東京オリンピック・パラリンピックが、専門家からの提言をスルー
して強硬に開催されようとしている今、議論の土俵が「中止か開催か」
から勝手に「会場に何人入れるか」に変えられていることに、当惑します。
とりわけ小学生・中学生などを事実上「動員」する「学校連携観戦」
については、人権侵害の域に達しているのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの感染の危険はもちろん、猛暑の中で熱中症や
食中毒の危険をおかしてまで子どもたちを交通公共機関で移動させ、
会場まで歩かせ、商業イベントを観戦させるという計画は、もはや
「教育」の範疇を超えています。
数多くの学校行事が中止になって涙を飲んできたにも関わらず、
五輪には幾多の命の危険をおかしてまで集合させられるのはなぜ?と
問われて、理屈で回答できる教職員はいるでしょうか。教職員だって
意味が分からないはずです。
連れて行き・連れて帰る教職員の負担もあまりに重い。
ほんとうにどの生徒も会場の最寄り駅を使えるのか?
熱中症で倒れた際の救護体制は?
観戦の際、密にならずに済むのか?
子どもの「動員」計画は、政権与党の「命は最優先ではない」という
世界観を象徴しています。
あらゆるリスクを指摘する批判に「子どもたちに夢と希望を」など
精神論しか返さない閣僚やJOCは、軽蔑に値します。
観戦の予定を取りやめる学校・自治体が相次いでいるのは当たり前
すぎる帰結で、子どもたちの命を守るために、さらに強く、地元の教育
委員会や市議・区議・首長に申し入れましょう。