誓います。

2017年6月14日水曜日

法務委員会を吹っ飛ばす!? 今夜本会議採決の可能性(>_<)!!


 ここへきて、与党が「法務委員会での採決をせずに、午後の本会議で
共謀罪法案の採決」などという計画を立ててきました。


●<共謀罪>今夜成立図る 委員会採決省略、与党が提案(毎日新聞)
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170614-00000038-mai-pol

●テロ等準備罪 自民がきょうの採決提案 野党は対抗(NHK)
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170614/k10011017291000.html?utm_int=word_contents_list-items_001&word_result=テロ等準備罪


 本会議で法務委員長が共謀罪法案の審議について「中間報告」を
おこなえば、委員会採決を飛ばして本会議で採決ができる、という前例
があるのだそうです。

 小川敏夫議員(民進党)のツイッターによれば
   ↓
「過去には、委員長が野党側で、与党側の思うように審議が促進
されない場合に、本会議で中間報告を求め、法案採決へ持って
行ったことはありましたが、今国会の参議院法務委員長は与党
公明党です。極めて異例、異常な提案といえます。(小川事務所)」
https://twitter.com/OgawaToshioMP/status/874842099723755522


 「議席の数さえあればこっちのもの」という、強硬すぎる姿勢には、
理性も恥もないとしか言いようがありません。


 与党がほんとうにこんな動議を出すのであれば、野党にはもちろん、
反対討論や採決阻止などで抵抗して頂かなければなりません。
 内閣不信任案や議長不信任案など、あらゆる手段を尽くして頂かな
ければなりません。

 国会の外で私たちにできることは、与党議員とメディアへの働きかけです。

 まちがいなく、戦後民主主義史上最悪の治安立法を、しかもこんな強硬な
やり方で作り上げようだなんて、ぜったいに許さない、とてもじゃないけど次の
選挙では票を入れられない、と地元選出の与党議員さんにFAXしてください。

 この法案と、この異常事態が、いかにこの国に生きる人の自由と民主主義
社会にとって致命的か、特番を作ってでも報じるべきでしょう、とメディアに
電話をかけてください。メールを送って下さい。


 そして、ぜひ、この記事をシェアして、一人でも多くの方に危機を知らせて
下さい。
 一人ひとりが、できることをしましょう。




6月18日(日) 楾弁護士とパペットたちが語る!「檻の中のライオン」in鎌倉


 憲法って、最近政治のニュースでよく聞きますね。
 でも、「正直なんのことかよく分からない」という方は少なくない
のでは。
 私たちが普段、好きな歌を歌い、なりたい職業につき、好きな
場所に住み、好きな人と結婚する…そんな「自分らしい」自由な
生活を送れるのは、憲法があるからなんです。

 当たり前のことすぎて、自由とか言われても、なんだか実感わき
ませんよね。
 でも、ほんの数十年前まで、そんな自由は、この国の人には
ほとんどなかったのです…

 日本国憲法を解説した「檻の中のライオン」は、分かりやすさと
かわいさで人気爆発の一冊。著書の楾大樹弁護士が、鎌倉で
パペットたちと憲法の基本のキを語ります☆


<FBページ>
https://www.facebook.com/events/308229742965559/?ti=cl


*・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・


ケンポウのやさしいお話し
                            「檻の中のライオン」in鎌倉


ケンポウってなあに?
私たちの日常にどう関わるのでしょうか。リッケン主義とは?
広島の若き弁護士、楾 大樹(はんどうたいき)さんが、やさしく解説します。
キッズスペースがありますので、お子様連れでもどうぞ!


日時: 6月18日 13:30~15:30


参加費: 500円+ワンドリンクオーダー


場所: お菓子工房MOANA
   (鎌倉市由比ガ浜2-22-11)http://uraga-moana.jp/index.html


講師: 楾大樹弁護士
     (明日の自由を守る若手弁護士の会)

参加申込: 申込みは、080-3005-5068 (古城) まで
           飛び込み参加も歓迎です!




2017年6月13日火曜日

『テロ等準備罪』!? 無害なフリしちゃってポイント解説リターンズ ③

自民党さんと公明党さんは、

今週中の共謀罪成立を目指すつもりで、今日にも委員会採決をするんじゃないか言われています

国会の期間を延ばしちゃうと、どんどん共謀罪反対が増えるから、ってことでしょうね

ひどい(>_<)



実際、もうかなりの人が

「テロ等準備罪」ってうさんくさい、って思い始めましたよね


たとえば、「準備行為」


2か月前だったら

「準備行為までするなんて悪質だから捕まって当然じゃん」

って思っていた方

結構いらっしゃったんじゃないですかね?


でも、

共謀罪にいう「準備行為」ってのは、

な~~んも危険な行為じゃない

だから、みんなのフツーの行動が「準備行為」って言われちゃう

ってことが明らかになりましたよね!


その証拠に

共謀罪の条文案には

『資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為』

って書いてあります


「資金の手配」って、例えばATMでお金降ろす行為は、なにも危険じゃないですよね?

「物品の手配」って、たとえばホームセンターで「ロープ」を買う行為そのものは、何も危険じゃないですよね?

「下見」だって、外から見れば散歩しているのと変わらないわけで、何も危険じゃないですよね?


国会では

花見と下見の違いを訊かれた金田大臣が

「弁当とビールを持っていたら花見、地図と双眼鏡をもっていたら下見」

という伝説的な珍答弁をしました(爆)


要するに、スマホを持っている人はみんな常時下見です()


つまり、結局、誰が何をしても、「準備行為」って言えちゃうんです。

だから、「準備行為」ってのは、何の歯止めにもならないんです。


そもそも

準備行為がなくても、捜査はできるんですよ!

大臣なんかも「準備行為がなければ処罰されない」って言ってますでしょ?

この発言って

処罰はされないけど捜査はされる、って意味なんです。


結局、一般人は捜査の対象になり

なんでもかんでも準備行為だから結局処罰もされちゃうんですよ



そこまでやる? んなわけないでしょ?

って思いますよね!?


でもでも、

冤罪っていまだに無くならないですよね?


あすわかでもアップしてきましたけど





http://www.asuno-jiyuu.com/2017/05/orz_29.html

(あれ?正義の味方じゃなくない?シリーズ)

警察や自衛隊などの権力機関は

安全のため、安心のため、と思って(だと思いますが)

やりすぎってことがあるんです。


その結果が、人権侵害になっちゃうわけです

「あれ?これやりすぎじゃない?やめなきゃ!」って思えないこともあるし

思っても行動に出せないってことあるじゃないですか


人間は弱いですからね

だから、権力の暴走を止めるために憲法があるのです(立憲主義!)


権力は、暴走するんです。

共謀罪は、その暴走を加速しちゃうかもしれません。


そうなったら、次の被害者は、

いまこの瞬間、SNSを見ているあなたかもしれません。


2017年6月12日月曜日

『テロ等準備罪』!?無害なフリしちゃってポイント解説リターンズ ②




 国会はいよいよ最終盤。「テロ等準備罪」(共謀罪)法案を
成立させるために10日間程度会期を延長するという方針も
検討されているようです。


 しか~し、この法案は審議すればするほど疑問が増すばかり(>_<)
共同通信社が5月20日、21日に実施した世論調査によると
反対41%、賛成39%と反対が上回り、「政府の説明が十分だと
思わない」との回答が77.2%に達したそうです。
疑問が解消されないまま、会期を延長して無理矢理成立させるより、
いったん廃案にすべきですよね。


 さて、あすわかが共謀罪チラシを世に送り出してから早3か月余り。
このチラシで投げかけた問題が現実のものになりかねない今、改めて
ポイントを解説します。


 政府は、テロ対策のためには「国際組織犯罪防止条約」を締結する
必要がある、「テロ等準備罪」を成立させないと、2020年の東京
オリンピック・パラリンピックも開催できない言っています。


 「たしかに、テロ対策は必要だよね」とか「東京オリンピック・
パラリンピックが開催されなきゃ困る!」と思ってしまうかもしれ
ませんね。
 でも、「本当にそうなのかな?」と立ち止まって考える必要があり
ます。


 そもそも、「国際組織犯罪防止条約」(別名「パレルモ条約」)は、
マフィアのマネーロンダリング(資金洗浄)などの経済犯罪を国際的
に協力して防止することを目的としたもので、テロ対策の条約では
ありません。


 それとは別にハイジャック防止条約とか爆弾テロ防止条約などテロ
防止のための条約が13ありますが、それらについてはぜーんぶ
締結しているのです。



テロ対策の法律も既に整備されています。
 内乱罪や殺人罪など70以上の重大犯罪については、共謀や予備の
段階で処罰できます。
 ハイジャック犯がハイジャックの目的で航空券を予約する行為は
ハイジャック防止法の航空機強取等予備罪で処罰できますし、
 サリン等の毒物を作るために薬品を購入する行為は殺人予備罪や
サリン等人身被害防止法予備罪で処罰できます。
 ね、もうテロ対策の法律は、できているのです。




 実は、この「テロ等準備罪」の法案、原案では「テロ」という文言
自体どこにも書かれていませんでした。
 共謀罪とはまったく別物の「テロ等準備罪」だよと言ってるわり
には「テロ」の言葉がどこにもないとかいって、おかしすぎるだろ、
やっぱり「テロ対策」なんてウソじゃないか!と猛批判が巻き起こり…
 急遽、政府は法案の「組織的犯罪集団」という言葉の前に「テロリ
ズム集団その他の」という文言を付け足しました。

なにこの「怒られたから書きました」感…( -_-)。。。



 ほんっとに「ただ書き加えただけ」なので、「テロリズム集団」の
定義はありませんし、「その他の」ってあるから、本当にテロ対策
なのかどうか結局あいまいなまま…


 実際、テロ等準備罪(共謀罪)の対象となる犯罪は277あるの
ですが、テロとは関ない犯罪も半数以上含まれています。

例えば、原発に反対している市民団体が、原発再稼働を進める
電力会社に抗議の意志を示そうと思って、電力会社前での抗議
行動を計画し、メンバーの一人が訴えをするためのハンドマイク
を購入すれば、「組織的威力業務妨害罪」の準備行為をしたと
いうことで計画に加わった人全員が処罰される可能性があります。


 なにそれどこがテロ…みたいな。


 また、国会の審議ではキノコ狩りも対象となるって話題になり
ましたね。組織的犯罪集団が保安林に入っていって、せっせせっせ
と竹やキノコを採って資金源にする、もはや妄想レベルorz




「テロ対策」のために本当に必要なことは何?、
「テロ等準備罪」が導入されると逆にどんなデメリットがあるの?、
こういったことが国会の議論で明らかになるか注目してきましたが、
全く議論が深まることはありませんでした…。




百害あって一利なしのこの法案、廃案にするしかありません。


6月17日(土) 楾弁護士(とパペットたち)が語る!「檻の中のライオン」in藤沢



 いまやもっとも分かりやすい日本国憲法の概説書として人気
爆発の『檻の中のライオン』。
 著者・楾大樹弁護士の憲法カフェツアーがまたまた開催されます♪
 6月17日は藤沢で!

<FBイベントページ>
 https://www.facebook.com/events/1524512964239900/?ti=icl


*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*:.


第14回 教科書について考える集い
 ”檻の中のライオン” ~立憲主義って何だろう~
 

 絵本『檻の中のライオン』をご覧になったことがありますか?
 「立憲主義」をこんなにわかりやすく説明した本はないと評判です。
 この絵本の著者であり、「明日の自由を守る若手弁護士の会」の
メンバーの弁護士楾 大樹(はんどうたいき)さんを広島からお招きし、
改めて「憲法って何だろう」「立憲主義って何だろう」「教科書はきちん
と説明しているのだろうか」などを学ぶ集いを企画しました。
 楾弁護士のパペット(人形)を使ったお話を楽しみながら、教科書
の叙述が子どもたちに与える影響などについても考えていきたいと
思います。


日 時:2017年6月17日(土)
   15:00~17:15(開場14:30)


場 所:辻堂C-Xオザワビル 7F会議室
   藤沢市辻堂神台1-3-39
   (JR・辻堂駅より徒歩5分)


資料代:500円
  *どなたでも参加いただけます。
    事前の申し込みは不要です。


講師: 楾 大樹 (はんどう たいき)弁護士
  ひろしま市民法律事務所 所長
  明日の自由を守る若手弁護士の会 


主催:藤沢の教科書・採択問題にとりくむ会
  ℡ :090-8029-1895
  E-mail:fujisawatorikumukai@yahoo.co.jp


共 催 : 神奈川の教科書・採択問題にとりくむ会




2017年6月11日日曜日

『テロ等準備罪』!?無害なフリしちゃってポイント解説リターンズ ①



 共謀罪から名前を変えた「テロ等準備罪」の法案が、もしかしたら
数日以内にも参議院で強行採決されてしまうかもしれません。
 この週末全国各地で、テロ等準備罪(共謀罪)法案に反対する
大規模なデモやイベントが開催されていました。政府の支離滅裂な
国会答弁をみんなで読んでみよう!という「コッカイオンドク」も、
(ほんっとうに情けないことだとは思いますが)大人気ですね。


 さて改めて、このテロ等準備罪(共謀罪)がどこまでめちゃくちゃで、
私たちの人権や尊厳を踏みつぶす法案か、を解説していこうと思います。
 政府は「法案は処罰の対象となる団体を明文で『組織的犯罪集団』に
限定することで、一般の会社や市民団体といった正当な活動を行って
いる団体が適用対象とならないことを、一層、明確にしている」と述べ
ました。

 
 「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」…
 いかにも、それっぽい人しか関係ないように見えます。
 善良な一般市民である私にもあなたにも縁遠いもののように感じます。
 でも、ここに大きな大きな落とし穴があります。
  

 テロリズム集団その他の「組織的犯罪集団」というのは、なにも、犯罪を
行うためにあえて結成された集団だけを言っているのではありません。
 市民団体、住民団体、NPO、NGO、労働組合、漫才コンビ、夫婦、
ママさんバレーチーム、アイドルグループ…平穏な社会にいくらでも存在
する、ごくごく普通の「複数人の集まり」は、なんでも当てはまります。


 その普通の団体の、内部の会話やコミュニケーションに注目して、捜査
機関(警察)が、「このやりとりは、犯罪を計画するやりとりだ!」と認定して
しまえば、その瞬間に、その市民団体も、ダンスボーカルユニットも、兄弟も、
「組織的犯罪集団」と見なされてしまうからです。
 


 「この団地の裏の大きな森が、国道を通すために伐採されちゃうんだって!」
 「さっそく工事始まるらしいよ」
 「おかしいよね、なんの説明もないし!明日は現場に担当者来るっぽいよ」
 「それ、ちょっとひどいよ、直談判してみようよ」
 …
 団地の住民が集まる管理組合で、こんなやりとりがあれば、「組織的な威力
業務妨害罪」の共謀だ、と見なされかねません。
 この瞬間に、管理組合は、「組織的犯罪集団」と言われてしまうのです。


 企業や役所に「おかしい!」と声を届けよう、というアクションを起こそうと
すれば,とたんに「組織的な威力業務妨害罪の共謀」なんておどろおどろしい
認定をされるなんて、あまりにも理不尽だな、って思いませんか。


 業務妨害してやろうとか、そんなこと思ってないのに!
 ただ、おかしいことをおかしいって訴えたかっただけなのに!
 アポをとりたくてもとってくれないから、直談判するしかないのに!

 …一般人が、この「テロ等準備罪」によって、かんたんに「組織的犯罪
集団」として犯罪者扱いされていくことが、容易に想像できます。
 そしてもう1つ、重要なこと。
 一般人か組織的犯罪集団のメンバーか、は、会話の内容次第だ、という

ことです。
 つまり、結局、すべての人の会話の内容がとりあえず監視される、という

ことです。
「君たちがどういうことを話し合っているのか聞いてみないと、一般人なのか

どうかは分からないからね」ということです。


 新潟では、こんなかけあい風の「コッカイオンドク」が披露されました。
  ↓
野党「確認のためにもう一度聞きますけど、一般人は100%捜査の対象に
  ならないと言い切れますか?」
政府「嫌疑がなければ捜査の対象にはなりません。」
野党「一般人に嫌疑がかかることはないんですか?」 
政府「嫌疑があればその時点で一般人ではありません。」
野党「それじゃあ、だれだって対象になりうるってことじゃないですか」

* * *

 決して、「考えすぎ」ではありません。
 ましてや「被害妄想」などではまったくありません。

 政府のボロボロの答弁から、「すべての国民の心が監視対象になる」こと
が、明らかになっています。

 権力に、いつでもどこでも監視されている…そんな社会で、誰か
のびのびと自分らしく自由に生きていけるでしょうか。
 私はそんな独裁国家にはぜったいに生きたくありません。


2017年6月10日土曜日

やや日めくり憲法69条(内閣不信任)

 日本国憲法 69条
  内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は
 信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院
 が解散されない限り、総辞職をしなければならない。


 これは、
 (1)衆議院で内閣不信任案が可決されたとき、
 あるいは
 (2)衆議院で内閣信任案が否決されたときには、
 内閣は、10日以内に、衆議院を解散するか、総辞職(大臣が全員辞職)する
か、どちらかの決断をしなければならない、というルールです。
 何も決めないで10日を過ぎた場合には、総辞職したことになります。

 日本は、内閣総理大臣(首相)が議院の多数派の中から選ばれる「議院内閣制」
をとっています。
 そして、立法府である衆議院が「内閣の不信任権」を持ち、行政府である内閣
が「衆議院の解散権」を持って、お互いにバチバチとにらみ合いをきかせて対立
することによって、権力のバランスを図ろうとしているのだ、といわれています
…が。

 ちょっと待って。
 内閣は国会の多数派で作られますよね。
 そうすると、野党が「内閣不信任案」を提出しても、与党や与党に近い政党が
議席の過半数を占めているかぎり、可決されることなんてあり得ないんじゃない
でしょうか?

 実際、日本では戦後70年の中で、内閣不信任案が可決された例は、わずか
4回しかなく、ヨーロッパでも同じように、不信任案の可決例は少ないようです。
 「不信任権」vs「解散権」のバチバチのにらみ合い、という理解は、現実
とは違っているのかもしれません。

 ところで、どうして野党は、否決されるのがわかっているのに「不信任案」
を提出するのでしょうか?

 審議の引き延ばし?
 パフォーマンス?
 
 …実際のところ、与党がガッチリと支えている内閣に対抗するには、野党には、
それくらいしか手段がありません。
 また、その時点で争点となっている重要法案について、「この『悪法』を作った
のは内閣を信任したこの議員たちである」と示すこともできます。

 次の選挙で、国民に判断してもらう手がかりになる、というわけですね。

 あるいは、不信任案が出されれば、与党議員であっても、不信任案に白票を
投じたり、棄権したり、あるいは賛成したりすることで、国民から不評な内閣に
「自分は加担してないよ」とアピールできます。

 与党内で「あの人は首相としてもうダメだ」というムードが生まれたときには、
野党の出した不信任案が一つのきっかけとして政局が動くこともありうるでしょう。

 ただ、少なくとも、その不信任案がきちんと機能するためには、与党議員が
「あの人が首相で本当にいいのか?」と自分の頭で考えて投票できることが
必要ですよね。
 あるいは、与党が単独で過半数にならない議席数割合になるような選挙制度
を作ると、野党たちが一丸となって不信任決議をすることも可能になり、国会
と内閣とのバチバチのにらみ合いが生まれるかもしれません。

 国会と内閣の力関係は、どういうバランスが良いのでしょうか?
 長期に政策方針が「安定」はするけど、「独裁」にもなりうるバランス。
 政権と政策が変わりやすく「不安定」だけれど、「多様な意見」が反映され
やすいバランス。
 「ねじれ国会」という批判が妥当だったのか、という問題でもありますね。

2017年6月9日金曜日

やや日めくり憲法68条 (国務大臣の任命及び罷免)

1日遅れちゃいました(◎_◎;)

 日本国憲法 68条
  内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。ただし、
 その過半数は、国会議員の中から選ばれなければ
 ならない。
  内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免すること
 ができる。


 内閣の中で、唯一内閣総理大臣だけが、民意の代表者である国会から直接
選ばれます。
 そういう意味では、総理大臣は、民意の反映で選ばれることになります。
  民意を代表して選ばれた総理大臣に政治をゆだねるわけなので、その補佐を
する人は、できるだけ総理大臣と意思疎通がとれていてほしいわけです。
でないと、円滑迅速な政治ができませんからね。
 だから、総理大臣に、自分がやりやすいように大臣を選ばせたわけです。
 総理大臣の政策を実行することができるのは誰なのかを一番適切に判断できる
のは、総理大臣自身ですからね。

 ただし、国会が内閣を監視する必要から、
 大臣の過半数を国会議員から選ばないとダメ、という規定です。
 (同数じゃダメ。イギリスにいたっては過半数でもダメで全員国会議員
というルールらしいです。)

 これも、国会議員にはいない特に専門的な政策を実行したい場合もあるで
しょうから、半数近くまでは国会議員以外からでも大臣を選べるようにして
います。
 できるだけ専門的でスムーズな政治をしてほしいから、選ぶのは総理に
任せるけど、行政権力を監視する(立憲主義の発想ですね)ために国会議員
を過半数入れるからね、ということです。
 総理大臣が自由にクビにできるとはいえ、実際には、大臣罷免(ひめん)
の事例は多くありません。
 むしろ、みなさんが耳にするのは、「更迭」(こうてつ)ですよね?

 要するに、「罷免」というのは、
 天皇が関わるものなので(憲法第七条五号)面倒だし、罷免された人に
とっても不名誉なので、お互いのために総理の意向に従い辞表を出した形に
してもらう(更迭)わけです。
 どっちにしろ、ダメな大臣がいた場合、
その人をやめさせる権限は総理大臣にしかないので
(国会議員であれば除名することも理論的には可能ですが、現実には無理)
ダメな大臣がその地位に居続けた場合、総理大臣の資質・能力、そして任命
責任が問われてしまうわけです。

 そして、それは、総理大臣を選んだ国会の資質・能力の問題になり
究極的には、国会議員を選んだ私たち主権者の問題になるわけです。
 だからこそ、不誠実で職務怠慢な大臣がいた場合、
私たちは、身近にいる(はずの)国会議員に、
 「あんな大臣は、早くやめさせて!」という怒りの声を伝えていく必要が
あるわけです(不断の努力)。

2017年6月8日木曜日

6月17日(土) 博多で「みんなで学ぼう!憲法カフェ」



 自民党は、来年憲法改正の発議を目指しているのだそうです。
 なんで勝手にそんなこと決めるのでしょう?

 憲法は国民のものなのに。憲法は権力を縛る法なのに。

 縛られている国会議員たちが、「このロープ切っちゃおう」とか
「このロープもっと緩くしよう」と言い出すのは、おかしな話です。

 憲法が壊される前に、手遅れになる前に、ぜひ、憲法のキホンを
知ってみて下さい。


*・゜゜・*:.。..。.:*・*:゜・*:.。. .。.:*・゜゜・**・゜゜・*:.。..。.:*・*:゜・*:

「みんなで学ぼう!憲法カフェ」


日時: 6月17日(土)10時~
  10時~12時 憲法カフェ
  12時~13時 ランチ休憩
  13時~15時 玄海原発のお話



場所:kimama cafe
          福岡市博多区吉3丁目3-27

        http://hamayuki.exblog.jp/


* オーガニックべジランチ500円(要事前予約)
  (お弁当持ち込みOK)


参加費: 通し1人500円 小学生以下無料


* 途中参加途中退場自由。オープンなカフェです。


 座談会なので質問し放題(笑) 堅苦しくなく、和気あいあいな会にしたいと
思います(*^^*)


~憲法カフェ~
 
明日の自由を考える若手弁護士の会、大阪ふたば法律事務所
  
大橋さゆり弁護士。

~原発のお話~
 玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会 原告団長
 石丸初美さん。
 https://saga-genkai.jimdo.com/



お問い合わせ:奈須智子
       090-3017-0907
       tomonatsu122@gmail.com

やや日めくり憲法67条(内閣総理大臣の指名)

日本国憲法 67条
  内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、
 これを指名する。この指名は、他のすべての案件に
 先だって、これを行ふ。


2 衆議院と参議院とが異なった指名の議決をした
 場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会
 を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名
 の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内
 に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の
 議決を国会の議決とする。



 67条は、行政の長である内閣総理大臣の選び方を定めています。

 1項は、まず、全ての案件に先立って、内閣総理大臣は国会議員の中から選ば
ないといけないと書いています。
 アメリカやお隣の韓国は国のトップである大統領を国民が直接選びますが、
日本は、国民の代表である国会が総理大臣を選ぶしくみです。

 大日本帝国憲法時代にも総理大臣はいましたが、国会が選ぶしくみではなく、
国会議員の中から選ぶ必要もありませんでした。
 そのため、帝国議会の多数党とは関係のない人や軍人が総理大臣に選ばれる
こともあり、民意を無視した政治が行われることがありました。

 日本国憲法では、選挙で選ばれた国会議員の中から総理大臣を選ぶことで、
間接的ですが、民意を行政にも反映させようとしているのです。

 次に2項は、衆議院と参議院とで違う人を総理大臣に指名したときに両院
協議会を開いても意見が一致しないときや、衆議院の指名後、国会休会中を
除いて10日以内に参議院が指名しないときには、衆議院が指名した人が総理
大臣になると書いています。

 このように、総理大臣の指名は衆議院の議決が優先されるため、政権を取る
には衆議院で多数をとれるかどうかにかかっています。
 衆議院の総選挙が「政権選択選挙」と言われるのはこのためです。
 解散は、政権の切り札。いつ解散総選挙があるかもしれません。
 どんな人が総理大臣に選ばれるかは、総選挙でどの政党が多数を取るかで
決まってきます。

 国会では、加計学園の問題で安倍首相がずっと野党から追及を受けてきました
が、まともな答弁をせず、説明責任を果たしていませんね。
 共謀罪法案でも政府・与党はまともに審議に応じませんでした。
 今国会で起こっていることを総選挙での判断材料にする、
 不誠実な答弁をした議員には投票しない。
 職務放棄した閣僚には投票しない。
 あの議員やあの議員が、「全国民の代表」としての仕事を果たさなかった。
 それを忘れない。

 それが、「不断の努力」ですね☆

2017年6月6日火曜日

やや日めくり憲法66条(内閣の組織)



 日本国憲法 66条
  内閣は、法律の定めるところにより、その首長
 たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを
 組織する。

2 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなけ
 ればならない。

3 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯
 して責任を負ふ。



66条は内閣の組織について書いています。
 
 内閣は、三権(立法、行政、司法)のうち、行政権を担う組織です。
 第1項は、内閣のメンバーは内閣総理大臣やその他の国務大臣で、総理大臣が
その「首長」つまりリーダーという内容です。

 第2項は、大臣になれるのは「文民」つまり「軍人でない人」だけ、という
規定です。
 この規定が目指しているのは、「文民統制(シビリアンコントロール)」です。
 何か政策を決めるとき、武力を持っている軍が決定権を握っていると、軍の
都合を優先したり、軍の活動にお金を回してしまい、主権者である市民の生活が
後回しになりがちです。
 日本でも、大日本帝国憲法時代には、軍が政治に介入し、暴走した歴史があり
ますよね。
 そこで、軍を政治に介入させないために政治と軍とを区別することは、日本
だけでなく、「民主主義」を基本とする国の常識となっています。
 とはいえ、日本は、すでに第9条により「陸海空軍」を放棄していますよね。
 あれ、日本に「現役の軍人」って存在するんでしょうか?

 そのため、この66条2項は軍をもたない日本国憲法において無意味な規定
だとか、日本国憲法のできた当時にいた元大日本帝国軍人たちを排除する趣旨
だと言われていました。
 しかし、その後作られた「自衛隊」…その実態は、もはや否定できないほど
軍隊そのものですよね。
 2015年の安保法制で、ほんとに「事実上の戦力」になってしまいました
ものねorz
 そのため、政府も、現役の自衛隊員が国務大臣になることは66条2項違反
になる、と理解しています。

 最近、現役の自衛隊統合幕僚長が、憲法9条の改憲について「非常にありが
たい」と発言しました。
 でも、憲法をどうするか、というのは、主権者が考えることです。
 「文民統制」の考え方からすると、軍隊は、主権者そして国会が決めた政策に
従う立場にあり、その政策判断にとやかく口出しをしてはいけません。
 この統合幕僚長の発言は、「文民統制」の観点から、とても問題ありです。

 第3項は、内閣のメンバーの一人の行為であったとしても、内閣は国民の代表
である国会に対して連帯責任を負う、という内容です。
 この「責任」は、慰謝料を払え、刑務所に入れ、というような法的責任ではなく、
政治責任です。
 責任の取り方は、総辞職が一番重いものですが、それだけでなく、国会での
質問や調査に対する回答を誠実に行うということも、もちろん含まれています。

 共謀罪法案をめぐる国会の討論の書き起こしを音読する「コッカイオンドク」
が各地で流行りましたね!
 笑ってしまうほど無茶苦茶な答弁をするような大臣のオンパレード、それで
「責任」を果たしていると言えるのかー!!
 そんな内閣にきちんと責任をとらせるのも、私たち1人ひとりの小さな声の
集まりです。
 そんな答弁をする閣僚を、ぜったいに許さない、ぜったいに次の選挙で
票を入れない。そういう声をあげ、メディアもしっかり取り上げて、最終的に
選挙で審判を下す。
 こういう「不断の努力」のサイクルが正常にまわっていれば、閣僚も
めちゃくちゃな答弁など怖くてできないはずなのですが…

 ほんとにほんとに、「不断の努力」!

2017年6月5日月曜日

やや日めくり憲法65条 行政権の帰属

【やや日めくり憲法 65条(行政権の帰属)】
やや日めくり憲法、今日から条文は行政に関するエリアに入ってきました!
 
 日本国憲法65条
  行政権は、内閣に属する。


 民主主義の国家では、強大な国家権力を1つにしておくのではなく、
「立法」「行政」「司法」の3つにバラバラにして、互いに監視し合うことで、
憲法の枠内で政治を行って国民の人権や自由な社会を守れるようにしています。

 法律を作るのは立法権(国会)の仕事、
 裁判をするのは司法権(裁判所)の仕事。
では、行政権は…

 えっと、
 行政権は…なにをするところでしょう?

 行政権の定義、できますか?

 税金を徴収したり…、保育園作ったり…、道路を整備したり…、生活保護の
事務をしたり…いろいろありますよね。
 いろいろありすぎて、説明しづらいですね(>_<)!

 そう、この社会において、行政の仕事は膨大です。
 あれとこれが行政権です、ときれいに定義することは、不可能なのです。
 そこで学問上、行政権は「すべての国家作用のうちから、立法作用と司法
作用を除いた、残りぜんぶ」と定義されています。

 国家権力-(立法+司法)=行政
 ははは、そんな定義でいいのかなって感じもしますが、そうとしか言えませんw
 
 この行政権を統括するのが内閣です。
 とはいっても、公平中立な立場で仕事をしなければならない独立行政委員会
というものがあります。
 人事や、少し司法や警察のような仕事をする、人事院・公正取引委員会・国家
公安委員会などです。
 こうした独立行政委員会が、内閣から「独立」してるのは、憲法65条に違反
してるのではっ?という疑問がわくかもしれません。 

 この65条は、「内閣が行政権を独占する」とまでは言っていないことが
ポイントです。
 どちらかというと、65条が強調したいのは「法律を作るのは国会、法律を
執行するのは内閣」という点です。
 独立行政委員会の予算も、結局は内閣が作成して国会が可決したものなので、
予算の面でコントロールできている、とも言えますし、法律上一定の条件で内閣
以外の機関に行政をゆだねることも許される、と考えてよさそうです。

 これでもかっていうくらい短い条文ですが、いろいろ考えなければならない
ポイントが、ないわけではないのです。