11月4日の衆議院予算委員会における、日本共産党の志位和夫委員長
の菅首相への質疑(一部)をご紹介します。
相変わらず、菅首相の「はぐらかし」は、お家芸ともいえる域で、
「総合的・俯瞰的活動を確保するため」の任命拒否なんていう理由が、
破綻していることを如実に語っています。
ここではご紹介できなかった、それ以外の質疑の部分では、やれ大学が
偏ってるとか、女性が少ないとか、「バランスが悪いから任命拒否した」
みたいな言い訳がすべて破綻していて、まともな答弁は1つもありません
でした…。
「バランスと言いながら自ら違法状態を作り出してバランスを壊している
のは総理じゃないですか」という志位委員長の批判には、首相は「人事に
関することは回答を差し控える」と、まさに「逃げ」るしかありませんで
した…。
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志位 なぜ6名の任命を拒否したのか。総理はその理由として、学術会議
の総合的、俯瞰的活動を確保する観点からだと繰り返してこられました。
しかし、総理のこの説明に対して、どの世論調査でも、国民の6割から
7割が説明不足と答えております。(中略)
問題は、「総合的、俯瞰的活動を確保する」ということが6名の任命
拒否の理由になり得るか?ということです。総理に伺います。
私は、10月29日の本会議の代表質問で、6名を任命すると、学術
会議の総合的、俯瞰的活動に支障をきたすという認識なのかと聞きま
した。総理からは答弁がありませんでした。私は非常にシンプルなこと
を聞きました。支障をきたすという認識なのか?イエスかノーか、
端的にお答えください、総理。
首相 きわめて大事なことですから、イエスかノーかで答えられないと
思います。私は説明をさせて頂きたいと思います。年間10億円の予算
を使って活動している政府の機関であり、任命された会員は公務員に
なります。その前提で、社会的課題に対して提言などを行うために、
専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスのとれた活動を
確保するために必要な判断を行ったものです。
さらに、今回の個々人の任命の判断とは直結しませんけれども、私は
学術会議自体に官房長官時代からさまざまな懸念を持っていました。
(中略)さらに、会員の選考というのは、全国に90万人いる研究者の
うち、約200人の会員、また2,000人の連携会員とのつながりの
ある方に限られた方々の中から選ばれており、閉鎖的・既得権益のよう
になっていると言われても仕方がないと思います。
委員長 答えをまとめてください。まとめて簡潔にお願いします。
首相 こうした中で推薦された方々がそのまま任命されてきた前例踏襲
をやめて、総合的な判断として99人を任命することを判断をさせて
いただいたということであります。
志位 今、長々とお答えになりましたが、私の聞いたことに全く答えて
おりません。その中で、最後総理が言われた「閉鎖的で既得権益」
これはひどい答弁だと思いますよ。会員・連携会員とのつながりのある
限られた中から選ばれていると言いますが、事実に反します。
新会員の選考というのは、会員・連携会員の推薦だけでなく、協力
学術研究団体からの情報提供をもとに選考委員会が選考している。
既得権益といいますけれども、10億円ということも言うけれども、
会員の給与はゼロですよ?それから、自らの研究や教育の時価を削って
科学の成果を社会に還元しようという使命感で頑張っておられる、
そういう科学者に対して、あまりに敬意を欠いた失礼な発言だと思い
ますよ。そして、あなたがあれこれ言ったことは、何よりも6名の任命
拒否の理由に全くなっていない。別の問題のすり替えです。
私が聞いたのは1つ。答えてください、6名を任命すると、学術会議
の総合的、俯瞰的活動に支障をきたすのかどうか、これを聞いている
んです。これが答えられないんですか?
首相 個々人の任命の理由については、政府の機関に所属する公務員の
任命であり、通常の公務員の任命と同様に、その理由については人事
に関することであり、お答えは差し控えたいと思います。
志位 個々人の任命の理由について聞いてるんじゃない。6名を任命し
たら支障が出るのかと聞いた。それに対して答えられない。
つまり、「総合的、俯瞰的活動を確保」というのは、任命拒否の理由に
なり得ないということであります。