2020年2月26日水曜日

近代国家が終わる 「口頭決裁も正式な決裁」by 森法務大臣



 東京高検検事長の定年を、「国家公務員法の適用により延長する」
と決めた閣議決定。
 検察官には国家公務員法の定年延長規定は適用されない、という
法の趣旨は明らかで、過去その旨の明確な政府答弁もありました。
 それを「法解釈の変更によって」適用することにした、という手法
は、事実上の法改正であり、決して閣議決定でなしえるものではあり
ません。
 内閣が、都合の悪い法律を「解釈を変更したので」とひと言
閣議決定すれば180℃反対に読み替えることができるなんて、
そんなこと許したら、国会はなんのためにあるのか、法律なんて
無いのと同じです。
 国会が骨抜きにされる三権分立の崩壊を意味し、法治国家そのもの
の崩壊を意味します。


 そんな「法解釈の変更」を、よりによって法務省が容認するという。
 しかも、法務省が国会に提出した「法解釈の変更」容認の文書は、
文書での決裁がとられていませんでした、、、
 「口頭の決裁」をとったからOKだ、というのです。


● 検事長の定年延長「口頭決裁も正式な決裁」森法相 (NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200225/k10012299991000.html?fbclid=IwAR28ibZu2Yb1tRvYwMpRr6BwXq6VRykLAtTzSRM4aIelntMZ_pThNZ0v8fY

 



「決裁には口頭の決裁もあれば文書の決裁もあり、どちらも正式な決裁

だと理解している。文書における決裁を取らなければならない場合という
のは、決められているわけだが、今回はそれにあたらない」
                          by森法務大臣


 …「口頭の決裁」?文書主義の霞が関で???

 行政におけるあらゆる決定が、これから、文書では残されないかもしれ
ない。
 すべて「えーと、それはたしか口頭で決裁しました。」と誰かの記憶
だけが頼りだ、という。

 法治国家の終焉であり、近代国家の終焉です。


 森法務大臣は弁護士です。
 白をも黒という、理性もプロ意識もかなぐり捨てた法曹のなれの果て。
 残念です。

 この国の「転落」は、国際的にも当然危険視されるでしょう。
 知性や常識が通じない国だと警戒されることは間違いありません。


 「こんなの、どう考えてもおかしい。」
 常識がある人なら、感じているはず。
 その違和感を声に出してください。
 メディアへの投書、ご意見メール、SNS発信、自分なりのスタイルで、
声に出してください。
 黙っていれば、それは容認するのと同じです。