2020年11月7日土曜日

伊吹文明氏、日本学術会議に「自由を乱用するな」と。


 自民党の伊吹文明議員…これまでも強硬な改憲を主張してきた方

ですが、日本学術会議への人事介入について、

 「学問の自由と言えば、水戸黄門の印籠の下にひれ伏さなくては

いけないのか。憲法は、自由は乱用してはならないと定めている」

と述べ、さらに学術会議の会員は特別職の国家公務員だと指摘し

「一方的に政治的な声明を出すとか、学術会議の肩書で政治的な発言

をするのは自粛しないといけない」

と言ったそうです。


● 伊吹氏「学問の自由は印籠か」 学術会議側をけん制 (共同通信)

 https://this.kiji.is/697063830492546145


 まず、とにかく「日本学術会議=政府の一機関」で「会員=単なる

公務員」ということにしたいと必死です。

 日本学術会議の独立性の高さや、その土台に「学問の自由」がある

ことを、どこまでも軽視・軽侮しています。

人権の知識が底抜けに無いか、知っていてぶっ潰したいと考えている

のか、まぁ、どちらにせよ、ひどいことです。


 「学問の自由」を水戸黄門の印籠のように言うな、と批判しています

が、日本学術会議は別に権限の拡大を企んだり大きな権益を欲しがった

りしてるのではありません。憲法で保障されている自律・独立を侵す

違法な行為をしてきた政府に「違憲・違法な行為はやめてくれ」と

言っているだけです。

信号無視した人に信号無視するなと言っているだけ。

 自由を踏みつぶす人に「踏みつぶすな」と言っているだけなのに、

「自由は乱用してはならない」と理不尽な逆ギレって、ありえないと

思うのですが。

 強硬な改憲論者ほど、憲法の基本知識を軽々と蹴飛ばす…。


 政権を担う与党の重鎮がこういう発言を平然とする、という光景を

前に、私たち国民は、たとえ大学や学術と無縁でも、「日本学術会議

の件は他人事ではない」と察知しなければいけません。人権や自由を

軽視・無視するような政治家が権力を持っているということは、次は

「憲法は、自由は乱用してはならないと定めている」と言ってデモや

出版、報道を封じかねないからです。

 「次に狙われるのは自分かもしれない」ときちんと警戒することが、

とても大事です。