2021年6月25日金曜日

「両親が別姓だと子どもがかわいそう」という声が子どもをいじめる


 別姓を許さない(結婚したくば名前を変えろという)婚姻制度を

「人権侵害ではない」と判断した最高裁決定。信じられなーい。

 マスメディアによっては、「街では賛否両論だ。以上。」みたいな

書き方、されてますね。


● 「時代遅れ」「同じ姓でいい」 最高裁決定に賛否の声 夫婦別姓 (時事)

https://news.yahoo.co.jp/articles/4c16d1c897d75b921c6b96392acf9a704fdb5313


 何度も書いていますが、婚姻によって姓を奪われることはアイデンティ

ティに関わる人権侵害で、被害が現実にある以上、許されないのです。

「人権侵害を解消するか放置するか多数決で決めよう」という発想自体

が誤りで、結論は世論次第かのような書き方はしないで下さい。

 知る権利に奉仕する矜持を持っているのであれば、そうした視点からの

書き方がされるべきでしょう。


 同姓か別姓か自由に選べる選択的夫婦別姓の実現は、同姓になりたい

カップルにとって何の支障にもなりません。同姓強制は世界中見まわして

も日本だけで、別姓でも夫婦は愛情を育み子どもにも何の不幸もない。

反対する方々の声を聞くと、結局「家族というものは同姓でなければ」

という思い込みと偏見にとらわれていることに気づきます。


 よく言われるのが「親が別姓だと子どもがかわいそう」という言説。

 子どもを不憫に思う“優しさ”に見えつつ、実は「別姓の夫婦は普通で

はない」「親と子で姓が異なる家族は何かおかしい」という偏見であり、

真っ先に子どものイジメの原因になるわけです。こう考える人々は、

日本以外のすべての国の子どもたちを、片方の親と姓がちがうことで

いじめられていると思っているのでしょうか。

 家族の形なんて、家族の数だけちがっていて当たり前です。

姓と幸せは無関係だ、と率先して子どもを守れる大人でいたいですね。