2020年10月30日金曜日

「多様性が大事」だから任命拒否? その場しのぎの弁解、すぐバレる


 日本学術会議への人事介入(任命拒否)について、首相は

「民間出身者や若手が少なく、大学にも偏りがみられることも踏まえ、

多様性が大事であることを念頭に、私が任命権者として判断を行った」

「地方の会員も選任される多様性が大事だ」

と主張しました。

 この主張がいかにめちゃくちゃか、よく分かる記事をご紹介します。


● 学術会議の構成、最多の東大2割未満 首相「偏り」繰り返すも地方が半数超 (東京)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/65133?fbclid=IwAR1encU0_ok88j0cnGR0vXYx8VBN_1xSQ04lXTTWnyTOFGYM-bfEqTX8tPw


<一部抜粋>

 学術会議の大西隆元会長が野党に提出した資料によると、現会員

204人のうち、東大の会員数は16.7%の34人で、2011年

10月の28.1%から低下。地域別の会員の割合も、関東地方は

11年10月に59.5%だったが、現在は49.5%へ10ポイン

ト下落した。

◆女性比率少ないのに1人を拒否

 首相が任命拒否した新会員6人には、会員ゼロの東京慈恵会医科大

の小沢隆一教授や会員1人の立命館大の松宮孝明教授も含まれている。

女性の比率が37.7%と低い問題は改善されていないが、女性の

新会員も任命拒否された。首相は女性や会員ゼロの大学の教授を除外

した理由を問われても答えず、多様性が大事とした選考基準との整合

性が取られているとは言い難い。

<抜粋終わり>


 東大の割合・地域の偏り、いずれも大したことないわけです。

 むしろ首相は女性や会員ゼロの大学の教授を任命拒否していて、

とても「多様性を重視したからこその任命拒否」とはいえない。

 その場しのぎで思いついたテキトーな弁解、ということです。。。


 そもそも日本学術会議法17条は、同会議が会員候補を推薦する

基準を「優れた研究・業績」と定めます。首相が若手だの地方だのと

選考基準に口出しすること自体が違法で、法改正に近いような法解釈

の変更を宣言したも同然であることを、忘れちゃいけませんね。


 首相(政権)は、テキトーにのらりくらりかわしていれば、そのうち

国民は飽きて忘れるだろう、と思っています。バカにされています。

 忘れずに、論点ずらしに乗らずに、追及し続けましょう。

「おかしい」と声をあげつづけましょう。