2024年9月30日月曜日

東京新聞社説 袴田さんに無罪判決 再審に道開く法改正こそ


● 社説 袴田さんに無罪判決 再審に道開く法改正こそ (東京)

 https://www.tokyo-np.co.jp/article/356843



<一部引用>

 再審法は約100年前の条文を使って、戦後もずっと放置されてきた。

わずか19条しかない。再審法の改正は喫緊の課題である。

 例えば無罪にたどり着くまで長い時間を要するのは、再審開始決定に

検察官が不服申し立てをできる仕組みがあるからだ。

 袴田さんの場合も、2014年に地裁で再審開始決定が出ながら、

検察官が即時抗告をしたため、再審開始が確定するまで約9年も経過

してしまった。

 いったん再審が決まれば、検察官の不服申し立ては禁止する法規定が

必要だ。冤罪の被害者は一刻も早く救済すべきなのは当然ではないか。

今回の無罪判決についても、検察は控訴せずに無罪を確定させるべきである。

 証拠開示の在り方も大きな問題だ。再審については明文の規定が存在せず、

裁判所の裁量に委ねられているにすぎない。

 「存在しない」と検察側が主張していた「5点の衣類」のネガフィルムが

保管されているのが判明したのは14年のことだ。証拠隠しともいえる行為

が再審の扉を閉ざしていたに等しい。

 このような不正義を防ぐためにも、無罪に結びつく、すべての証拠を

検察側に開示させる法規定を設けねばならない。

 現在、超党派の国会議員による「再審法改正を早期に実現する議員連盟」

ができている。衆参計347人の議員が名前を連ねる。

<引用終わり>      

袴田さん再審無罪 日本の再審ルールは欠陥だらけ⚠


 再審無罪判決の言い渡しの際、裁判長は、袴田ひで子さんに裁判に
時間がかかったことを謝罪しました。刑事裁判における再審手続きの
ルールがほとんどなく極めて不公平(被告人に不利)という大問題に、
ぜひご注目下さい。
 えん罪はだれにでも起きうることなので、ぜひ我が事として捉えて
ください。再審において検察にすべての証拠の開示を義務づけたり、
検察官抗告を禁止する再審法改正が急務です。国会では再審法改正に
賛同する超党派の議員連盟もあります。議員たちに今すぐにでも法改正
をするよう、ぜひ声をあげませんか。


■関弁連及び管内13弁護士会の共同声明
 刑事訴訟法の再審規定(再審法)の速やかな改正を求める声明

<一部引用>
 袴田さんに無罪が言い渡されるまでにこのような長期間を要したのは、
現行の再審手続に関する法律(刑事訴訟法第四編「再審」)(以下「再審
法」という。)に問題があるからと言わざるを得ない。

 えん罪は、国家による最大の人権侵害の一つである。個人の尊厳を究極
の価値とする日本国憲法のもとでは、えん罪被害はあってはならないもの
である。

 えん罪被害者を守る最後の砦が再審法において規定されている再審手続
である。しかし、現行の再審法の規定は、僅か19か条しかなく、再審
手続をどのように行うかは裁判所の広範な裁量に委ねられていることから、
再審請求手続の審理の適正さが制度的に担保されず、公平性も損なわれて
いる。

 また、袴田事件のみならず過去の多くのえん罪事件において、警察や
検察庁といった捜査機関の手元にある証拠が再審段階で明らかになり、
えん罪被害者を救済するための大きな原動力となっているが、現行の再審法
においては、捜査機関の手元にある証拠を開示させる仕組みについて明文の
規定がなく、再審請求手続において証拠開示がなされる制度的保障がない。
そのため、裁判官や検察官の対応いかんで、証拠開示の範囲に大きな差が
生じているのが実情であり、これを是正するためには、証拠開示のルール
を定めた法律の制定が不可欠である。
 さらに、再審開始決定がなされても、検察官がこれに不服申立てを行う
事例が相次いでおり、えん罪被害者の速やかな救済が妨げられている。…
<引用終わり>





袴田さん再審無罪 再審ルールを今すぐ改正すべきです📣

 

 刑事裁判も人が進めるものである以上、必ず誤判が生じます。

誤判による(えん罪)被害者を救済する最後の手段が再審です。

しかし日本の再審手続きには重大な欠陥があり、ほぼ「開かずの扉」

状態です。袴田巌さんやご家族の受けた仕打ちを「ひどい」と思う

方は、ぜひ再審法改正の必要性も知って下さい。


 袴田事件は第1次再審請求の審理に約27年、第2次再審請求の審理

に約15年かかりました。こんなにも長期にわたった原因は、まず再審

法に手続規定がなく裁判所の裁量次第になっていること、そして再審

請求手続での証拠開示制度が存在しない(捜査機関が証拠を隠せてしまう)

という欠陥にあります。


 また、静岡地裁の再審開始決定から再審公判が開かれるまで更に9年

7か月、無罪判決まで10年以上かかってしまいました。検察官が再審

開始決定に対して不服申立て(上訴)できるからです。欧米諸国では

再審開始決定に対する検察官上訴は禁止されています。日本でも禁止

すべきではないでしょうか。


 参考までに、京都弁護士会と埼玉弁護士会の声明をご紹介します。

いずれも死刑の残虐性や再審法の不備などについて分かりやすく解説

しています。

■京都弁護士会 「袴田事件」の再審無罪判決を受けての会長声明

 https://www.kyotoben.or.jp/pages_kobetu.cfm?id=10000572&s=seimei





■埼玉弁護士会

 「袴田事件」無罪判決を受けて検察官の上訴権放棄と再審法改正を求める会長声明

 https://www.saiben.or.jp/proclamation/001379.html


田さん再審無罪 毎日新聞の謝罪と検証

 

 毎日新聞が、強盗殺人事件発生当初、捜査機関の見立てを鵜呑みに

して袴田さんを犯人と決めつけて報じた事実を自ら検証しています。

「袴田さんとご家族、関係者の名誉を傷つけ、人権を侵害し」たと

認め、謝罪しています。権力監視の指命を負う報道機関としてある

べき態度です。


● 捜査当局情報に傾斜 袴田さん 毎日新聞報道検証 (毎日)

 https://mainichi.jp/articles/20240927/ddm/002/040/101000c



<一部引用>

 袴田さんが逮捕された1966年当時の紙面を振り返ると、袴田さんを

犯人」とする捜査当局の見立てを疑わずに報道していたと言わざるを

得ません。発生から1年2カ月後に発見された「5点の衣類」が犯行時の

着衣とされた点についても立ち止まって取材し、紙面で検証することは

ありませんでした。

 なぜ、このような報道を続けたのか。事件から半世紀が経過し、当時

の編集局幹部に確認することはできませんが、時代背景が異なっていた

こともあり、逮捕された容疑者の人権に配慮する意識が希薄でした。

名前も呼び捨てにしていました。更に捜査当局への社会的信頼が厚く、

捜査に問題があるかどうかを疑う視点が欠けていました。

 袴田さんが逮捕された際に犯人視するような報道を続けた結果、袴田

さんとご家族、関係者の名誉を傷つけ、人権を侵害しました。

また、読者に誤った印象を与え、新聞に対する信頼を裏切ることにも

なりました。真摯(しんし)に反省するとともに、袴田さんとご家族、

関係者、読者におわびします。

<引用終わり>


2024年9月25日水曜日

10月6日(日)楾大樹弁護士の憲法カフェ『檻の中のライオン』in名古屋🌼



日時:2024年10月6日(日)

 13:40~16:40


会場:ウィンクあいち 1307会議室 https://winc-aichi.jp


会費:1,500円/学生500円

  高校生以下無料


申し込みフォーム:https://www.kokuchpro.com/event/0d64a1d65595116caaa33f6ece6e60d9/


 詳細→ https://www.facebook.com/events/1421841675180204/


2024年9月24日火曜日

10月5日(土)楾大樹弁護士の憲法カフェ『檻の中のライオン』in愛知・瀬戸🐤




日時:2024年10月5日(土)

  13:50~ハンドベル演奏

  14:10~16:30 檻ライ🦁


会場:瀬戸蔵 つばきホール

 https://www.setogura-museum.jp


参加費800円/18歳以下・障がい者500円

お申し込み→ izawa-h2@gctv.ne.jp


詳細→https://www.facebook.com/events/1706026283265603/


 ◆主催 檻の中のライオンプロジェクト瀬戸 

2024年9月20日金曜日

旧統一教会との関係 今度こそ真摯な調査をすべきです

 

 「安倍元総理大臣らが2013年の参議院選挙直前に自民党本部で旧統一

教会の幹部らと面談していたとみられるなどと報じられたことについて、

岸田総理大臣は、教団との関係は国会などで説明してきたとおりで、

現段階で付け加えることはないと述べました。」


● 岸田首相 旧統一教会との関係「説明してきたとおり」 (NHK)

 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240917/k10014583801000.html



 いやいや、この対応、このコメントは、、、

 極めて悪質な消費者被害や犯罪を引き起こしてきた組織と「組織ぐる

みの関係」だった疑惑が濃厚となった今、自民党という政党に政治を

託し続けていいのか、主権者として見極めたい。その当たり前な要求に

向き合わない岸田首相(総裁)や、総裁選候補者は、極めて不誠実と

いわざるを得ず、民主主義の担い手としてふさわしくありません。

 


自民党と旧統一教会との関係 やはり組織ぐるみなのでは


 安倍首相が旧統一教会の会長らと自民党本部の総裁応接室で面談して

いるとおぼしき写真が複数枚。

 側近の萩生田光一氏、実弟・岸信夫氏、教団の友好団体トップらも

同席した「教団側による自民党候補者の選挙支援を確認する場」、との

報道。

 トップたち同士が総裁応接室で選挙支援について話し合っている…

つまり、反社会的組織の強力なバックアップを受けて選挙を勝ち抜いた

政党といわざるを得ないのでは?


● 安倍晋三氏と旧統一教会会長、自民党本部で選挙支援確認か 写真入手 (朝日)

 https://digital.asahi.com/articles/ASS9J2PWQS9JUTIL006M.html



 これは、自民党と旧統一教会は「組織ぐるみ」の関係、ととらえるのが

自然です。

 永年、巨額の消費者被害をもたらし、監禁などの犯罪も起こしてきた

反社会的組織と昵懇の仲…国会議員ともなればこのような正義にも倫理

にももとる組織とは距離をとらねばと考えるはずですが…そのような

政党に公平公正な政治を託せるのでしょうか。

まだいってるの「旧姓の通称使用」…あまりにも非現実的💧

 

 自民党総裁選で議題にあがっているのが、選択的夫婦別姓。

自民党「だけ」が反対しているがゆえに実現できないので、これを

どうするつもりか当然注目されます。

 選択的夫婦別姓に強硬に反対する高市早苗氏は、「(旧姓の通称

使用拡大で)ほとんどの不便は解消される」、と自民党総裁選でも

主張しているので、驚きです。旧姓の通称使用は国際社会では一切

通用せず、逆に不審人物と思われる現実をまったく直視していません。

自民党政治を強くバックアップしているはずの財界からも、選択的

夫婦別姓を実現しろと要求されているのに、頑なに動きません。


● 高市早苗氏「旧姓使用で」…またも噴き出た自民の「周回遅れ」ぶり

                「夫婦別姓」小泉進次郎氏は前向きだが

 https://www.tokyo-np.co.jp/article/353129?dicbo=v2-6H5gpuX



 互いの姓のままでの結婚も選べる選択的夫婦別姓は、「日本の伝統的

家族が崩壊する」「家族の一体感が壊れる」という不思議な主張(by自民党)

で実現が封じられ続けています💦日本以外のすべての国で別姓婚が認めら

れていますが、別姓ゆえ他国の家族の絆はズタボロなのでしょうか、と

皮肉の1つもいいたくなりますね…

 #選択的夫婦別姓

民主主義を大きく傷つける金権政治 裏金問題を忘れない

 

 そういえば自民党の総裁選。立候補者が乱立して、「さまざまな課題」

について活発に討論されているようです。

 自民党といえば、少なくとも85名以上の議員がパーティー券の売り

上げを「裏金」にして国民の監視の目から逃れていた事件は忘れられ

ません。政治資金規正法に違反する犯罪であり、脱税です。90人にも

せまる多数の議員が巨額の「不正なカネ」を動かしていたという犯罪は、

常識的な正義感があれば看過できるはずがありませんが、この問題を

厳しく律する候補者はいるのでしょうか?


● 「裏金議員に担がれる自民総裁候補」は5人だけか?

          「迷惑かけては…」と推薦人にならなかった議員も (東京)

 https://www.tokyo-np.co.jp/article/353798



 自民党の裏金問題は、自民党が日常的に巨額の政治資金パーティー券を

売りさばき、巨大企業が購入することで事実上の献金を得ているという

構図も(改めて)明らかにしました。政治が、国民のため、弱い人のため、

ではなく、「大企業のため」に動く背景には、巨大与党が大企業からの献金

をもらっているという事情があります。市民の願いや期待とはちがう

政策ばかりを打ち出す背景に金権政治…民主主義は大きく傷ついています。

こういう体質を「変えねば!」と大ナタを振るう総裁候補者は、いるので

しょうか?


警察の無制限な情報収集活動にNO! 県に賠償命令 2


 岐阜県警大垣署が、風力発電施設の建設に反対する市民たちの詳細な

個人情報を収集し、会社側に提供した事件。「裁判長は『市民活動を

際限なく危険視し、情報収集、監視を続けることは憲法に反する』など

と違憲性も指摘した。」弁護団によると、警察による特定個人の情報

収集を違法とした初の裁判例です✨


● 警察の公安活動「規律策定を」 プライバシーの侵害懸念 (東京)

 https://www.tokyo-np.co.jp/article/354090



 警察の情報収集活動について、名古屋高裁は「どのような場合にどの

ような情報が収集されるかなどを明確に規定する具体的な法律上の根拠

があることが望ましいことは明らかで、『公共の安全と秩序の維持』を

名目としてフリーハンドで活動することは許されない」と述べました。

 自分の住む地域に巨大施設が建設されるのはイヤだなとか思うことは

誰にでもあることで、それが安全な施設なのか勉強会を開いたり、建設

しないでくれと反対することも当たり前の権利なのに、警察がそういう

アクションを一切合切「危険視」して学歴や病歴まで収集して企業に

流すなんて、あり得ません。

 警察は、「公共安全」「秩序維持」という抽象的な大義名分さえあれば

こうした個人情報収集も許される、と一貫して主張しました。これは

市民のプライバシー権をあまりにも軽視した発想です。

判決は、「警察に怯えることなく正当な市民活動をする自由」を重視し、

警察の際限ない情報収集活動にNOを突きつけた点で、画期的です。


警察の無制限な情報収集活動にNO! 県に賠償命令 1


  岐阜県警大垣署が、風力発電施設建設に反対する市民たちの詳細な

個人情報(病歴・学歴までも!)を収集し、会社側に提供した事件。

名古屋高裁は「市民運動…を際限なく危険視して情報収集し監視を

続けることが、憲法による集会や結社、表現の自由の保障に反する

ことは明らかだ」と断じ、県に賠償を命じました!


● 警察収集の個人情報 一部抹消を命令 名古屋高裁が岐阜県に (NHK)

 https://www3.nhk.or.jp/lnews/gifu/20240913/3080014293.html



<一部引用>

 【専門家 “重要な判決で憲法上も評価”】

判決について憲法が専門の日本大学法学部の玉蟲由樹教授は「公安警察の

情報収集活動に憲法上のコントロールが及ぶべきだという判決で、踏み

込んだ内容だ。公安警察に限った話ではなく公権力が市民の情報を集める

というのは様々なメリットもあるが、プライバシーに非常に強く介入して

しまうというデメリットもある。そこの線引きがあいまいなまま、

『警察だからいいだろう』という部分がこれまではあったが、それに対し、

プライバシーに配慮した活動をしないといけないといっている点で、

重要な判決で憲法上も評価できる」としています。

その上で、「情報が収集されることによって人々の様々な表現活動や集会

が阻害されてしまうという問題についても明確に認めている部分も重要で

広く市民に関わる判決だ」と話していました。

<引用終わり>

2024年9月2日月曜日

9月9日(月)楾大樹弁護士の憲法カフェ『檻の中のライオン』in尾道・因島🌴



日時:2024年9月9日(月)

 13:00~15:30


会場:尾道市因島三庄町三区1945 明徳寺

 https://www.instagram.com/myotoku_ji_innoshima/


参加費1,500円/高校生以下無料


お申込み・問い合わせ  shima.nami.621@gmail.com 


詳細→ https://facebook.com/events/s/1513627699261717/

9月8日(日) 楾大樹弁護士の憲法カフェ『檻の中のライオン』in 福山🍉


日時:2024年9月8日(日)

 13:30~15:30


会場:東部市民センター2階 第1学習室 

(福山市伊勢丘6丁目6-1)


参加費700円/学生・障がい者200円/同伴の子ども無料


事前申込みフォーム

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfwmbk2oRUvHfyKmj8S-yun-rCVVgOTeXlBQc0s26Nt1YTHBA/viewform


詳細→ https://www.facebook.com/events/390641424050446/