皇族の女性の結婚をめぐって、反対する国民の声ばかり聞こえて
くる昨今、とても知性を感じない記事も多い中、その代表例とも
いえる記事があったので紹介します。
● 眞子さまは何のために皇室に生まれお育ちになったのか
取材歴30年の記者に聞く「今後」〈AERA dot.〉
https://news.yahoo.co.jp/articles/e83902916d20e1f121d274e709305cfc6e4ac111?page=1
この「眞子さまは何のために皇室に生まれお育ちになったのか」
というタイトルもさながら、一人の女性の生き方を勝手な「期待」
という名の妄想・圧力でがんじがらめにする内容には、人権意識の
欠片もありません。
「この家に生まれたからには、ある一定の生き方しか許されない」
という前提がおかしいのに、その前提を疑わずに、まるで彼女をモノ
か人形かのように扱う感覚はグロテスクです。
ある特定の人物とその家族を「象徴」として大部分の人権をはく奪
する制度が、基本的人権の尊重をうたう憲法の中に組み込まれてしま
っていること自体が闇、としか言いようがないのかもしれませんが、
少なくとも「できる限り、その闇は小さく運用していくべきだ」という
コンセンサスくらい、とれないものでしょうか。
特定の家族だけ人権をはく奪していいという発想の野蛮さに気づく
べきです。マスメディアは特に、確かな人権意識を持って「人間をモノ
扱いする」声をそのまま掲載するような真似はすべきではありません。