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2019年6月10日月曜日
広島弁護士会 憲法に9条の2(自衛隊条項)を創設する案に反対する決議 <勝手にあすわか訳4>
広島弁護士会の、自民党の自衛隊加憲案に反対する総会決議。
https://www.hiroben.or.jp/iken_info.php?ikenid=238
多くの方にお読みいただきたいので、勝手に“あすわか訳”してます!
多少は読みやすくなったかな…?
最後は、
なぜ弁護士が憲法や戦争云々について声をあげているのか、という
部分です。
* * * * * * *
新憲法下における弁護士の活動について
(1)戦前の反省と弁護士自治
戦前、弁護士会や弁護士は,司法省の監督下にあったため、十分
な人権擁護活動は行えませんでした。
植民地支配や侵略戦争が拡大して言論・出版統制が厳しくなるなか
で、1944年には大日本弁護士報国会が作られて国家総動員体制に
組み込まれていきました。
その結果,弁護士会も弁護士も、侵略戦争遂行に協力する結果と
なったのです。
敗戦後、日本国憲法の下では、弁護士の職務が人権擁護や司法制度
にとって不可欠な存在であると認識され、そのためには国家からの
監視・制約を受けることなく、個々の弁護士が国民の権利を擁護する
ために自由に活動する必要があると考えられました。
司法省の監督下にあった弁護士は、弁護士会を設立し、そこに全員
が加入したうえ,弁護士会が各弁護士を監督することにしました。
これが弁護士自治の始まりです。
個々の弁護士の弁護士会への強制加入制度は、個々の弁護士に対す
る国家権力の介入を封じるために認められたもので、また、弁護士会
が国家権力に対して自由に法的意見を述べることは、個々の弁護士の
力や、個別事件での頑張りだけでは国民の基本的人権の擁護が全う
できないからです。
(2)平和宣言と弁護士・弁護士会の責務
そして,1949年5月30日に改正弁護士法が成立し、弁護士
法第1条に「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」使命が
設けられました。
この改正弁護士法を受けて、1949年9月1日に日本弁護士
連合会及び新たな当会(広島弁護士会)が設立され、1950年
5月12日、日本弁護士連合会は、第1回定期総会を爆心地である
広島市で開催し、次の平和宣言を採択しました。
この宣言は、憲法前文と同様に「日本国憲法は世界に率先して
戦争を放棄した。われらはこの崇高な精神に徹底して、地上から
戦争の害悪を根絶し、各個人が人種国籍を超越し自由平等で且つ
欠乏と恐怖のない平和な世界の実現を期する。右宣言する。」
とされている。
この歴史を見れば分かるとおり、弁護士会と弁護士は、戦争を根絶
し、各個人が自由で平等で且つ欠乏と恐怖のない平和な世界の実現を
するために活動する責務があります。
そして、爆心地のある広島弁護士会こそ、その責務を率先して果た
すべきものと考えています。
これまで述べたとおり、自民党の自衛隊加憲案は、わが国が再び
戦争に巻き込まれて個々の市民の人権や自由が損なわれる危険を
内包する規定となっています。
そのため、当会は本件改正案に強く反対し、その危険性を広く国民
に知らせるべく、本件決議を採択するのです。
以上のとおり、自民党の自衛隊加憲案は、日本国憲法の基本的原理
である基本的人権の保障と恒久平和主義に反したうえ、立憲主義から
も重大な問題があると言わざるを得ません。
よって広島弁護士会は、国民の基本的人権の擁護と恒久平和主義を
守るために、自衛隊加憲案に対し、強く反対します。キリッ彡