国連児童基金(ユニセフ)が発表した報告書によると、
日本の育休制度は男性で1位の高評価である一方、「実際に取得する
父親は非常に少ない」とのこと…。
●日本男性、制度1位も育休取らず 国連が指摘 (共同)
せっかく制度が整っているのに誰も使わないのでは意味がありません。
なぜ男性が育休を取得しようとしないか、といえば…
「育児は女がするもの!男が育休なんて迷惑千万」という旧態依然とした
性別役割分担の発想が根強いからでしょう。
事実、育休を取得しようとする男性への“パタハラ”が横行しています。
この点、『イマドキ家族のリアルと未来』第2章で、今泉義竜弁護士が
実例をまじえて解説しています。
★『イマドキ家族のリアルと未来』
(かもがわ出版)
第2章「イマドキ家族のリアル」6.
「男性も自由に育児を!
パタハラ事例から見える『男は仕事』の分担意識」
by今泉義竜弁護士(あすわか)
憲法24条は、沿革的には家庭で抑圧されている女性を救うために
定められましたが、その内容は男性にとってもめちゃくちゃ重要です。
「男らしさ」「男たるもの」の縛りは、男性自身を苦しめます。
なぜ「男たるもの」は力強く家族の長として引っ張っていくリーダー
でなきゃいけないのか?
なぜ「男たるもの」時には家族を犠牲にして仕事に邁進して会社に
貢献しなきゃいけないのか?
言うまでもなく、男性だって女性だって、一人残らず「その人」だけの
個性がありますからね。家庭を第一にしたい男性だっているでしょうし、
力強い女性に引っ張ってもらいたい男性だっているでしょう。
それを素直に表現するとバカにされるような社会は、息苦しいし、
おかしいし、前時代的です。
夫婦で力を合わせて子どもを育てた経験は、夫婦にとっても子どもに
とってもかけがえのない価値があります。
逆にいえば、ワンオペ育児をせざるを得なかった経験が「もう子どもは
いいや」と、少子化を加速させてるのかもしれませんね。
男性が育休を取得することが当たり前の世の中になるためにも、憲法
24条の理念を、もっともっと社会に知ってもらわなければなりません。