2020年10月30日金曜日

「差別を許さない」一票がたくさん集まれば


 LGBTQへの無知・無理解な地方議員による差別発言が、またもや

繰り返されています。

 足立区に続いて、埼玉県春日部市の井上英治市議(無所属)が9月

議会で、同性カップルの関係を公的に認める「パートナーシップ制度」

の創設などを求める請願に対し、「春日部市にLGBTに対する差別が

ないことは明らか」「左翼の作戦」などと主張したそうです、、、


● 春日部市議「LGBTへの差別は存在しない」

              「左翼の作戦」発言に波紋 (ハフポスト)

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5f9a15b2c5b6c265d8f044a2



 井上市議の一般質問

「埼玉県や春日部市はLGBTに関するいじめ相談が過去5年間でゼロ」

「春日部で差別は起きていないのに、そんな時に小学生にレズビアン

だとかゲイだとか教える必要あるんですか。学校は分数とか漢字とか

やるべきこといっぱいあるんじゃないですか。LGBTなんかやる必要

は全くない」

 パートナーシップ制度について「公正証書を作って提出すれば問題

は解決する。何もいまさら実害のない春日部でLGBT条例や条例の

めの規則や要綱を作る必要は全くない。」


 井上市議の、請願の採決に際しての反対意見

「この請願は差別を解消してほしいと言いながらも、現在ある例えば

教育委員会のいじめ相談窓口や法務局の人権相談制度を活用もせず、

市内に実際には存在しない差別があると言っています。入院同意を

断られるとか、現行の公正証書で解決できる事柄をあたかも大問題か

のように掲げ、そのための施策、制度制定を求めています」

「春日部市には(LGBTに対する差別は)存在しないことが明らかに

なっています。請願の理由は存在していないのです」

「日本の法律制度は同性カップルよりも男女間の婚姻を優遇するのは

出産、子育てを考えれば当然のことという認識が国民に浸透している

証拠」


 …足立区の白石区議と同じで、井上議員もまた、相談件数がゼロだか

ら春日部には差別は存在しない、と断言する。この浅はかさに、まず、

言葉が出てこない人は少なくないのではないでしょうか💧

 人権侵害や差別への向き合い方や思慮の程度がおのずと分かります…。

 社会に目を向け、耳を傾ければ、LGBTQの人たちの苦しむ姿、必死の

訴えを知ることができるし、学ぶツールや機会も数多くあります。

確実に存在する差別が、なぜ(そこだけ異次元というわけでもない地続き

の)春日部に限って存在しないと言い切れるのか、およそ常識とは相いれ

ない発想です。とても知的とは言えない、浅はかな姿勢です。


 相談件数がゼロなのは、おいそれと相談できないほど抑圧されている

状況なのではないか、とか、現在の対応ではアクセスしづらいのではない

か、とか、くらいの想像さえできない人に、「だれも取り残さない政治」

は託せないなぁ、と思わずにはいられません。 


 「日本の法律制度は同性カップルよりも男女間の婚姻を優遇するのは

出産、子育てを考えれば当然のことという認識」とも発言していますが、

結婚の意義を出産・子育てに第一に見出していることは時代錯誤といえ

ましょう。子どものいないカップル、高齢カップルの結婚も否定する

ことになることに、井上議員はおそらく気づいていません。


 春日部市民でなくても、だれもが、これを他人事と受け止めてはいけ

ませんよね。差別に無関心で無理解な議員が選ばれれば、差別に無関心

で無理解な政治が行われるのですから。

 自分の一票と政治は、細くて見えないかもしれませんが、確実にダイ

レクトにつながっています。

 「差別を許さない」という思いを託した一票が集まれば、「差別を

許さない」大量の表が差別を許さない議員をたくさん当選させ、差別を

許さない政治が、必ず花開きます🌸

こういうこと、忘れずに、自分の思いを地道にアクションに移していき

ましょう👍