自民党の野田聖子幹事長代行が、菅政権が「不妊治療への保険適用」
を打ち出したことについて喜びを語るインタビューがありました。
確かにそれ自体は不妊に悩む方々にとって大きな後押しです。
● 不妊治療の保険適用が「少子化対策」を加速する (毎日)https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20201119/pol/00m/010/009000c
しかし、野田氏の発言の中に、引っかかるものも少なくありません。。。
<一部抜粋>
保育園の充実や待機児童の解消も大事ですが、子供が生まれなければ
どうしようもありません。待機児童を減らすことだけが「少子化対策」
ではありません。
重要なのは、20代、30代の女性が子供を産める環境にすること
です。出産する女性の9割は20代、30代だからです。小さな企業は
育休制度がないところも多いですが、義務化して国が援助する▽フル
タイムで働けなくても正社員の身分を保証する▽夫も休む―――など、
できることはたくさんあります。
今は特に働きながら出産するとなると、なんだか「申し訳ありません」
というような雰囲気があります。もっと堂々と胸をはって「出産します
!」と言えるような国にしたいです。
教育の場で、避妊の前に「妊娠」を教えることも必要だと思います。
女性は30代後半になれば妊娠しにくくなります。「女性は20代から
30代前半で子供を産む」と、教えなければと思います。
<抜粋終わり>
「女性は20代から30代前半で子供を産む」と教えなければ…って、、、
不妊に苦しんだ自身の経験からの言葉だとは思いますが、これは、
2013年に猛批判の嵐で撤回された「女性手帳」と同じ発想では
ないでしょうか…??
すべての人の「子どもを産むか産まないか、産むならいつ産むか、
何人産むかを自分自身で決めることができる」権利の保障との関係を、
どう考えているのか、とても気になります。
また、野田氏は不妊回避のために「避妊の前に『妊娠』を教える」
と述べていますが、長年にわたり自民党が安倍晋三氏を中心として科学
的な性教育をつぶしてきた(「寝た子を起こすな」と性交には触れず
避妊だけ教えるという無理すぎる授業しか許さない)歴史への反省は、
まったく語りません。先ほど述べた、すべての人に「子どもを産むか
産まないか、産むならいつ産むか、何人産むかを自分自身で決めること
ができる」権利を保障しようと思えば、まずは、科学的な性教育を阻み
続けた歴史の反省が、大前提なのではないでしょうか。