中学校の校則の見直しに向け、佐賀県弁護士会(富永洋一会長)が、
判断基準などを示した提言書をまとめました。
● 中学校則「下着は白」、教員が目視で確認
…弁護士会「明らかな人権侵害」(読売)
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20201112-OYT1T50299/
提言は「規制の目的と手段(指導)が合理的なものか」との基準
を示したほか、「子どもの権利を明言すること」や「策定・改定の
際に子どもが関与できる仕組み作り」からなる、とのこと。
具体的に存在する「校則」として挙がったのは、マフラー禁止、
髪形のツーブロック禁止のほか、下着は白、というものまで。。。
<一部抜粋>
中学生へのヒアリングでは、定期検査の際に教員が下着を目視で確認
する指導が現在も行われていることが判明したという。同委員会の稲村
蓉子弁護士は「明らかな人権侵害だ」と指摘。
また、多くの学校で、制服や髪形が、男女別に細かく定められている
ことについて、「性的少数者(LGBT)や障害者、異なる文化や宗教
を背景に持つ子どもたちを社会がいかに受け入れ、多様性を確保する
のかという視点が欠落している。子どもたちが納得できない、学校側
が理屈を説明できない校則は改定を検討すべきだ」とした
<抜粋終わり>
下着の色指定なんて、一体、誰のための、なんのための校則だという
のでしょう。
合理性も必要性も、なにもない、ただただ「大人が生徒を支配する
ため」だけの道具です。
制服が男女別に細かく分かれているのも、学校が「この世には男性と
女性の2種類しかいない」という前時代的なメッセージを放っていて、
生徒の人格を否定する可能性は看過できません。
ブラック校則が話題になるたびに書いていますが、
問答無用に教師が校則で自由を奪い続けて生徒と誠実な議論もしない
のであれば、当然「長いものには巻かれるしかないんだ。権力には従う
しかないんだ」と生徒は学びます。そして考えることをやめ、長いものに
巻かれ続ける大人になります。自由を奪うということの重みを、学校側
は絶えずかえりみてください。
「なぜこんな校則に従わなきゃならないのか」「なぜこんな生活指導で
生徒をしばるのか」という質問に対し、人権の観点から真摯に検証し、
理論的・科学的な説明をしない教職員は、教育者として失格と言わざる
を得ません。