芸術文化振興基金が、芸術や文化を振興する活動への助成金の交付
要綱を改正し、「公益性の観点から不適当と認められる場合」に、
助成金交付の内定や決定を取り消すことができるとする内容を新たに
付け加えたことが分かりました。
● 「公益性の観点から不適当」で助成拒否が可能
あいトリ補助金不交付決定の翌日、要綱改正 (東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201910/CK2019101802100032.html
この「改正」は、文化庁が「あいちトリエンナーレ2019」への
補助金の交付を覆した翌日になされました。
なんと分かりやすいことか。。。
政府に都合の悪い芸術・表現をつぶしたい文化庁(文科省)の顔色を
うかがう見事な萎縮と忖度です。
<抜粋>
振興会によると、本年度の助成が内定していた映画「宮本から君へ」に、
麻薬取締法違反の罪で執行猶予付き有罪判決を受けたミュージシャンで
俳優のピエール瀧・元被告が出演していたことが改正の背景。
助成により「国が薬物を容認するようなメッセージを発することになる
恐れがある」…
<抜粋終わり>これまた、なんというか、とってつけたような理由です。
俳優の薬物使用を理由に上映や撮影が中止になるたびに「作品に罪は
ない」と批判が起きるのは毎度のことで、「その作品に助成金を出す=
薬物を容認するメッセージ」などと世の中は受け取りはしません。
…とマジレスするまでもなく、「とってつけた理由」でしょう。
「公益」という言葉を権力が持ち出す時には最大級の警戒が必要です。
その中身は結局、常に権力(警察)次第だからです。
2012年に自民党が発表した改憲草案は、「公益」「公の秩序」を
理由に人権をいくらでも制約できる、とびっきりな破壊力を持つもので
した。その改憲草案は、今こうやって、事実上、実現されようとして
いるわけです。