2014年6月24日火曜日

全弁護士会が反対です!

日本に弁護士は何人いるか、ご存じでしょうか?

今年6月1日時点で、3万5094名です。

この、3万5094名の弁護士は全員、日本弁護士連合会の会員ですが、
自分が活動拠点を置く地域の「単位弁護士会」にも所属しています。
「東京弁護士会」とか「京都弁護士会」とかです。

この「単位弁護士会」、全国に「52」存在します。
(東京には3つ、北海道には4つあるので、都道府県数より多くなってます)

実はこれまでに、日本弁護士連合会はもちろん、
日本の全弁護士3万5094名が所属する「52」の全単位弁護士会で、
「集団的自衛権容認のための憲法解釈変更」に反対する声明や決議を出したことをご存じでしょうか。
(ちなみに、7つの単位弁護士会は、3度も重ねて声明・決議を出しています。)

国家権力は、国民が生まれながらにして持っている基本的人権を侵害してきた。
その反省から、「国民が国家権力を縛る法」として作られたのが憲法でしたよね。
国家権力は、主権者である国民が決めたルール「憲法」を守って政治をすべし。
この「立憲主義」は、近代民主主義国家において、基本中の基本です。

それを、縛られる側の国家権力が好き勝手に「憲法」を解釈して、ゆるゆるの縄にしてしまったら、国家権力は国民の権利を侵害し放題です。
国民の意思を問うことなく憲法を解釈で変更することというのは、まさに民主主義と立憲主義に真っ向から対立することです。
法律家である弁護士が、こんなことを許せるはずがありませんよね。

実際、日本弁護士連合会は、次のような決議(一部抜粋&超訳)をしています。

憲法の基本原理を、憲法改正せずに、内閣の判断で変えてしまうことは、
憲法を最高法規とし、権力に縛りをかけた立憲主義を、根本から否定するもの。
立憲主義の狙いは、個人の尊重と人権の保障ですから、立憲主義の否定は、個人の尊重と人権の価値を否定することで、到底許されません。

憲法は、軍事力によらない平和を実現しようとするもので、世界に誇れるもの。
憲法のもとでの外交・防衛政策は、軍事力によるのではなく、
平和的な方法による国際的な安全保障の実現でなければなりません。

日本弁護士連合会は、政府が憲法解釈の変更によって集団的自衛権の行使を容認しようとすることに強く反対します。

日弁連2回目の決議はこちら
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/assembly_resolution/year/2014/2014_2.html

ちなみに、日弁連1回目の決議はこちら
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/assembly_resolution/year/2013/2013_1.html

他にも、東京弁護士会では、政府が集団的自衛権行使容認の根拠に持ち出した「砂川事件判決」について、「判決を歪曲して容認の根拠とすることに強く反対する」との会長声明を出しています。

また、京都弁護士会では、安保法制懇の報告書について、「国民を誤導する議論により、憲法9条2項(戦力不保持)の廃止に等しい解釈変更を試みるもの。立憲主義に危機をもたらすものである」との会長声明を出しました。

みなさんも、お住まいの単位弁護士会がどんな決議や会長声明を出しているのか、
単位弁護士会のホームページでチェックしてみてはいかがでしょうか。
「プレスリリース」や「意見書・会長声明」などでご覧になれます。

法律家は、これだけ問題意識を持っています。
主権者である国民1人1人にも自分のこととして考えていただくべく、
あすわか「知憲」の活動を急ピッチで進めていきます!