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2019年6月10日月曜日
広島弁護士会 憲法に9条の2(自衛隊条項)を創設する案に反対する決議 <勝手にあすわか訳2>
広島弁護士会の、自民党の自衛隊加憲案に反対する総会決議。
https://www.hiroben.or.jp/iken_info.php?ikenid=238
小難しいので(^-^; 勝手にあすわか訳してます!
続いて、
「基本的人権に対する侵害または制約と国民生活に対する影響」
の前半部分です。
* * * * * * *
さっき話したとおり、平和主義と立憲主義の観点からめちゃくちゃ
問題あるので、おのずと、国民の基本的人権に対する侵害のおそれも
出てきます。
(1)戦争する国家による人権侵害
自衛隊が憲法に明記されてしまえば、2015年に成立した集団的
自衛権を容認する安保法制とコラボして、何の歯止めもない「自衛の
措置」の名の下に,自衛隊が世界中のどこにでも派遣され,武力行使
を行うことが憲法上容認されることになりかねません。
そうなれば,日本国民が国際紛争の中で、自衛隊員やその関係者
たちを中心に、殺し・殺される当事者になるわけです。
さらに,「自衛の措置」の名の下,武力行使が行われるとその被害
や負担は自衛隊関係者のみにとどまらず,私たち国民全体が負うこと
になります。
そして、一度戦争が始まれば、必ずや総力戦となって国家同士の
つぶし合いとなり,国民の多くが直接の犠牲者となって重大な人権
侵害を生じうることは、歴史が今までいくらでも証明しています。
そればかりか,長距離弾道ミサイルや核兵器開発が開発された現在
においては、戦争で核兵器が使用されることも想定され、使われれば
その被害は,戦争当事国どころか地球環境全体、人類全体にまで及ぶ
わけです。
人々にとって「戦争こそ最大の厄災」なのです。
(2)その他の基本的人権の侵害
自民党の自衛隊加憲案では,「自衛隊」は「国会などと同様の憲法
上の重要な国家機関である」と解釈できてしまえます。
そう解釈してしまえば、自衛隊の任務や活動が、憲法上の国家機関
の行為として「公共の福祉」にかなうものとみなされ、国民の基本的
人権を制限することが正当化され,国民生活をめちゃくちゃ圧迫して
きます。
例えば…
ア 軍事機密の横行と報道(表現)の自由の抑制
自衛隊が憲法に明記されてしまえば、「自衛隊は憲法上の重要な
国家機関なのだから」という理由で、憲法は「軍事機密の保護」を
なによりも求めている、と解釈できてしまえます。
ただでさえ、すでに特定秘密保護法により「防衛に関する事項」が
広ーく特定秘密扱いされて隠されてしまっているのに、さらにこれが
拡大され、メディアの取材の自由も、市民によるこれに関する意見
表明も、封じられることになります。
それ以上に,「自衛隊」に関する情報公開は認められないおそれ
があります。
その結果,国民の表現の自由(知る権利)は大幅に制約され、
「自衛隊」の活動に関しては何も知ることができず、何も意見表明
できず、国民の側から自衛隊に歯止めをかけようなどということは、
一切できなくなりかねないわけです。
イ 思想・良心の自由,プライバシー権の侵害
自衛隊が憲法に明記されれば、「自衛隊は憲法上の組織であり,
この維持・強化は政府の憲法上の責務であり、また自衛隊が憲法上の
重大な機関である以上、国民はこの責務に従わなくてはならない」
とかいって戦争や徴兵制に反対する思想・良心の自由が認められ
なくなる可能性があります。
結局、自衛隊加憲案が成立すると、自衛隊やどの活動への疑問や
不安を差し挟む思想・良心の自由が侵害され、「おかしい」と声を
あげる市民は誰だ、と国家(警察)が調査しはじめ個人のプライバシ
ー権が侵害されるおそれがあるわけです。
(続く)