2020年11月5日木曜日

11月4日 辻元清美議員の予算委員会での質疑


 11月4日の辻元議員の菅首相への質疑(一部)を、ご紹介します。

長いのですか、「え?え?えええ!?」と、一気に読めてしまうと

思います。

 首相が、どれだけ質問に真正面から答えようとしていないか、はぐ

らかそうとしているか、不誠実な姿勢が如実に分かります。

質疑する議員は、主権者国民の代表として質問しています。

国民に一切説明する気がないのと同じなわけです。

 また、「どれだけ無知か」「どれだけ任命拒否のやり方がいいかげん

だったか」も分かります。え、それも知らない?それも知らない!?

辻元議員は見事でした。

 この人が総理大臣で、この人に国民の命と暮らしが託されていて、

いいのでしょうか。

 少しでもおかしいと思ったら、その思いを、形にしましょう。

この質疑をご家族や友達に見せるんでもいい、メディアに投書する

のもアリです。



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辻元 これを決裁したときに6人が外されていることは知らなかったと

 おっしゃったので、ではその後、6人の人が実は外されていたんだと

 いうことを総理が知ったのはこの決裁の後のいつごろですか?と聞い

 ているんです。


首相 8月31日、学術会議の推薦を受けて、具体的な対応について

 相談を受けたわけで、具体的な相談を受けたのは総理大臣になった後

 です。9月16日、私、内閣総理大臣に就任しましたので。その後に

 それを受けて、私が懸念や任命の考え方を官房長官や副長官を通じて

 内閣府に伝えて、最終的に99名を任命する決裁を行ったということ

 です。


辻元 ですから、もう一回言いますよ。この6名の、加藤陽子さん以下

 6名の名前が出ました。これは、じゃあこんな人たちが任命されて

 いなかったということはニュースで知ったんですか、新聞とか。

 いかがでしょう。

 ちょっと、関係ないでしょう。もう全然関係…なんで?総理の記憶を

 お聞きしているんですよ。


首相 まず、8月31日に学術会議から総理大臣宛てに105名の推薦

 名簿が提出され、担当の内閣府からその内容の報告を受けて、私が

 官房長官時代から持っていた懸念というものを伝えました。こうした

 懸念点や任命の考え方を官房長官を通じて内閣府に伝えて、9月24日

 に内閣府が99名を任命する旨の決裁を起案して、9月28日ですね、

 決裁を行ったのは。


辻元 そうすると総理は、懸念は伝えた、と。しかし具体的に、

 こういう6名の方がこうこうこういう理由で任命から外されました

 という説明は受けていないということですね、具体的な名前を入れて。


首相 先ほども申し上げましたように、懸念や任命の考え方を官房長官

 や副長官を通じて内閣府に、それに基づいて9月24日に内閣府が

 99名を任命する旨の決裁を起案して、9月28日に私のところに

 決裁が回ってきて、決裁を行ったということです。


辻元 それね…今、同じ答弁をされているんですよ。ですから、これ

 だけ騒ぎになっている6名の方のお名前ですね、加藤さんとか宇野

 さんとか。具体的に、こういう人が外されていたんだと総理が名前

 も認識したのは、決裁の後ですか?


首相 決済をする前に、99名にするという話は報告を受けています。


辻元 ですから、、、105名出されていて、6人のこういう人が外さ

 れたんだということを、総理が名前も含めて自覚したのは、いつか、

 と。。。決裁しちゃったけれども、その後、大騒ぎになりましたよ。

 それで、あぁこういう6人が外されていたのか、と、その時にお知り

 になった、ということでよろしいですね?


委員長 具体的事実だから、しっかり答えてもらいます。


首相 私が99名の祖の決裁をする前です。

 決裁を99人で上がってきたその前に、こういう形で上げますから、

 という形です。


辻元 決裁を、ハンコを押す前に、こんな6名の人が外されたという

 ことを知っていたということですか?


首相 そういうことです。


辻元 それでは、その6名の方が外されたという説明は誰から受け

 ましたか。


首相 まず私は、8月31日に…いや、ちょっと経緯がありますから。

 8月31日に学術会議から総理大臣宛てに105名の推薦名簿を提出

 され、担当の内閣府からその内容の報告を受けて、私、官房長官時代

 から持っていた懸念を実は伝えました。そして、こうした懸念や任命

 の考え方を官房長官や副長官を通じて内閣府に伝えて、最終的には

 9月24日に内閣府が99名を任命する旨の決裁を起案して、28日

 に私が最終的な決裁を行った。24日にこの99名が任命が上がって

 くる前に聞いています。


辻元 誰から聞きましたか?


首相 たぶん、杉田副長官だと思います。これはいろいろな方が来て

 いましたので。内閣府からも来ていましたから。


辻元 そうしますと、その時初めて総理は6名が任命されていなかった

 ということを知った。杉田官房副長官から聞いた、と。

 じゃあ6名を任命しないと決めたのは誰ですか。


首相 それは、最終決裁者は私ですから。


辻元 ということは、杉田官房副長官がこの6名は任命しない方がいい

 ですよ、と持ってきて、そこで話し合って、じゃ、この人はこうだね、

 この人はこうだね、じゃ、この6名は外れて99名にしておこうと

 相談したんですか?


首相 先ほど申し上げましたけれども、私、8月31日に105名の

 推薦名簿が提出されたときに、官房長官時代からの私の懸念を内閣府

 に伝えたんです。その中で、最終的に上がってくる段階で聞いたのは、

 杉田副長官です。


辻元 じゃあ杉田副長官が6名を提示したということじゃないですか。

 ということは、杉田副長官がこの6名を外した方がいいという判断を

 されて提示しているわけですから、杉田官房副長官に、どういう理由

 で外そうとしたのか、ここに来ていただいてご説明いただく必要が

 あるので、私たちは参考人として来てくださいと言っているわけです。

 委員長、今度こそ呼んで下さいよ、杉田さんを。いいですか委員長?

 委員長に言ってるんですよ、今は。


委員長 理事会で協議をさせていただきます。


辻元 それでこの間、総理は加藤陽子さんだけご存知だったとお答え

 になりましたね。どういうようにご存知だったんですか?加藤陽子さん。


首相 これは最終任命権者が私ですから、最終的には私が決めていると

 いうことです。これは当然のことですけれども。加藤陽子さんに

 ついては、当日、あそこに名簿が出ていましたですよね。

 この委員会で配られています。私は新聞とかそういうことで知って

 いました。


辻元 どういう判断基準で判断されたのか?総理は6人のうち加藤陽子

 さんはご音字だったということですか。加藤陽子さんについて、

 ちょっと、私は女性の歴史学者として本当に尊敬している方なんですよ。

 それで本なんかも「それでも日本人は『戦争』を選んだ」、ものすごく

 売れていますよ。なぜこの人が外されたのか、と、すごいショック

 だったんです。

  総理、ご存知ですか?加藤陽子さんの例でいきますと、小泉政権から

 菅政権までの17年間、歴代内閣の政府の委員会や懇談会、例えば内閣

 府独立行政法人評価委員会など8つの委員を務めてこられました。

 安倍政権、菅官房長官の時も、内閣府公文書管理委員会の委員に!

 内閣府の官房長官が、任命しているんですよ。そして菅内閣、今も加藤

 陽子さんは、国立公文書館の機能・施設の在り方等に関する調査検討

 会議委員を務めて頂いているわけですよ。

  こういう加藤さんが、ずっと政府が世話になってきて、その業績を

 評価していたという事実は、総理はご存知でしたか?加藤さんについて、

 いかがですか?総理の認識。いや、総理が知っていたかどうかですから。

 総理、どうぞ。


首相 内閣でお願いしているということを私は承知していませんでした。


辻元 こういうことも承知せずに、じゃ、杉田さんから言われて、外して

 おこう、外しておこうと外したんですか?加藤さんのケースでもそう

 ですけれども、政府の委員というのは、政府が「この人はやめておこう」

 と思ったらやめられるわけで、そして推薦がなくても、政府の一存で

 決められるわけですよ。ハードル低いんですよ?そっちでは今もお世話

 になって、政府がその見識や学識を頼って、そして今も委員を務めて

 頂いている、政府の。ところが一方、独立性が高い日本学術会議の推薦

 の方は外してしまう。同じ人物を、一方では政府が力を借りて、一方で

 は拒否!任命拒否の根拠は破綻していると思いませんか?

 総理、いかがですか?いかがですか?


首相 個々人の任命の理由については、政府の機関に所属する公務員

 の任命であり、通常の公務員の任命と同様に、その理由については、

 人事にかかわることですから、控えたいと思います。


辻元 この新しい国立公文書館を作るというのは上川大臣が議連の会長

 で、私も一緒にやらせて頂いていますけれども、非常に見識の高い歴史

 学者として、私どもは加藤先生をはじめ歴史学者の方のお力を借りて

 いるんですよ、分かりますか?今まで加藤氏のような歴史学者の、

 例えば学術会議の答申によって国文学研究資料館が設立されています。

 今、国立公文書館、ありますね?これを新しくしようとしているわけ

 ですよ。これについても学術会議の公文書散逸に向けてという勧告が

 もとになって、日本は初めて国立公文書館を作ったんですよ。諸外国は

 あったんですよ。日本は遅れていたんですよ。学術会議がそれに勧告を

 出して、よしやろうということで、国際基準に合ったものを作ろうと

 なったわけです。こういう歴史、総理、ご存知でしたか?

 総理、総理です、総理です、総理。


首相 そういう形の中で…公文書管理館ですか…?できたという経緯は

 承知していません。


辻元 何にも知らないんじゃないですか…。学術会議が今までどんな

 ことをやってきたか。例えば原子力基本法も、学術会議の声明によって

 日本の原子力利用についての基本が作られたんですよ。

  公立公文書館もそうですよ、、、そして新しい公文書館も、今、力を

 借りてるんですよ。その人を、外しているんですよ。

  外した本人は、「いや、そんな政府の役職をしていたのは知らな

 かった」とか、そして学術会議がそういう仕事をしていたのは知りませ

 んでした。。。任命権者として、失格じゃないですか?

 総理。いかがですか?


首相 それは、私でなくて、皆さんが考えることだと思います。