先だって、国際女性デーに合わせ、イギリスの経済誌「エコノミスト」
が女性の働きやすさについて、OECD加盟国のうち主要29か国を評価し
ランク付けしました(男女の労働参加率や給与の差など、10の指標に
基づいて評価)。
日本は、29ヶ国のうち28位。。。下から2番目です。。
● 女性の働きやすさ 日本はワースト2位 主要国とどう違うのか (NHK)
日本最低レベルになった理由としては、
・企業における女性管理職と、
・下院にあたる衆議院の女性議員の割合が最も低いなど意思決定の場に
おける女性の数が少ない、という点が決定的だそうです。
この点、記事中の、上智大学の三浦まり教授の指摘がとても参考に
なります。
「男女で能力差が無いにもかかわらず、女性が意思決定の場にいないの
は、選ばれ方や人材育成のどこかに問題があるということに、まずは
気付く必要がある。政治の場合は、透明性や民主制がどこまで確保され
ているのか問うべきだ。また、企業の場合は、女性が出産や育児で一時
的に仕事を中断したり短時間勤務になったりした際の不利を埋めるため
にどのような人材育成をしてきたのかが問われる」
まさに。やる気も能力も同程度なのに、なぜ管理職・議員など責任ある
立場には女性がいないのか。そこには明らかに「女性に意欲があっても
志を折られたり不利になる構造があるから」です。
三浦教授は「構造的な問題を見ないで女性は能力が低いとかやる気が
ないというのは、問題を女性に転嫁している」とも述べていますが、
まさに先日、経済同友会の代表幹事が「女性側にも原因がないことはない。
(チャンスを)『与えられたら』という方はいるが、自ら取りに行こう
という人はまだまだ。そんなに多くはないのではないかと思う」と発言
したことが思い出されます。
大事なことは夜中の料亭か週末のゴルフ場で決まる、という文化が
浸透していれば、家事・育児・介護で忙しい人は自ずとそんなところ
には参加できません。(逆に言うと、料亭やゴルフ場にいる人は、
家事・育児・介護をだれに押しつけて犠牲になってもらっているんで
しょうね、という話です。)
また、24時間ひたすら企業戦士になって会社に貢献したかどうか
でキャリアが決まる、社員を家庭から“引き剥がす”ド根性論も、結局
女性の心を折り、男性には「家庭のことは妻に押しつけておけ」と
諭す、有害な構造です。
女性が働きやすい環境というのは、男性にとっても働きやすい環境
です。男らしさ、女らしさの枠をとっぱらって、すべての社員が「人間
らしく」生きていける環境を手に入れるために、男性こそ意識を変えて
「女性が働きやすい環境」を求めて声をあげてもらいたいと強く願います。